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【市場拡大の予感】インドのメンズ美容ブランド【グルーミング・メイクアップ】

ナマステ!Sakiです。今までいくつかのインドの美容ブランドのご紹介をしてきましたが、今回はインドのメンズ美容ブランドについてご紹介していきたいと思います。日本でも成長中のメンズ美容市場ですが、インドでもその波をひしひしと感じます。

メンズ美容と一括りにしてしまうと様々な要素が含まれてしまうので、今回は以下の二つの定義に分けてご紹介させてください。

①グルーミング市場(スキンケア、ひげケア、ヘアケア、香水)
②コスメ市場(メイクアップ化粧品)

1.インドのメンズグルーミング市場

PGA Labsの調査によると、インドのメンズグルーミング市場は2018年には約2700億円を超え、36%のCAGR(年間平均成長率)を記録したと推定されています。市場は2021年までに約5800億円まで急上昇すると予測されています。ご参考までに2018年に新発売された商品ラインは大企業・スタートアップ合わせて180製品程度にのぼります。

市場拡大の要因は都市部に住む男性を中心に以下の点が挙げられます。

・中産階級の可処分所得増加
・若者層の人口が多い (2019年時点でインドの平均年齢はなんと27歳)
・美容インフルエンサーの出現や、大企業のデジタル広告革命
 (インドでもメンズ美容系YouTuberさん増えています)
・小売りやイーコマース産業の急速な拡大
・西洋文化の受容拡大     

基本的には大手企業が比較的高価な製品を展開してインドのメンズグルーミング市場を寡占している中で、スタートアップ企業が大手企業からの出資を受けてより安価な製品展開を行うことで市場に参入していきている状態です。

・大企業(外資)
    →P&G(ジレット)、ユニリーバ、ロレアル、等
・大企業(ローカル)
    →EmamiHimalaya、等
・スタートアップ 
              →Bombay Saving、The Man Company、等

2.メンズグルーミングブランド(スタートアップ)

恐らく皆様が一番気になっているであろうインドのスタートアップ企業ブランドをいくつかご紹介させていただきます。各ブランド名に出展のリンクを貼っておりますので、気になる方はそちらからご確認ください。

※直営ECサイトで調べたところ、以下のどのブランドも1アイテムあたりの商品価格はだいたい約300円~800円くらいでした(正確な数値はとっていません)

Bombay Saving Company

・2015年に創業
・インドの男性が伝統的に使用してきたシェービング製品などに、西洋的なデザインやブランディングを施して製品開発を行ってきた
・売り上げの80%がEC経由であり、オンラインビジネスを牽引する存在
・インド国内5都市で1000以上の小売店を通して購入可能
(グルガオン在住の皆様、サウスポイントモールのルマルシェにも置いてありました!)

創業当初はシェービングに対する愛着を浸透させるために、
・半年間シェービングスターターキットのみに絞って販売する
・高級感を演出するパッケージを採用し、SNSに開封動画を投稿してもらう
・無料でカミソリに名前を刻印するサービスを行う
など、様々な施策を通してインド男性のシェービングに対する意識を高めることから始めたそうです。

The Man Company

・2015年に創業
・インドローカル大企業のEmaniが出資提携しているスタートアップ
・ECサブスクリプションベースでの商品展開

↓ブランドストーリー

Being a gentlemen is a journey, something that a man continually strives to be, rather than a destination. And once you decide to take on this journey from being a Man to modern Gentleman, The Man Company promises you to help you in the pursuit. -The Man Company Our Story 
(「紳士である」ということは、男にとって目的地ではなく絶え間ない努力の旅に出かけるということです。あなたが「この時代に生きる紳士を目指す旅」への一歩を踏み出す時、私たちはそのお手伝いをすることをお約束します。-The Man Company Our Story

The Man Companyはサブスクリプションの購買者限定で新製品や企画中の製品サンプルを受け取ることができるサンプリングモデルを採用しています。常に新しい物を追い求める顧客の需要と、新商品を宣伝したいブランドの想いがうまくマッチした現実的な施策だなと思います。

また何を購入すべきか分からない男性のために男性向けのコンテンツメディア「The Man Mag」も運営してます。美容以外にも、旅行や食べ物やワイン、異性関係やテクノロジーについてなど多岐にわたる内容のブログを公開することによってブランドの認知度向上を図っているようです。

LetsShave

・2015年に創業
・Dorcoという韓国のシェービングメーカー(1955年創業)と独占提携し、世界最高品質のカミソリやその他のグルーミング製品を提供している
・包装のコストを抑え、環境保全に貢献する環境配慮型包装を採用
・女性用のカミソリやボディケア商品なども展開中

Business Worldのインタビューによると、現在LetsShaveのユーザーは50万人、リピート率は40%を超えています。創設者のシドハースシャンカーオベロイ氏は、2019年からの3年間で100万人以上の顧客を獲得したいと述べています。

Beardo

・2015年に創業
・Instagram、Facebook、Twitter、YouTubeなどのソーシャルメディアプラットフォームでマーケティング活動をチャネル化
・サロン、スーパーマーケット、組織的な小売形式での拡大からグローバル展開を行っている

BeardoはYouTubeで短めの動画を定期的に投稿しており、個性的なものが多くて面白かったです。笑

同社は2016年9月にニューヨークのヘッジファンドマネージャーRaj Vazirani氏が率いる企業から約5000万円の資金調達を行っています。

Ustraa

・2015年に販売開始
・Happily Unmarriedという会社が展開するメンズグルーミングブランド
・Instagramに注力したマーケティング戦略で売り上げ14倍に

Ustraaを展開するHappily Unmarried社は、インド市場で男性用グルーミングの需要が低かった2003年に、Rahul AnandとRajat Tuliによって設立されました。起業当時二人はお金がなく、唯一自分たちが持っていたパソコンを売りに出して得たお金を元手に会社を設立したそうです。会社名面白いですね。

同社は当初、小物や記念品、ギフトオプションの販売からスタートしたましたが、その後デリーを拠点としてメンズグルーミングブランドUstraaの販売を開始しました。

全国の多くのデザイナーや職人と協力して、伝統的な製品技術とモダンなデザインを結びつけ、さまざまなライフスタイル製品や日常の家庭用品を生み出しています。

Ustraaは、2017年11月にWipro Enterprisesのパーソナルケア部門であるWipro Consumer CareとInfo Edge (India) Ltdから資金調達を行っています。

3.メンズコスメスタートアップブランド

Mensxp Mud

・2009年に男性向けライフスタイルメディアであるMensxpを立ち上げ
・初のライフスタイル特化型オンラインメディアとして急成長を果たす
・2012年にインドのTimes Group傘下Times Internet社がMensxp社を買収
・2019年に祖業であるメディア事業から派生し、自社ブランドであるMensxp Mudの販売を開始
・自社サイトの顧客基盤(月間1,500万ユーザー)を活用したECサイト(MensXP Shop)の運営も開始。

MensXp mudは男性用のスキンケア・ヘアケア製品を主に展開していますが、メンズ向け化粧品としてBBクリームを販売しています。おしゃれでひと際目を引くデザインで人気を博しています。

Color bar

2004年に創業
・ジェンダーニュートラルで多様性を重視することを掲げているブランド
・フランス、ドイツ、イタリア、韓国、および米国で製造およびパッケージされている
・色のバリエーションが豊富で女性、男性共に使用しやすい製品を展開


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Color Barは、「みんなで一斉に爪を磨いてネイルする」「マニキュアを使用したモザイクアート」の二項目で二つのギネス記録を保持しています。当日のイベントにはたくさんの芸能人やインフルエンサーが参加したそうで、ユニークな宣伝に注目が集まりました。

興味がある方は以下のムービーをぜひご覧ください!

ーCOLORBAR NAILCOLOUR - Guinness World Record Event @ MallofIndia, Noida | My First Makeup Event Vlog

その他にもメンズコスメ(化粧品)のインドブランドを探しましたが、男性向けに特化したブランドは見つかりませんでした。。(もし御存じの方いらっしゃいましたら教えてください!)インドのwebメディアでは男性のコンシーラーやBBクリーム、アイブロウの使用などに関する徐々にフィーチャーされてきているため、これからインドでの需要も増えていくかもしれません。

3.最後に

Euromonitorによると、シェービング市場はインドの男性美容市場の42%を占めており、日本に比べるとかなりひげケアへの関心が高いことが分かります。皆さんのイメージ通り(?)インドで生活していると確かにインドではひげを伸ばしている男性を多くみかけます。ひげ用のウォッシュフォームやひげ用ワックスックス、ひげの増毛オイルなど日本ではニッチな製品でもインドでは需要が多いようです。

インドでは美容ブロガーやソーシャルメディアのインフルエンサーの数も過去3年間で爆発的に増加し、消費者の関心が高まっています。また、今回ご紹介したほとんどのブランドがクリーンビューティーとCruelty-Free(動物テストなしの製品)を謳っており、世界のトレンドがよく反映されていることあが分かります。

インド企業の男性用美容製品の普及率はまだまだ欧米の製品には及ばないものの、多くのプレイヤーが市場を成長させており、今後も拡大させる余地はたくさんあります。

今回はいつもよりもよりニッチな【インドの男性美容ブランド】についてご紹介させていただきました。いかがでしたでしょうか?

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