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「太陽の子」

やっと観に行けた。観に行って良かった。

三浦春馬をスクリーンで観たいという気持ちが大きくて。 柳楽優弥も改めて観たい役者さんで。有村架純も
大好き。

戦争映画なので、どうしてもずーんとした重さが最初から最後まであるけど、柔らかい光や映像の綺麗さでとても心地良いと思える作品でした。

三浦春馬の演技を見る度に、もっと観たくて。この先のこの人が観れないってことが、悲しくて仕方なくなる。

柳楽優弥の、天然ぽい可愛さみたいな部分を、数ヶ月前に観た「ターコイズの空の下で」(めちゃくちゃ良かった)で感じたんだけど、今回の役でもとても感じた。純粋な役がすごく合う人なんだと思う。
実験に取り憑かれたように夢中になる感じだったり、ワクワクしながら科学のことを有村架純に話すシーンの演技とかすごく好きだと思った。共感もすごくする。

あのあたりのシーンは、核爆弾を作っていると思うと恐ろしいことなんだけど、見たことないことを見たい気持ちだったり、なんでも、純粋な気持ちが始まりなんだと思うし、あの時代では恐ろしいものを作ることが未来を作る正義にもなるんだよなぁと。研究室のなかでも、皆いろんな思いがあって、正義を考え出して耐えられなくなる人もいて。それ以上にその先の先の平和な未来を考えられるかだったり。なんだか色々考えさせられた。

映画全体を通して、台詞の無い、目線や仕草だけでの演技のシーンも多くて。ちょっと長いかもしれない位の声の無い時間が、どういうことだろう?どんな気持ちなのかな?と、想像力を広げてくれる。お母さんが三浦春馬を送り出すところ、柳楽優弥が泣きながらおにぎりを食べるところとか。

色んな人が色んな重苦しい思いを抱えながらも、気丈に目の前のことに向き合っていて、時々苦しい思いが溢れ出してしまったりしながら、それでも周りに支えられつつ、また笑えたりしながら前を向いて生きていて。

この時代を生き抜いた人は本当に強くて。
色んな感情を想像しては、苦しくなった。

戦争映画などを観る度に、もう亡くなってしまった祖父を思い出す。
高知県の父の実家に泊まりに行くと、おじいちゃんが毎日、手の指の間にドライヤーで風を当てていた。戦時中に負傷して形が変わってしまった指と指がそのままにしてしまうと動かなくなるのかくっついてしまうのか、を防ぐ為にしていたんだと思う。日常の光景になってしまっていたけれど、おじいちゃんはどんな思いだったのかな。なんでもっと、実際に体験した話を生きてるうちに詳しく聞いておかなかったんだろう。身近な人から聞くことでどれだけリアルに感じられたんだろうと本当に悔やまれる。母方の祖父もシベリア出兵していたはず。
今、私が生きていられるのも、戦時中になんとか無事に生き抜いてくれたからなんだよね、と。
改めて有難いことだ。

映画を観てから、舞台挨拶の動画を観たりする。そこで有村架純が三浦春馬の言葉を借りて「役者の役目は想像力を届けること」、と言っていて。すごく頷けた。映画を通して知ることが出来て、想像が広がるってことをめちゃくちゃ体感出来た映画でした。

最初から最後まで、綺麗に丁寧に作られた映画で、突っ込みたくなる部分てあんまり無かったんだけど、ひとつだけしっくりこなかったのが、福山雅治のエンディング曲。好みの問題なのかもしれないけど、最後の最後で、なんか違う、しっくりこないー、とモヤモヤ。

そしてこれは私がミスチルファンだからこその、連想なのだけど。この映画を観て思い出した2曲をファンじゃ無い人にも聴いてほしい。アルバムのなかのマイナー曲で、覚えにくいタイトルなので思い出すのに時間がかかった、「everything is made from a dream」↓
(公式じゃないけど、よく出来てるMV風)

それと、こちらは知ってる人も多いかも。
「タガタメ」↓

歌詞と、考えさせられること。思いが近いんじゃないかなと思うのでぜひ。

脱線してしまいました。

それにしても、「天外者」にしても「ブレイブ」にしても「太陽の子」にしても、三浦春馬が映画のなかでも亡くなってばかりでしんどい。
けど、スクリーンで観れる最後の作品なのかな。
終わっても、どこかしらで再上映してくれそうだけども。また観たい。

色んな意味で、たくさんの人に観てもらいたい映画だと思いました。



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