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五月徘徊の記

毎日12時間労働+部署異動で、前回投稿より1ヶ月以上経ってしまった。
しかし、無事生存しているのですわ。ご心配無く。

某日。
日々の勉強時間が取れないので、以前より計画していた某温泉街の旅館に連泊することにする。
上げ然据え膳で食事は提供されるし、風呂は24時間湧いているし、猫には邪魔されないし、集中してレポートを仕上げるには、打って付けの環境である。

持って来たカメラはFUJI KLASSE S。リュックに、着替え・ノートPC・参考書・判例六法…を入れると、嵩張る大きさのカメラを入れるのはもう無理である。その点、FUJI KLASSE Sは、コンパクトで良い。
しかし、久々に使うので、使い方を忘れてしまっていた。情けない。


某日。
昼間はともかく、朝晩は部屋の灯油ストーブを点けなければ、手がかじかんで勉強どころではない。("蛍雪の功"という言葉は、私の辞書には無い)
久々に灯油ストーブの匂いを嗅いだら、実家の2階で受験勉強をしていた頃を思い出した。「灯油代が勿体ない。とっとと寝ろ」と、よく親に怒られたのであった。

それにしても、これだけボリューミーな朝食・夕食を食べても、間食をせずに一日中頭を使っていると、腹が減って減って仕方が無い。というより、食事しか楽しみが無く、次の食事まであと何時間…と、待ち遠ししい。
あまりの空腹と煩悩に支配されそうな時は、一旦風呂に入り、ビールで腹を膨らます。

嗚呼、Wi-Fiの有り難いことよ。こんな山奥にあって、ネットで調べものが出来るのだから。これで炬燵があれば、完璧だ。さすがに五月ともなると、どこの旅館でも炬燵は取り払われているのだろうが、黙って座っていると若干寒い。


某日。
夜中の空腹対策として、密かに夕食の一皿を残しておいて夜食として平らげ、翌日の朝食の皿と一緒に片付けて貰う技(?)を覚えた。

そういえば以前、某資格の勉強の為に湯治宿に連泊していた際、風呂場で一緒になったご婦人の口から洩れたのか、「”○○の間”の女性は、毎日部屋で勉強をしているらしい」…ということが旅館中に知れ渡ってしまい、それ以降毎日、仲居さんより昼ご飯が、湯治客からは菓子等の差し入れが部屋に届けられ、「たまには息抜きに麻雀しよう」と誘われるようにまでなり、なんだか、”恐悦至極にございます…!”状態であった。

その湯治宿は、本気の湯治で連泊している人が何人も居り、浴槽まで身体を引きずるようにしてやっと湯に浸かっている姿を見ると、理由が勉強とはいえ、こんな健康体で遊び半分で来るのではなかったかもしれない…と、若干の罪悪感を覚えた。

その療養中のご婦人がおススメしていた、岩手の夏油(ゲトウ)温泉へまだ行けていない。ご婦人曰く、湯が非常に”重く”て”効く”らしい。


某日。
温泉も良いが、やはり、修羅の街・新宿へ帰って来ると、安心する。臭くて良い。いつでも酒が飲めて良い。
しかし腹が立つことに、今年4月より勤務地が移転してしまい、区内の気軽な自転車通勤が出来なくなってしまった。5年ぶりの電車通勤復活である。(乗り換えありの電車通勤は、10年ぶり)

久々に、日々駅の乗り換えで階段を上り下りしていると、最初はしんどかったが、もしかして、自転車通勤より健康的なのでは?と思えて来る。時計の万歩計も、以前より歩数が増えている。
加えて、自転車通勤の場合は、飲酒運転扱いになるため途中で飲み屋に立ち寄ることが出来なかったが、今は構わず寄りたい放題である。
そう考えると、電車通勤も悪いことばかりではない。



某日。
通勤電車の車窓から、以前住んでいたマンションが毎日見えるので、途中下車をしてみたくなった。
休日。久々に駅へ降り立ち、散策してみる。

よく行っていた甘味処は店を畳んでいた。甘味処なのに、中華そば450円が美味しかった。椅子がガタガタであったが。
店のオバちゃんが怖い洋食店は、火事により店の再開を断念したようだ。何かの雑誌の記事でオバちゃんが、「食後の皿の上にティッシュを置かれるのが一番イヤ!」と吠えていた。そりゃそうだ。自分も腹が立つ。

その他、以前そこに何の店が建っていたかは思い出せないが、まったく記憶に無い店が増えている。しかも、明るいうちから飲めるニューウェーブな店が多い。

こうやって、昔住んでいた街へ足を運ぶのは、なかなか面白い。


某日。
休みの日、レポートを書いている最中についついビールを飲んでしまい、結局、ゴロゴロしている時より勉強をしている時のほうが、酒量が多くなっている事に気が付く。よろしくないな。

今の学生は偉いと思う。PCを開けば、ネットサーフィンの誘惑が潜んでおり、自分なんぞ、いざやろう!と思ってPCを立ち上げた後の数時間は、まったく関係の無いサイトを覗いており、本日に至っては、このnoteを書く前は、東京R不動産で部屋を探していた。

自分が若い頃は、部屋の中のマンガ本を読むか、授業中に回す下らない手紙を書くか、CDの歌詞カードに没頭するかくらいしか、誘惑の術が無かった。
が、今は「ネット」という深淵の世界が潜んでいる。
現役の受験生・学生達は、この誘惑に立ち向かいながら、勉強をしているのだ。控えめに言っても、偉い!

Kodak GOLD 200 / FUJI KLASSE S



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