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タバコの種類と歴史

今日のおすすめは!
下記の3冊からタバコの歴史について紐解いて行きます。

『タバコが語る世界史』
和田 光弘・著


* 『世界史を変えた50の植物』
ビル・ローズ・著

* 『世にも危険な医療の世界史』
リディア・ケイン、ネイト・ピーターゼン・著




*タバコの種類と歴史

Q タバコの原料は?

A ナス科タバコ属。計67種が確認されている。

  • 野生種64種

  •  園芸種1種

  • 栽培種2種→普段タバコと呼ぶのはこの栽培種のこと。
    南米アンデス山脈が原産。


① ニコティアナ・タバクム
1〜3mの高さに育ち大きな葉をつける。


② ニコティアナ・ルスティカ(マルタバコ)
背が低く、小さく肉厚な葉をつけ、ごく限られた地域でのみつくられている。


Q タバコの栽培方法は?

A タバコの種類によって4種類の乾燥方法を使い分ける。

① 陰干し(空気乾燥、エア・キュアリング)→バーレー種
② 天日干し(サン・キュアリング)→オリエント種
③ 直接的な火力乾燥(ファイヤー・キュアリング)
④ 循環熱風による火力乾燥(フルー・キュアリング)
→黄色種



Q タバコの起源は?

A 
祖先種はかつて大陸同士が繋がっていた時代にアメリカ大陸の地域に分布し、大陸の移動で固有の種に分化していった。

大陸が移動した事により、タバコ属はヨーロッパ人にとって
「未知の地(テラ・インコグニタ)」に閉ざされ、コロンブスの新大陸発見以前と以後で歴史が二分される。


① コロンブス以前

・ 喫煙方式→葉巻、パイプ、タバコチューブ
・非喫煙方式→噛みタバコ、嗅ぎタバコ、虫歯や傷口への塗布薬、飲む、浣腸剤など。

*葉巻
・ ラス・サカスの『インディアス史』で、先住民がタバコを噛んでいる事や依存性を指摘。
「タバーコ」という語が登場した初めての書物(初刊は1875年)。
このタバコは、西インド諸島で栽培されたニコティアナ・タバクムで、葉巻で吸われていた。

・ アンドレ・テヴェの『南極フランス異聞』で葉巻のタバコを「ペトゥン」と呼んでおり、タバコと同じナス科タバコ属で花が似ているペチュニアの語源になった。


*パイプ
・ 北米大陸では、動物の角に穴を開けて作ったパイプを儀礼で使用し、パイプを回し飲みする事によって約束事を公的に結んだ。
また、タバコは精霊の糧として互酬的な贈与物として位置づけられ、喫煙を通してシャーマンは精霊と交信した。

・ 作者不明の著『ミチョアカン報告書』には、脚付きパイプで喫煙する様子が描かれている。

*チューブ
・ ベルナール・ディアスの『メキシコ征服記』に、アステカでは2種類のタバコが吸われていると記載。

①イツィエトル
→芳香油と混ぜたニコティアナ・タバクムを、模様を描いた葦の茎(チューブ)で吸う。
②ピシエトル
→ニコティアナ・ルスティカ。モトリニーアの『ヌエバ・エスパーニャ布教史』にて、蛇をも眠らせる薬草、用途の広い薬草として登場。


*噛みタバコ
・ アメリゴ・ヴェスプッチの航海記に、西インド諸島のカリブ族には、ニコチンの摂取を促進させる石灰と一緒にタバコを瓢箪に入れる風習があると述べている。


クリストファー・コロンブス


② コロンブス以後

ヨーロッパ人は先住民達の嗜み方に馴染み、本国に伝えた。

・葉巻→スペイン人由来
・ パイプ→イギリス人由来

*嗅ぎタバコ
・ エルナンドの『コロンブス提督伝』に、西インド諸島では、二股の竹を鼻孔にさしこんで「コホバ(コォバ)」と呼ばれる粉を嗅ぎ、偶像崇拝による病気治癒や戦勝祈願、予言、占いの機能を有していたと記述。

タバコ史家のJ・E・ブルックスは、この地ではコカが凌駕していた状態であり、嗅ぎタバコの習慣は征服したスペイン人によって持ち込まれたとしている。


Q ヨーロッパへタバコを普及させた火付け役は?

A ジャン・ニコ。
ニコチンの由来にもなった。


ジャン・ニコ



Q なぜ人類はタバコを栽培してきたのか?

A 農耕をしない部族にもタバコの栽培が広まっていたのは、アルカロイド(ニコチン)の依存性に魅了された為。

また、単なる作物ではなく、幻視や医療、儀礼、社交にいたるまでタバコは文化や社会に埋め込まれていた為



*「押上(スカイツリー前)駅」より徒歩約12分の”塩とたばこの博物館”ではニコチアナタバクムの模型や昔のタバコ道具を沢山拝見出来ますので是非足を運んでみて下さい!


*それではまた次回お会いしましょう!

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