見出し画像

2021年度 恵喜どうこが選ぶおすすめ本ベスト10【前編 10位~6位】

昨年の12月26日にTwitterのスペースで語らせていただいたおすすめ本ベスト10ですが、お話しただけでは本の名前が覚えきれない――というようなご意見もいただきまして、記事にすることといたしました。2021年に私が読んだ一般文芸小説123冊の中からの厳選。本当はもっとご紹介したいし、順位なんて正直つけられないんですが、あえて今回はこのような形式にしてみました。『これをきっかけに読書してみたくなった!』と言ってもらえるようにガンガン推していきますので、気になった作品はぜひお手に取っていただければと思います! では、さっそく参りましょう!

10位 ペンギン・ハイウェイ 森見登美彦

2010年5月 角川書店より刊行。第31回日本SF大賞受賞作品。2018年にアニメ映画化されています。

~あらすじ~

小学四年生のアオヤマくんが住む町でペンギンの群れが出現する怪事件が起こる。ペンギンの正体と彼らの目指す先を研究するアオヤマくんは、顔なじみの歯科助手のお姉さんがペンギンを出現させていることを知る。ペンギンはどうやって生まれるモノなのか。また同時に町に発生した大きな球体(海)との関係性は?

【どうこのおすすめポイント】

主人公のアオヤマくんが実に賢く、かわいらしい。森見先生はちょっと変わったキャラを書くのが抜群に上手い! 森見作品初見の人にはとても入りやすい作品とともに、森見ワールド特有の謎の浮遊感が読書をして体験できます。ぜひ、森見ワールドでこの浮遊感を体験してください! 読んでいると体がふわふわと浮き立ってきますよ! また、この話はお子様にも超おすすめ。アニメを一緒に見るのもアリなのですが、児童文庫で刊行されています。そちらをぜひ、お子様にプレゼントしていただきたい! 親子そろって空をふわふわしてみましょう! さらに浮遊感を体験したい人には『夜は短し歩けよ乙女』を読まれるといいでしょう。


9位 麦の海に沈む果実 恩田陸

2000年7月に講談社から刊行。理瀬シリーズ第二作。

~あらすじ~

三月以外の転入生は破滅をもたらすと言われている北の湿原地帯にある全寮制の学園。二月最後の日に転入してきた理瀬。彼女が学園に来てからというもの、次々と不可解な事件が起こる。失われた記憶と学園の謎との因果関係とは?

【どうこおすすめポイント】

学園ミステリですが、犯人を突き止める形(フー・ダニットと呼ばれるもの)とは違ったミステリ。これを読んでから一作目を読んでも問題はありません。これは読んでおけミステリランキングでも見かけたので、一読必見の価値ありです。2021年5月にはシリーズ最新刊『薔薇の中の蛇』が刊行されています。ちなみに恩田陸さんはハイキングのような『ただ歩く』みたいなシチュエーションを使って物語を作るのがとても上手い! シリーズ三作目の『黒と茶の幻想』もおススメなので、まずはこの一作をぜひ手に取ってみてください!

8位 海賊と呼ばれた男 百田尚樹

2012年7月刊行の歴史経済小説。第10回本屋大賞受賞作品。2016年12月に映画化されています。

~概要~

出光興産創業者出光佐三をモデルにした國岡鐵造の一生と、出光興産をモデルにした國岡商店が大企業となるまでの過程が描かれている。

【どうこおすすめポイント】

日本人のいいところが満載! 『こんな上司が欲しい!』『こんな上司がいたらついていきたい!』『男気に溢れている!』『まるで侍だ!』と思わずにはいられない熱い男が描かれています。この人物の不屈の闘志を読んでいると、実際自分も小さなことでくよくよしていてはいけないと思わされます。映画はエンタメに振っていますが、ラストのあたりは見ごたえのある作りとなっています。原作を読んだ暁には、ぜひ映画も見てみてください! また戦争についてを考えさせられる物語でもあります。日本がなぜ負けたのか――それを知るひとつのきっかけになるかもしれません。『永遠の0』の主人公をちらっと出すあたりが商売上手です。


7位 殺人鬼 綾辻行人

新潮社で刊行後、覚醒編・逆襲編として角川文庫から2011年に刊行されています。

~概要~

とある山に登山に来たグループの仲間が次々と殺されていくシリアルキラー系ホラー。あまりのグロさに再読不可能と言わしめている作品。

【どうこおすすめポイント】

綾辻さんと言えば『館シリーズ』であり、実際、私も『十角館の殺人』から著者作品に触れました。館シリーズにおいても惨殺シーンはわりと容赦ないし、バンバン殺されていきますが、この作品はそこを極めたものと言ってもいいでしょう。ミステリの面白さもふんだんに盛り込まれていますので、残酷描写が大丈夫なら、読む手がとまらなくなること間違いなし! 普段のモルカー好きの先生からは想像できない非情さに『さすが職人!』と感動してください!

ちょっとブレイク的おすすめシリアルキラー系ホラー


殺害方法容赦ありません。セリフも怖い! 貴志さんの描くホラーって本当に芯を凍らせて来るものがあります。

殺害後の行動が奇妙で気持ち悪くて怖いです。これ、冒頭から犯人は提示されているんですが、おそらくみんな騙されます。読みやすいと思って、伏線に目を向けてないと思うツボです。

世界が違います。ぶっ飛びすぎてて目ん玉飛び出ます。拷問シーンヤバすぎます。シリーズものなんですが、ちょっとまだ私でも手が出ません。この世界、知っているのとないとでは己の構築する世界が変わるかと思われます。

6位 魍魎の匣 京極夏彦

1995年1月刊行。百鬼夜行シリーズ第2弾。2007年映画化。2008年にテレビアニメ化されています。

~概要~

匣を祀る奇妙な霊能者に、匣詰めにされた少女。そして巨大な箱型の建物――匣を巡る虚妄が美少女転落事件とバラバラ殺人を結ぶ。探偵・榎木津、文士・関口、刑事・木場という馴染みの人間たちが事件に関わり京極堂の元へと集っていく。果たして京極堂に憑物(つきもの)は落とせるのか? 

【どうこおすすめポイント】

京極夏彦というと『鈍器』と呼ばれるほど厚い文庫を想像しますが、これも1000ページ越えの大長編。200ページくらいまでは序章で、いったい何を読まされているのかと思ってしまうでしょう。しかし、ここが重要でもあるので、最初は読み飛ばさない。しっかり読みましょう。デビュー作の姑獲鳥の夏のキャラ達総出演となるのですが、見方を変えるとしっかりしたキャラ小説でもあります。それぞれのキャラが実に魅力的なので、推しキャラを作って読むのも一興です。京極夏彦哲学もたくさん盛り込まれていますので『この考え方痺れる!』と悶絶してほしい。とりあえず読後、自分も箱詰めされたくなる話なのは間違いないでしょう。

さて、前半戦はいかがだったでしょうか? 納得いかない順位だったかもしれませんが、これはあくまで私の個人的なランキングですので、お許しいただけますと幸いです。

では次は後半5位~1位でお会いいたしましょう!

恵喜どうこでした!

面白かったらぜひサポートを! 10円~で構いません。みなさんのよかったを教えてくださると次の励みになります! よろしくお願いいたしますm(__)m