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観劇 日本テレビ開局70年記念舞台『西遊記』

1月7日(日)ソワレの明治座公演を観てきました。新春の気分にふさわしく、2024年の観劇始めに選んで正解でした。

キャスト

孫悟空 片岡愛之助/三蔵法師 小池徹平/猪八戒 戸次重幸/沙悟浄 加藤和樹/玉竜 村井良大/鉄扇公主 中山美穂/牛魔王 松平健

あらすじ

悟空は天界で蟠桃の仕事を任されていた。ある日、大暴れした悟空は、玉帝の怒りを買い、お釈迦様によって山中に閉じ込められてしまう。500年後、旅の僧侶・三蔵法師に助けられてようやく自由の身に。
一方で、天蓬元帥(後の猪八戒)と捲簾大将(後の沙悟浄)、玉竜も悟空が暴れた責任を問われ、天界を追い出されていた。ひょんなことから悟空と出会い、一行の天竺を目指す旅が始まる。

ド派手演出で魅せるお祭り舞台

昨年放送された特集番組でも大きく取り上げられていたのが、豪華な舞台セット。大型のLEDパネルを組み合わせたもので、それらが各シーンの背景になったり、時には階段や柱がついて変形したり、リアルタイム合成の顔はめ演出がなされたりする。最新技術を取り入れつつ、細かいタイミングなどは人力で一つ一つ調整しているとのこと。
華やかな衣裳にワイヤーアクション、立ち回り、歌、ネタ(笑い)も存分に盛り込まれたお祭り的な舞台となっている。

各キャラクターの登場場面が楽しい

冒頭から、悟空をはじめ主要キャストの個性豊かな登場シーンで西遊記の世界に引き込まれる。
悟空は石の中から勢いよく飛び出し、立ち回りで魅せる。牛魔王(登場時は白牛)は顔はめLEDで笑わせ、かと思えば、センターから牛魔王の姿で堂々の登場。猪八戒と沙悟浄は客席通路を通ってステージへ。三蔵法師はソロ曲を披露。鉄扇公主の本格的な出番は1幕終盤だけれど、オープニングの曲中にフライングで登場。こうした各キャラクターが際立つ演出での登場シーンは、拍手を送ることができて嬉しい。
オープニングはタイトルバックとともに「Monkey Magic」が流れ、キャストによる歌、ダンス、客席の手拍子。明確なオープニングがあるというのも、これから始まっていくというワクワク感が煽られて個人的には好きなポイントだった。

悟空と牛魔王の友情物語

あらすじは『西遊記』をベースにしながら、孫悟空と牛魔王の友情が描かれるなど創作も加えられている。小池徹平くんが演じる甘え上手(?)でちょっと抜けたところのある三蔵法師などあてがきのようなキャラクター設定も見どころだ。
天界で白牛と出会った悟空は、白牛に「平天大星 牛魔王」と名付け、ふたりは義兄弟の仲となる。500年の時を経て三蔵法師と旅をしていた悟空はやがて是空国に辿り着き、牛魔王と再会。牛魔王は是空国の王になっていた。再会を喜ぶのも束の間、妃の鉄扇公主の企みが明らかになり・・・
クライマックスでは牛魔王 VS 鉄扇公主のフライングが大きな見せ場となる。牛魔王役の松平健さんは舞台上にいらっしゃるだけで華があって、歌、セリフもかっこいい。一方の中山美穂さんの殺陣や歌は正直”ご愛嬌“なレベルと感じてしまうが、あのお二人が”フライングで殺陣をする”という光景自体がお祭り的でワクワクする。
場面転換のたびに入るナレーションがストーリーテラーのような役割を果たし、良く言えば誰もがわかりやすい作りに工夫されている。一方で、本来であれば役者さんの演技から行間を読むような場面にも解説が入り、残念に思うシーンもある。特に、終盤の牛魔王の見せ場は、松平健さんのお芝居の余韻をもう少し味わいたかった。

愛之助さんの挨拶

カーテンコールで愛之助さんから挨拶がありました。
愛之助さん、セリフもアクションも多く、エンディングではバク転もされていて驚かされ、カーテンコールでのご挨拶も立ち振る舞いも紳士的で、とても素敵な方だなと。ざっくりですが、備忘録として残しておきます。

⚫︎1月7日ソワレ
「今年は新年から地震や事故などいろいろなことがあり、胸を痛めていることと思います。我々もそうですが、我々にはお芝居しかできませんので全力で努めさせていただきました。少しでも明日への活力になってくださればと思います。
西遊記は大阪で始まり、博多へ行き、そこから1ヶ月空いて御園座で年を越し、ここに戻ってきました!」
(拍手)
「途中、自由な時間がありましたが、そこは本当に台本がなくアドリブです。毎日ネタを考えてるんです。袖でネタ合わせを(笑)
そして、大階段など舞台が作られます。今どき自動なんですけど、全部手押しです。
ワイヤーで客席の上をビュンビュン飛び回ってましたけど、今どき電動なんですけど、裏でスタッフが手で引いてます。」
(袖のスタッフさんに拍手)
「皆さんの力で成り立っています。そしてなにより来てくださる皆さんの力で成り立っています。
いつもこの場で一人指名して挨拶をしてもらうんですが、この時間になるとみんな目を逸らすんですよね(笑)・・・あ、今、目が合いましたね!お願いします。」

指名された俳優さんご挨拶。
新年の舞台に西遊記を選んでいただきありがとうございます、などご挨拶してくださいました。お名前わからず・・三大仙のお一人だったかと。

「あまりネタのことばかり言うのはアレですが、毎日変わりますので、千秋楽までまだありますのでよかったら、また遊びに来てください。
本日は本当にありがとうございました。」

観劇前や幕間も楽しい明治座

明治座には実は初めて入ったのですが、喫茶、ラウンジ、お食事処、売店など充実していて建物の雰囲気を含めてとても素敵な劇場でした。ロビーを歩くのもちょっと楽しい。公演グッズの他にマツケングッズの売り場もありました。すごい。笑
せっかくなので早めに入り、開演前に売店でお弁当を購入して幕間にいただきました。休憩30分というのも嬉しい。公演にちなんだお弁当も予約できるようです。

明治座といえば、のぼり。
エントランス。
階段も素敵。
幕間のお弁当。ちょうど良いボリューム。
開演前は喫茶花やぐらへ。15時過ぎ、明治座プリンは売り切れでした。

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