【韓国ドラマ感想】マスクガール/마스크걸

ようやくマスクガールをマイリスト放置から救ったので、個人的な感想を書き留めておく。

※以下ネタバレあり。

おすすめ度　☆☆☆☆
二転三転する展開に緊張感はあるが、マスクガールはそんなに出ない。

とても面白かった。
ただ思っていたよりもマスクガールの出番がなかったのは意外だった。
セレブリティのようなものをイメージしていたので、ここは少し肩透かしを食らった。
「マスクガールによる配信とその裏で起るどったんばったん連続殺人！」を全編通して想像しているのであれば、その期待は裏切られる事になる事は注意書きしておく。

ストーリーは各話ごとに主人公が異なるタイプを取っている。
その為、前話で良い引きで終わって次の話に行くと「どこから話すんねん！めっちゃ昔やんけ！」と言う事がよくある。
だがそれがその人物の深掘りにもなるし、そう言う事があるからあんな事をして今に繋がるんだと言う納得にもなるので個人的には好きな演出だ。

そして肝心のマスクガールことモミだが、拗らせメンヘラ女と言った印象。
そもそもの発端はモミが片思いしていた会社の上司(既婚者)が、同僚のかわい子ぶりっ子している子と不倫関係だった事を目撃してしまう事から始まる。
好きだった人の理想が崩れたせいか、結局お前も顔で選ぶのかと言ったショックを受けたのか酒でべろべろになり配信で全裸になってしまう。

正直、仕事中に気持ち悪い自撮りをSNSに載せるような男のどこが良いのか全く分からないがそこは恋は盲目。
故にショック過ぎて酒を飲む、べろべろになるまで飲むまでは理解が出来るが、それで全裸配信はそもそもモミがヤベェ女で草。
まあ元々自意識過剰と言うか、脳内お花畑と言うか、空想にぽーんと飛んでしまう部分がある描写がきちんとあるので、遅かれ早かれこいつやらかしてたわと思う。
最悪の形でのやらかしになってしまったんですけどね！

そしてそのやらかしの盛大な後始末を同僚の男・オナムがするせいで話が拗れていく。
このオナムもまあ良く言えば絶対にクラスにひとりはいる控えめなオタクくん、悪い言い方をすれば陰キャキモオタ童貞くんなので、そりゃ拗れるよねって言う。
いじめられていた過去のせいで女と目が合わせられないからこそ、モミがマスクガールだと気付いてしまい恋に落ちる。
この時点でヤベェ男なのが確定過ぎて草。
韓国のドラマはヤベェ奴を作るのが上手くて本当に好き。
ただ結果的にオナムは大好きなモミとセックス(ほぼレイプ)が出来て、その最中に死ねた(殺された)ので、本人視点では良い最期なのではなかろうかと思う。

しかしオナムが死ぬ事で参戦してくるオナムの母親・キョンジャがクソ過ぎて本当に最高。
正直オナムの死に関しては大体こいつが悪い。
学校でいじめられている息子を見ても息子を叱るばかりか宗教へと行かせるわ、独り立ちしようとする息子を怒鳴りつけて抑えつけようとするわ、周りの人間には「息子は医学部に合格したしいつも女の子に囲まれていた」と嘘をつくわで、そりゃオナムもまともな精神に育たないしまともな女性関係築けねぇよの説得力が凄い。
そのくせ行動力はくっそ高いので、自分の店を閉めたり銃を買ったりモミ探しにタクシー運転手始めたり整形したりトッポギ屋始めたりと、思いついてから行動までがマジで速い。
おまけに復讐心でハイになっているので暴力を振るう事への躊躇いがない。
マジでくそ厄介ババアで草。
そもそもモミが殺した男の後処理を言い出したのはてめぇの息子なんだよなあ……。

そしてモミがオナムの子を妊娠していると中盤で明かされるのだが、正直ここで「多分キョンジャがそれを後から知ってショックを受けるんだろうな」と思った。
モミの子供、つまりキョンジャの孫であるミモを殺そうと狙い始めたから尚更そう思ったのだが、最期まで知らずに死んでいったのは意外だった。
てっきり、ミモを殺してからモミに孫だと知らされて錯乱みたいな展開かと思っていた為驚いた。
ただミモの人生を考えると、この展開で良かったんだろうなと納得も出来た。
そう言う意味でも本当によく出来たドラマだと思う。

ちなみに私がこのドラマで一番好きなシーンは、服役中のモミが刑務所のボスの腰巾着に何度も殴りかかりに行くところだ。
「目をつけられて嫌がらせをされるならそれがなくなるまでボコれば良いよな？」を地で行っていて本当に好き。
殴る→懲罰房→戻ってくる→殴る→懲罰房を繰り返すの本当に頭おかしくて好き。
プレートに盛りつけてもらったご飯をその場で床に捨ててそのプレートで殴りに行くところが本当に好き。

・総評
とても面白い。
展開は二転三転するので最後までわくわくして見られる。
登場人物も全員が程良く気が狂っていてとても良い。

ただ、殺人シーンやレイプシーン、男尊女卑的な発言シーンなどが多々ある為、そう言ったものが苦手な人は注意が必要だ。
特に本作の特性上、容姿への発言は結構ストレートに描かれているので気分が悪くなる人もいるかもしれない。
そう言うものに抵抗がないのであればかなりお勧め。