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師弟関係って契約書はどうなってるの?

師弟関係って契約書はどうなってるのですか?


と聞かれたことがあります。


私たち人形浄瑠璃の演者は、現在いわゆる芸能事務所に所属しているのではなく、世襲でもないので「お家」もありません。
書類上では演者個人個人が個人事業主のような立ち位置になります。

ですので、「中小企業の意識調査」のようなアンケートがきたりすることもあります。

加えて、私たちの界隈では仕事などを口頭で約束することも多く、基本的に信頼関係でなりたっているといっても過言ではありません。


企業間では考えられないことだと思います。

それが良いことだとは決して言いません。
染みついた習慣というのは往々にして変えることが難しい時があります。


さて、師弟関係というものも似たところがあり、師弟になる時に労働時間の明記や労働内容の有無を書いた契約書などは交わしません。

信頼関係の権化のようなところがあり、この関係性をはき違えて権力からなる圧倒的なパワハラに走ってしまった人々も過去少なくありません。



オフィス関係などをはじめとするお仕事ものの創作物では、人間の闇の部分を抉り取る作品も多数存在します。
比べて、伝統芸能を扱った小説やマンガなど創作物では、誰しもが美しい関係であることが多いです。
演じているものは何百年か継承しているものであれど、中の人間たちは所詮人間、普通の会社などのようにさまざまの人間問題もあるものです。
実際、過去にはそういった関係性のもつれから殺人事件にまで発展した事例もあります。
まして契約書を交わさないため、それらは闇に葬られることも多いものです。

近年、映画業界をはじめ、芸能業界で横行するパワハラやセクハラの類の問題をクリーンにする活動が起こりつつあります。

伝統芸能だから別だよね、しょうがないよね、とならないことを願っています。

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