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動画・映像業界のキャリア選択。「プロダクションマネージャー」という隠れた成長職種のすすめ

「プロダクションマネージャー(PM)」という職種は、動画・映像業界に関わりのない方には馴染みがないかもしれません。実は基本スキルを徹底的に学べる「隠れ良職種」でして、PM職の魅力や得られるスキル全体像についてお伝えしたいと思います。

私自身は以前はITベンチャーにいたので、動画制作会社に入ってはじめて「PM」という言葉を聞いたとき、「え、プロダクトマネージャー?」と最初は混乱しました。ここでいう「PM」は「プロダクトマネージャー」“じゃないほう”です。

「プロダクションマネージャー(PM)」は、クリエイティブ業界やマーケティングに興味がある方が初めてキャリアをスタートするのに超おすすめの仕事です。業界の外では知られてないが故に、キャリアの選択肢になりにくくてもったいない・・・と常々感じています。この記事をきっかけに興味を持っていただいたり、今PM職に付いている方のキャリアパスの指針になると嬉しいです!

🙋‍♀️ 学生さんや社会人1-2年目の方へ
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「PM」の仕事とは

何もないところから映像や動画を生み出すには、多くの工程と多くの人が関わります。企画アイディアを形にするための体制を整え、計画的にスケジュールを組み、クライアントから制作チーム、SNSクリエイターとともに一つのコンテンツを作っていきます。

この全工程を、司令塔である「制作プロデューサー」とともに実行していくのが「プロダクションマネージャー(PM)」です。

PMがやることをざっくり言うと…
1. 制作スケジュールの管理
2. 予算管理
3. チームや外部制作スタッフの調整
4. 撮影現場での進行管理
5. クライアントコミュニケーション

撮影現場で進行を担ったり、SNSクリエイターさんとコミュニケーション取ったりする

PMは “潰しが効く” タイプの職種である

PMという仕事の魅力の1つは、どの業界・職種でも応用できる「ポータブルスキル」が身につきやすいところです。「ポータブルスキル」とは業種・職種が変わっても持ち運べる汎用的なスキルで、転職をしたとしてもキャリアの選択肢を広げるのに重要。

もし就職活動や転職活動で特定職種のこだわりがないのであれば、まずは興味がある業界や会社のなかで最もポータブルスキルが身につく職種につくのがよいと考えています。

PMで磨けるポータブルスキル
🤝 チームワーク力:多様なステークホルダーと対話・連携する
🧗‍♀️ 課題解決力:答えがない課題でも取り組める
⏰️ 段取り力:自分とチームメンバーのタイムマネジメント
💴 ビジネスマインド:予算投資配分や利益・原価管理を考えるクセ付け

私のファーストキャリアは「営業」なんですが、PMは営業職以上に「ビジネス全体を俯瞰する力」が身につけられるのでは?と思っています。

たぶん近いタイプの仕事
・法人営業、フィールドセールス
・Webディレクター
・プロダクトマネージャー(PM)
※他にもあると思いますが、私の視点だとこのあたり

🚲️ 仕事の「ケイデンス」 が成長を促進する

もう一つ、スキルの幅に加えておすすめする理由があります。それは1つのプロジェクトあたりのスピードが速いこと。もちろん人によって好みのスピードはあると思いますが、<速い → ゆっくりな環境>は移行しやすいものの、逆はしんどいですよね。キャリアに迷うなら、とにかくスピードが速い環境を選ぶほうがその後の選択肢が広がると思います。

ワンメディアではスピード、特に「仕事におけるケイデンス(回転数)」を大事にしています。「ケイデンス」とは自転車のペダルの1分間あたりの回転数のこと。同じ職種でも、プロジェクトを短期間で何度も繰り返すことで、仕事の質が磨かれると考えています。

ワンメディアでは特にSNS動画制作が主軸なので、1つのプロジェクトあたり【1.5〜3ヶ月】のタイムラインで進んでいます。1人あたり常に5件くらいは担当しているので、1年目を過ぎた時点で【20〜40プロジェクト】を経験できます。1年かけて緻密に1−2プロジェクトを仕上げていくタイプの仕事と比べると、時空が歪んだくらいスピーディーに成長しやすい環境だとは思います。「深さ・専門性」とのトレードオフだと思いますが、とにかく実地で経験してきたいんだ!という方には超おすすめ。

PMのキャリアパスは多様

ワンメディアでは未経験のクリエイティブ職で入ってもらった場合は、最初に「PM」を経験してもらっています。「PM」を2〜3年経験した後に、そのままプロジェクトを率いる「プロデューサー」やSNSプロモーションを企画する「プランナー」になるキャリアパスが多いです。あるいは転職して「事業会社のマーケター」になったりと、業界で専門性が高いキャリアに進む人もいます。

ワンメディアのCompany Deckより

ワンメディアの「10つのPMスキルマップ」

実はここからが本題なのですが、うちのマネージャーの1人が作ってくれた「10つのPMのスキルマップ」を公開します。現在「PM」ポジションは新卒採用含めて、未経験の方にジョインいただいています。入社後1年目のオンボーディングとして、「これができればPMとして1人前!」というのを言語化してくれました。

↓ 以下社内で使っているスキルマップをそのまま転載します。

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【前提】プロデューサーとのバディとして

PMはアシスタントではなく、プロデューサーと業務分担をする背中合わせの関係。

それぞれが担当領域を持ちます。指針・方向性をプロデューサーが示し、実際に具体化していくのがPMです。

一つの業務をアシスタントとしてサポートするのではなく、それぞれの役割でスキルと回転数を上げ

ていくのが理想の関係。

以下は実際に初年度に目指してほしい、スキル一覧です。最初はTikTokやYouTubeのクリエイターさんと協業するタイアップ案件を想定しています。

10つのスキルマップ一覧
1- 提案準備
2-予算計画の策定と請求管理
3- 進行スケジュール作成
4- キャスティング進行
5- 制作進行からPR投稿配信手配
6- 撮影準備
7- 撮影現場進行
8- 動画編集の進行
9- 広告配信・入稿確認
10- レポート報告資料作成

1- 提案準備

身につくもの:スライド作成スキル、プレゼンテーションスキル

  • オリエンテーション後、提案までの進行スケジュールを策定する

  • プロデューサーの指示のもと、企画提案資料を作成する。協業するクリエイター候補のリストアップや進行スケジュールの具体化、予算内訳の算出など

2-予算計画の策定と請求管理

身につくもの:利益・原価管理(P/L思考)、キャッシュフローの理解

  • 原価率、制作費と配信費、納品月と請求月の概念を理解する

  • 外注の単価相場(キャスティング費用/配信費用など)を理解する

  • 与件に合わせて予算計画案を作成し、担当プロデューサーに共有する

  • 発注先となるパートナー・事務所から請求書を回収する

    • 請求書項目漏れがないかの確認する

  • プロジェクト終了後、全ての請求書回収を終え、社内工数を記入して請求を締める

3- 進行スケジュール作成

身につくもの:段取り力、計画遂行力

  • クリエイターへの可否確認・オリエンテーション・字コンテ・動画などの各工程の進行フローとおおよその日数を理解する

  • 与件に合わせてスケジュール案を作成し、担当プロデューサーに共有する

4- キャスティング進行

身につくもの:基礎的な契約書の進行、基礎的な広告企画力、コミュニケーションスキル

  • クリエイターとの契約内容(契約期間/二次利用/競合契約など)を理解する

  • 要件をまとめ、キャスティングディレクターにキャスティング依頼をする

    • リストアップされた内容が与件にあっているか確認し、必要であれば追加依頼をする

  • ゴールと条件のなかでの起用案を選定し、担当プロデューサーに共有

  • クリエイターとのコミュニケーション。可否確認の連絡からオリエンテーションまでの進行を経験

5- 制作進行からPR投稿配信手配

身につくもの:プロジェクト遂行力、段取り力、トラブルシューティング

  • クリエイターへの依頼内容をまとめたオリエン資料の内容を理解する

  • クリエイターや事務所マネージャーに対してオリエン(企画説明/制作進行上の相談/注意点/スケジュール説明など)をする

  • 用意したスケジュールをもとにクリエイターへ、締切リマインド・制作サポートなどの連絡進行を行う

  • 動画構成の確認を行い、企画内容に沿っているか・媒体規定内かなどの確認を行う

  • PR投稿・広告配信設定のフローを理解し、クリエイターへの投稿の案内から広告配信設定までを進行する

6- 撮影準備

身につくもの:映像制作に関する基礎知識、計画立案力

  • 撮影までのフローを理解し、撮影日までのスケジュールを策定する

  • 企画内容を把握し、必要な準備(資料や備品用意など)をする

  • 撮影に関わる社内外のスタッフを把握し、事前のリマインドや内容の確認などの連携をする

7- 撮影現場進行

身につくもの:映像制作に関する基礎知識、トラブルシューティング、顧客対応力

  • 撮影のタイムスケジュールを理解し、次の撮影パートを見越して担当プロデューサーに率先して指示を仰ぎ、準備をする

  • 現場の全スタッフとコミュニケーションを取り、現場が円滑に進むよう、各ポジションのアシスト(荷物運搬/片付け/撮影対象物の手配など)をする

  • 現場に同行するクライアントに挨拶をし、待機場所やご飯のケアをする

    • クライアントに名前を覚えてもらう

  • 出演者やクリエイターに挨拶をし、待機場所やご飯の用意などのケアを行う

  • 撮影後、エディター・ディレクター・クリエイターがスムーズに作業に入れるように撮影素材を整理(フォルダ分け/順番など)する

8- 動画編集の進行

身につくもの:タイムマネジメント

  • 用意したスケジュールをもとにエディター・ディレクター・クリエイターと、締切リマインド・制作やり取りなどの連絡進行を行う

  • 動画の確認を行い、企画内容に沿っているか・媒体規定内かなどの確認を行う

9- 広告配信・入稿確認

身につくもの:デジタル広告の基礎知識、グロースハック力

  • デジタル広告についての基礎知識や業界用語(メニュー名/最適化設定など)を理解する

  • 配信担当に広告配信依頼をする

  • バナー素材などのデザイン発注を行う

10- レポート報告資料作成

身につくもの:スライド作成スキル、プレゼンテーションスキル

  • 施策終了から最終レポート報告MTGまでのスケジュールを策定する

  • プロデューサーやビジネスプロデューサーの指示のもと、レポート報告資料作成のサポート(配信数値の振り返り/ネクスト提案など)をする

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スキルマップの内容は以上になります。

ワンメディアではこれをDAY1の研修としてお話しています。実際にはこんな感じでnotionで管理しています。

半年〜1年のタイミングで振り返りをしています

おわりに

ワンメディアでは、新卒と中途未経験にて「PM」ポジションを積極採用中です!月に1回のペースで、ミートアップ(採用説明会)を行っておりますので、ぜひ興味がある方は応募していただけると嬉しいです☺️

■「PM」→「プロデューサー」にキャリアステップした2人のインタビュー

■「PM」募集ページ

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