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歯みがきの伝承 ~むしばゼロで生きてきて

「みがきやすい」歯ブラシ専門店に行ってきた。京都清水五条。

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京都らしい柄が並んで、目移りする。
子ども用歯ブラシは、力を入れすぎてしまっても、しなって曲がるように、やさしくできている。

長女はこけし柄、私は舞妓さんと狐柄を選び、家族みんな思い思いの my 歯ブラシを買った。

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生まれてからこれまで、私は一度もむしばになったことがない。
ずっと、ピカピカの歯で生きてきた。

先日、(はずかしながら) 16 年ぶりに歯医者に行った。
長女の歯のフッ素加工の予約のため、歯医者の下見をかねて。

『すごいです。きっとこのまま磨いていれば、
一生自分の歯で噛んで生きていけます』

クリーニング後、そう言われた。これまで積み重ねてきた日常を、すべてほめられたようで、嬉しかった。

幼い頃、母に言われた。

「歯はすごく大事だから。代えがないから」

肌はすりむいても、元に戻るけれど、歯は 1 本しかないから、と。

“ ぜったいに、大切にしなきゃ。”
そう思って、我流のはみがき術を、研究してきた。

まだ小学生の頃、子どもながらに考えて、 3 年間、歯みがき粉を使わず水だけで、ピカピカに磨けるよう修行した。歯みがき粉に頼って「磨けた気」になるのを防ぐために。

そののち、歯みがき粉を惜しみなく使い、毎晩 15 分、徹底的に磨くことを続けてきた。

学校の集団旅行で、夜、みんなが足早に洗面所をあとにして、自分だけが延々と磨いていても。一日もさぼらず、磨き続けてきた。


長年の研究の成果。

・歯みがきは、一日 3 回、5 分ずつ磨くよりも、一日 1 回、まずさらっと 30 秒ほど磨いたあと、15 分かけて徹底的に磨く方がよい (磨き残しもなく、歯茎にも休息ができる)。
・1 本 1 本愛でるようにやさしく、直角に歯ブラシを当てて磨く。
・夜寝る前に磨いたあとは、なにも食べない。お茶を飲むときは、新しいきれいなコップに入れ直して飲む。

この我流の術で、むしばゼロ生きてこれた。
すべては母親の「歯は代えがないから」という言葉から。

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いま、私は母になった。
娘たちの大切な歯のために、なにができるだろう。


育児のなかの関門のひとつが、歯みがきだと思う。

せっかく一日楽しく過ごしても、最後の歯みがきで大号泣。泣きすぎて汗だくになって、さっき着せたばかりのパジャマを着替えさせて…。
一日を笑って終えたいのになぁ、とずっと思ってきた。

「おかあさんといっしょ」という番組 (NHK) のなかで、お手本の子がとても上手に歯みがきする、というコーナーがあるのだけれど、そんなお利口さんは、類まれな幻想だと思っていた。


…いま目の前にいる大号泣の娘たち。どうしよう。
でも、娘たちは、お母さん (私) の言うことを信じてくれる。
娘たちに歯みがきの大切さを伝えるには。

そう思って、冒頭の歯ブラシ専門店に連れていったのだった。

自分で選ぶ歯ブラシ。かわいい歯ブラシ。
大切にしてくれるはず。

いま、かつて幻想と思っていた光景が、私の膝もとにある。
しっかりと、仰向けに寝てくれる子どもたち。

私がいつも楽しそうに歯みがきしていたのも、よかったのかもしれない。
いつしか喜んで my 歯ブラシを持って来るようになった。

毎晩、 Perfume さんの「はみがき、じょうずかな♪」の音楽を、かけさせてもらっている。まだ小さいので、1 回半 (約 5 分) 流すのが、歯みがきにちょうどよくて、曲には終わりがあるから、娘たちも終わりどきが分かって、その間はじっとしてくれている。

次女 (1 歳) の歯磨きをしているときは、 長女 (3 歳) が隣で、かなり激しいふりつけで、獅子舞みたいに踊っているから、笑っちゃう。次女も歯みがき大好きっ子で、歯ブラシめがけて高速よちよち歩きでやって来る。かわいい。

素敵な歯ブラシ。
たのしい音楽。

いつの間にか、一日の終わりが楽しい時間になっていた。

長女にとって歯医者は、未知の憧れの場所のようだ。

「〇〇も、じっとできるようになったから、もう、歯医者行けるなぁ♡」

長女はそう言って、歯医者に行くのを夢見ている。

娘がこれから行く歯医者は、壁に大きな絵が描かれていて、それに、個室の診察室それぞれに、絵本やテレビがあって、楽そうな空間だ。

でも、実際の診察は、そんなに楽しいものではないと思う。
けれど、できるだけ娘のなかの歯医者の良いイメージをこわさずに、それでいて、まっすぐに、ちっちゃな大切な歯と向き合っていきたいと思う。

はみがきはね、大切だよ。
○○ (娘) の歯は、代えがないから。

母として、伝えたいこと。伝わっていくといいな。

これからは、16 年といわず、私も娘たちと一緒に定期検診を受けようと思う。
そして、娘たちと一緒に、歯医者のこわい所も楽しい所も、共有して、末長く家族みんなの歯を大切にしていけたらいいな、と思う。


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「みがきやすい」歯ブラシは、ネットでも 1 本 200~300 円で販売されています。
写真は「四季折々」。

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画像出典:「みがきやすい」歯ブラシ 公式パンフレット
近鉄百貨店ネットショップ 
https://shop.d-kintetsu.co.jp/shop/g/gC210717800001/

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