最低賃金より高いって介護士なんだと思ってますか? ~だから介護士には戻れない~
どーも、どーも。闇属性作家の紫藤咲です。連休二日目。みなさんはいかがお過ごしでしょうか?
連休中の私はと言えば、家にあるものを食べながら、なるべく外出しない方向でいます。子供たちも学校から不要不急の外出を控えるように言われている様子です。そうなりますよね。第二派迫るって感じですもん。こういうときはどうするか。不安になりすぎずに免疫力を上げるしかないですよね!
そう。ストレスってねえ、本当によくないんです。実は私、パワハラ受けまくっていた会社にいたころ、咳がとまらなかったんです。元々、風邪を引くと咳が長引きやすい体質でした。気管支が弱いうえに、百日咳もやったことがあって、咳は本当にひどくなりやすい。しかし咳喘息になるなんて思いもよらなかったんです。人生で初めて吸引しましたし、ね。
ところがです。ストレスから解放されたら咳から解放されました。パワハラ受けていた会社では夏場になっても咳がとまらなかったのに……
これ、脳内物質の影響もあるそうです。脳が不安やストレスに汚染されるとコルチゾールという物質が分泌されます。コルチゾールが『海馬』などが委縮していきます。脳がどんどん傷ついていくんですね。そうなると、体にも悪影響が出てきます。もちろん、免疫力にも。そうなると風邪を引きやすい、長引きやすい、重症化しやすい――というように、健康を維持できなくなっていってしまうわけです。
はい、怖いですねえ~。コルチゾールが過剰に分泌されないように自分がしあわせに感じることをしていかないといけません。美味しいものを食べる、好きな音楽を聴いてリラックスする、適度な運動をする――など。
妄想もいいかもです。楽しい妄想。私はこんな妄想をしてみました。
はい。こんなくだらない妄想でもね、楽しんだもん勝ちなわけです。脳内をフレッシュに! しあわせホルモン増量させて免疫力あげましょう!
ということで、本日はどーんっ! 介護業界についてのお話をしようと思います。ただ前にお話した裏という裏話にはならないかもしれません。裏話はちゃんと別の機会を設けますんで、ね。
★介護の仕事って?
さて、みなさんは介護という仕事、どんなイメージを持っていますか?
①汚い ②しんどい ③ありがとうがたくさんもらえる ④優しい人がやっている ⑤普通の会社勤めができなかった人が最終的に行くところなくてやっている ⑥安月給
この中から選んでみてください……と言ったら、あなたはどれでした?
ははは。私はどれも選べなかったです。だってどれも当てはまっていることだったんで(笑) それでも①、②、③くらいに答えが集中しやすいのかな? あとは⑥か。どれを選ぶことになっても、あんまりポジティブなイメージはなさそうですね。
正直申し上げれば、ポジティブなイメージを膨らませたいです、私だって。しかしながら現状はネガティブなイメージが浸透しても致し方ない状況なのです。では、なにゆえそうなのか。ここをググっと掘り下げていきましょう!
「最低賃金よりも高くてよかったじゃない」と実際に言われたときは絶句しました。国の機関に勤める人もこんな認識なわけです。
でもね、みなさんにはしっかり考えてもらいたい。介護職って命のやり取りをする現場で働く人たちなんです。医療職だけが命と向き合っていると考えられがちですが、介護職だって命と向き合っています。私たちの選択次第で利用者さんを生かすも殺すもできてしまうんです。ひとつの選択ミスが怪我などの大きな事故へ発展してしまうときもあります。
介護現場で確認ミスをしたことによって死亡させてしまった事件もあります。窓の鍵をかけ忘れたことで認知症の方がベランダから飛び降りてしまった。風呂の湯の温度を自分の手で確認しなかったためにやけどを負わせたうえに死なせてしまったなど、ちょっとしたミスも許されません。
また施設や在宅の現場で急変した利用者さんを見つけるケースは医療職よりも介護職のほうが多いんです。そのときの咄嗟の判断で、助かる、助からないが決まってしまうこともあるんです。
もっと身近な話をするならば、歩行介助や車いす等への移乗介助のときです。若い人ならば肌の張りもあって強いので、ちょっとやそっとじゃ怪我をしません。しかしお年寄り相手となれば別です。お年寄りは皮膚が弱くてやぶれやすい。うっ血している部分(お年寄りの場合は血管も細くて切れやすいので内出血されている方がとても多い)は特に破れやすい。そこに力が加わったときは皮が簡単にめくれてしまうこともあります。骨粗しょう症の方だったら、ゆっくり静かに椅子に座らせなければ、圧迫骨折などを招くことになります。
こんな環境下で働いているにもかかわらず、手取りで20万はいきません。20万を超えたければ夜勤をやるしかありません。夜勤だって大人数をひとり、ふたりくらいで見なければなりません。医療職が常駐していてくれるわけでもありません。徘徊する認知症の方もいる。介護拒否の方もいる。そんな人をひとりでずっとみなければならない――精神的にも負荷のかかりやすい状況となるわけです。それで給料が安かったら、鬱屈した思いがたまりやすいのも無理はありません。そんな中で虐待が起こってしまうのも致し方ないのかもしれません。とはいえ、絶対に許してはならないことではありますが、状況や環境などを鑑みれば、起こるべくして起こっている現実を少しは理解していただけるのではないでしょうか。
★介護士に戻れない理由
こんな解決策を労基からは提案されました。ただ強制力がなければ会社は応じる必要性がありません。ならば簡易裁判をと言われました。一万二千円もあればできるとも。そうすることで賃金があがるなら、パワハラがなくなるなら、休憩がしっかりとれるなら、やるのも悪くないでしょう。しかし、介護業界全体を変えるには至りません。
実は会社を辞めた後、私は会社から利用者さんについてのメールが流れてきました。メールの内容は利用者さんの個人情報。ケアの仕方についてのものでした。
私のメールアドレスを登録したままにしていた結果だし、その一通だけではありましたが、これを市区町村の介護保険課へ報告しに行きました。個人情報の取り扱いは『特定事業所加算(国の算定する基準をクリアした事業所に付加されるもの。簡単に言えば『ある一定のレベル超えた優良事業所だよ』という看板です)』をもらっている事業所は当たり前にできていなければならないことだからです。
介護保険課には個人情報流出していることの他に、事業所内での取り扱い方法や実際の会社の状況などを事細かく報告しました。従業員の休憩時間がしっかり確保されていない、サービス残業や労務の不備、パワハラなど、労働環境の悪さも併せて、です。その報告を聞いた行政の担当者さんはびっくりされると同時に深いため息を漏らしてこう言いました。
「介護業界はブラックです。もちろん、びっくりするようなホワイトな事業所もあります。だけど実際はこちらの手が打ちようがないほどにひどい状況です。私たちもできるだけのことはしています。実施指導のときには労働環境も聞くようになっていますが改善までは至っていません。特定事業所加算もつけなければ、実際のところ、食べていけない事業所ばかり。淘汰はされていくと思いますけど」
おいおいおいっ! 行政がブラックと認めちゃうんですか!?
と思いました。同時に行政が認めるんだから、私みたいな末端の人間がひとりわめいたところでなんにも変えられないなという無力感にも襲われました。
ゆえにどう考えても介護業界へは戻れないと思うに至ったのです。
コロナの影響で、介護業界はひどい人材不足と直面することになりました。私の住む市区町村では介護業界に復帰してくれる場合、40万円の支度金を用意するとテレビCMまで流れていました。
40万の支度金!? すごいじゃん! ケアマネまであるんだから復帰しなよ!
って思われた方いるでしょうね。だが、断る!(笑)
40万円の支度金などはした金です。そんなもので戻れるほど甘い現場ではありません。自分の体力と精神力を削って、削って、削って仕事するところです。福祉の精神をもって、ボランティアでやっている感覚を常備しつづけなければできる世界ではありません。
もちろん、ありがとうもたくさんいただけます。優しい利用者さんもたくさんいます。来てくれてうれしいよと笑うお年寄りとたくさんお話をしてきました。たくさん応援もされました。しあわせな時間がなかったわけではありません。
それでも私は自分自身や家族を犠牲にしなければ務まらない職場にはもう二度と戻れないのです。
もう少し対価がよければ。もう少し世間の目が温かければ。もう少し底辺に見られなければ。
介護も悪くはないでしょう。だけど、いろいろ問題多いんですよ、本当に(笑) 人の問題しかり、労働条件しかり。
というわけで、介護業界はブラックホールです。転職する際には会社をしっかり吟味して、使い捨ての駒にされないようにしましょうね!
あー、なんかもうちょっといい話して介護業界に人の流れを作りたいなあ……だけど嘘つけない(笑)
みなさんも介護士さんと知り合ったら「あなたすごい! 本当にすごい! ありがとう!」と伝えてあげてください。間違っても『私にはできない!』とか『よくやってる!』という言葉は使わないように(笑) これ、ねぎらっているようでねぎらってないですからね! その理由はまたいずれ。
では、次回をお楽しみに~!
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