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立春大吉

立春を迎えました。今朝の寒さからはそうと感じられませんが、暦の上では今日からが「春」です。

「立春」は二十四節気でいうところのお正月。前日(大晦日)の節分で豆をまいて邪気を払い、翌日から新しい一年が始まるというわけです。

この日の早朝に、一年の無病息災を願って「立春大吉」と書いた御札を貼る風習があります。

「立春大吉」は縦書きすると左右対称。 そして表裏どちらから見ても同じく「立春大吉」と読めます。このことから、家に入ってきた鬼が、振り向くとまた「立春大吉」と書かれているので、勘違いして外に出ていく。という話。

ほんとだ、出ていった。なんて、ニヤニヤと鬼の背中を見送ってみたいものですね。笑

さて、暦の上では次の立夏までが春。ですが、いまは季節が過ぎるのが早くて、5月を待たずに夏の気配を知るほど。なので春といえば2月、3月、4月とし、それぞれ早春、仲春、晩春と呼ぶのが、しっくりきます。

こんなふうに、ことばを聞いただけでも、それぞれの季節の雰囲気が、伝わってくる感はあり、しかし、ことばだけでは細かに分類しきれないところにも、季節を見つける面白さがあります。

ものの終わりや始まりには、くっきりと線を引きたくなるのは、古代の人から受け継いだ、日本人ならではの感性です。

一方で、目に見えない糸でつながるように、自然と春が育っていく様子に気づけるのも、私たちならではの感覚であり、遊び心であり、豊さではないかな、と思います。

一年の始まり、には見合わない、どんよりとした鈍色の空で迎えた朝。しかし立春、ときくだけで、心にも昨日までにない暖かさが住み着くような、固い扉があいたような気持ちになるから不思議ね。

立春大吉、良い一年にしましょうね。今日もいちりんあなたにどうぞ。

フキノトウ 花言葉「待望」

春が立つ




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