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スターバックスの店員さんに、絵葉書を渡した日

スターバックスで、ほっとひといき、ついている。
いつもとおなじ、ホワイトモカという、甘いのみものを頼む。

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すやすやとお昼寝する娘を眺めながら、この 1 年をふり返り、同じ場所で、同じ光景で、ただ、娘だけがもっともっと、ちっちゃくて、ふにゃふにゃだった頃の画が、よみがえる。今と重ねる。


この 1 年間、スターバックスをよく訪れた。次女は生後 1 ヶ月の頃から来た。

家から歩いて 1 分の所に、大型のショッピングモールがあって、その中にスターバックスは入っている。

次女とまったり過ごす午前中が、育休中の、幸せな時間だった。


ここにいるとき、私はぼーっと、“心を感じる” 時間を過ごしてきた。いろんなことを、考え、いろんなことを、思った。
次女が起きているときは、次女といっぱい、おしゃべりもした。

だから、次女の成長も、私の育休中の思い出も、私の思考の湧泉も…、このスターバックスと共にあった。


そんなふうに、ひとの人生の一部になれることってすごいな、と思う。

だから、素敵な思い出をもらったお礼を、伝えたかった。次女も、店員さんから、たくさんのやさしい眼差しをもらってきた。
渡すかどうか、少しまよったけれど、店員さんに桜の絵葉書を、書いて、渡した。

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スターバックスにいる時間は、私にとって、心を整え、心をひらく時間だった。

こんなふうに、自分の心の余裕のつくりかたや、自分の思考の湧泉を、知っているのは、大事だと思っている。

私にとって、心が整うときは、
甘いのみものを飲むとき。

それから、家のまん前の、川沿いを、空気を吸って、歩くとき。

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ほかには、保育園の送り迎えの道のりを、空を見上げて歩くときや、
音楽を聴いているとき、あったかいお風呂につかるとき。


そういった時間は、いつもと時の流れ方がちがっていて、ふっと、絵画のように、周りの進みがとまって、心の中だけが、動いているような、そんな感覚になる。

時間はとうとうと流れているのではなくて、感じ方によって、時の流れは緩急をもっていて、歪むように思う。

そしてその歪みを、理想的には制御して過ごせるのがいいのかもしれないけれど、そうでなくても、その緩急をもちながら過ごせるときに、私は幸せを感じるように思う。


スターバックスの店員さんに、絵葉書を渡すと、「わ〜♡ 嬉しい〜♡♡」と、想像以上に喜んで、受け取ってくださった。ほっとするどころか、すごく嬉しい気持ちになった。

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なにかを始めるために、なにかを終わらせる。

絵葉書を手渡すことで、静かに、育休中の日常を終える。
甘い口のなかで、甘い思い出をころがし、しばし幸せに浸りながら。


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