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日本酒はどのように造られているの?

日本酒の造り方 〜はじめに〜

日本酒は原料を酵母により発酵させる”醸造酒”という分類に当たります。

さらに、ビールやワインと比べて複雑な醸造方法で造られます。

原料である米は糖分を含んでいない為、アルコールを生成するにはでんぷんを糖化させる必要があるが、第一段階である糖化と第二段階であるアルコール発酵を同じ容器内で同時に行う。

このような醸造方式は並行複発酵と呼ばれます。

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日本酒の造り方 〜全体工程〜

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日本酒造りは、原料である米を加工することから始まります。

酒の種類に応じて精米して、洗米、浸漬のあと蒸気で蒸します。

蒸し米は製麹、酒母造り、醪造りの工程で使用されます。

糖化に必要な酵素を生成する麹、アルコールの発酵を促すための酒母が出来ると仕込みに移ります。

醪を作る仕込みの工程は、3度に分けて行うことから三段仕込みと言います。これは並行複発酵と並ぶ日本酒造りの特徴です。少量ずつ仕込むことで発酵がスムーズに行われます。

2週間から1ヶ月かけて発酵させた醪を袋に入れて搾り、酒粕を取り除くと新酒が完成します。

通常の日本酒はこの後、ろ過、火入れ、貯蔵などを経て出荷となる。

日本酒造りは非常に複雑で、繊細な作業を必要とする。経験豊富な杜氏の技と、正確なデータに基づいた醸造がそれらを可能にしています。


精米

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日本酒造りで最初の工程が、『精米』です。

精米とは原料である米を磨いて表面を削り取る工程のことです。

この削り具合は”精米歩合”という指標で表されます。

例えば私たちが普段食べている米は”精米歩合90%”前後です。これは米の表面を10%削ったことを示します。

日本酒の場合は、本醸造酒で70%以下、吟醸酒で60%以下、大吟醸では50%以下という風に多くの部分を削っています。

よく磨いた米で造った酒はクリアな味わいに、表面の成分を残した米(あまり削らなかった米)で造った酒はより旨味を感じます。


洗米・浸漬

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洗米とは米を水で洗うという工程で、浸漬とは米に吸水させる工程のことです。

この工程は、蒸し米の出来を左右する工程(つまり、日本酒の味を左右する)です。吸水率を正確に合わせる為、洗米、浸漬の段階から目標となる数値が定められ、作業は秒単位で管理されながら進められます。

その日の気候や温度、湿度、米の品種や精米歩合などの条件によっても変化するので、非常に繊細な工程と言えます。


蒸し

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食用の米を調理するときは炊くのが一般的だが、酒造りの米は蒸して使用されます。

蒸気でじっくりと加熱した米は菌が繁殖しやすい『外硬内軟』の状態になりやすい。

『外硬内軟』とは米の外側はサラサラとしていて米同士がバラける程度の硬さがあり、内側は軟らかく水分が保たれている状態のことを指します。

この状態が麹に適した状態と言えます。


製麹

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麹は黄麹菌の胞子蒸し米に繁殖させたもので、蒸し米に麹菌をふりかけて作られます。

『一麹、二酛、三仕込み』といわれるように製麴は日本酒造りの中でも重要な工程です。

麹の役割は、下記の通りです。

①米の糖化を促す酵素の供給する
②酵母の栄養分になる
③酒質に影響を与える成分を作り出す

また、麹作りにかかる時間はおよそ2日間です。


酒母造り

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日本酒のアルコールは、蒸し米に酵母を加えて発酵することで生じます。

大量の米をスムーズに発酵させるためには、大量の酒母が必要になります。

そこであらかじめ酵母を増殖させたものが酒母(酛)になります。

酒母はタンクに入れた蒸し米、麹、仕込みの水の中に酵母を入れて造られる。

このとき、雑菌や野生酵母などが混入すると酒の品質に影響が出るため、醸造用乳酸を添加する(速醸系)ことが多い。自然の力で乳酸菌を生成させてから酵母を加えて造るものは生酛系と言います。

酒母が完成するまでにかかる時間は、速醸系で10日〜2週間、生酛系で3週間〜1ヶ月程度です。


醪造り

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酒母が出来上がると醪作りが始まります。

醪の仕込みは、4日間かけて「添え」「仲」「留め」の3回に分けて行い、麹、蒸し米、水の分量を少しずつ増やしていきます。

1度に大量に仕込むと酵母の増力が追いつかず、雑菌が繁殖するためです。


搾り

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タンク内で発酵を終えた醪は、米の固体部分が完全に溶けきっていないため白濁しています。

酒税法上、日本酒はこさなければならないと定められています。

醪を絞り固体部分である酒粕と液体を分離させて完成となります。

絞りのタイミングは杜氏に委ねられており、醪は発酵が進むにつれて泡が少なくなっていき、表面の泡がなくなった頃が絞りの目安となります。

杜氏はこのような視覚的情報の他に、日本酒度やアミノ酸などの酒質を毎日計測しタイミングを見極めています。


貯蔵

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絞りやろ過を終えた酒は、数ヶ月間貯蔵してから出荷されます。

貯蔵温度は15度前後になります。

日本酒造りは晩秋から春にかけて行われるので、貯蔵の時期は丁度夏に当たり秋口に出荷されます。出来たばかりの酒は荒々しく刺激が強い為です。

このフレッシュさを味わうために冬のうちに出荷する商品を「しぼりたて」と言います。

近年では、より長い貯蔵期間を経た熟成酒が注目されており、5年、10年、15年と熟成させた大古酒にも人気が集まっています。

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まとめ

今回は、〜日本酒はどのように造られているの?〜という内容をまとめてみました。

日本酒はお酒の中でも、複雑な製法を取り入れて造られています。

杜氏の経験や正確なデータが、酒の味を左右するので非常に奥が深いですよね。

これらを本気で学ぶには現場で経験することが最善策です。

なので僕は、10月中旬〜酒蔵へ修行にいきます。

頑張ります。


最後まで読んでいただいてありがとうございます。

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