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②君の歯、10年後はどうなるか分からないよ。
「この歯の根の短さ分かる。あと何年持つと思う??」
「これ、すごい力で矯正したでしょ。」
はっとさせられた。大学2年生の時から始めた歯列矯正。幼き頃から母に出っ歯を攻められ続け、やりたくないけど根負けして始めた矯正だった。1年か2年金具を我慢すれば、母の攻撃から逃れられると思って始めた歯列矯正だった。
そして今になって、歯の根がめちゃくちゃ短くなっていることに気付いた。遅いけどね。今まで通っていた歯医者は、誰も指摘してくれなかっのが不思議ではある。
大学生当時、歯列矯正を始めた歯医者では、成人近くなってからの矯正は、歯根吸収の発生リスクが高まるなんて説明は無かった。もちろん、そんなリスクも知らなかった。
「すごく美人になるよ。」
そんな台詞を言われた。
大学1年生。壮絶な大学受験を終え、やっと恋愛も始められると思った10代おわりの日々に歯医者から言われた言葉。
色めいてしまったのかもしれない。
そして何より母の攻撃から逃れられる。
そうやって流された自分の弱さ。本当は矯正なんてやりたく無かったのに。
健康な歯を無理に抜いて、強引に動かして、歯にいい訳ない。
10代でそこに気付けなかった。
歯根吸収リスクを説明しなかった歯医者を訴えらるのか。
そんな思いも過ぎる。
しかし、訴えることにパワーを使うより少しでも改善の可能性を模索しようと決意した。
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