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【アニメ感想】呪術廻戦二期 懐玉・玉折

渋谷事変編が始まるまで間があるので、一旦過去編だけで個人的な感想を書き留めておく。
てか一旦まとめておかなきゃ落ち着いて渋谷事変編を迎えらんねぇんだよ。
完成度高過ぎんだろ。
このアニメ特級呪物かよ。

ちなみに感想をまとめる為に私は過去編を一話から見返したし、劇場版ももう一回見た。
無事死んだ。


※以下ネタバレあり。
 
クソ長いんで気を付けて進んでくれよな!
 長過ぎて初めて目次機能使ったわ!





一話目を見終えた時点での私「くっそおもしれぇーーー!!!」

今にして思えば元気に見られていたのはこの第一話だけだったかもしれない。

第一話を見た時に書いた記事にも書いたが、私はこの呪術廻戦と言うアニメそのものに本腰を入れて見ていなかった。
二期を見たのも「一期見たからとりあえず二期も見るか」程度でしかなかった。

それが第一話で心を鷲掴みにされたのだからもう拍手を送る他ない。
私はアニメに詳しくはないが多分、演出面が一期とは大きく変わったのだと思う。

夏油による独白シーンから始まる冒頭。
暗い画面、暗い声色、暗い表情。
「その夏は忙しかった」と始まり「蛆のように呪霊が湧いた」で視聴者にも「うわあ…」と思わせてからの「皆は知らない呪霊の味」でクリティカルヒットをかまされた。
「吐瀉物を処理した雑巾を丸呑みしているような」
ねぇ芥見先生、何を食っていたらこんな一回聞くだけで全人類が最悪オブ最悪な味だって分かる言葉が出てくるの?好き。

改めて見返すとここで夏油が語っている「私が見たものは何も珍しくない周知の醜悪」と「あの日から言い聞かせている」が、もうあの日からの夏油の一年全てを物語っている。
「周知の醜悪」って言葉が個人的にはドストライクで良いが、これに関してはまた後で語りたい。

そしてこんなにもゆっくりで暗い独白シーンから一気に「は?VHSか?お?アニメ変わった?ホラーか?」と言いたくなる程の古い画質表現の資料映像に切り替わるのだから、「なんなの?どう言う事なの?」と興味を惹かせるのが非常に上手いと思った。
ああそうだ、私はまんまとその罠にハマったね。
そこから古いノートパソコンが映って、そう言う資料映像でしたよからの横断歩道を渡る親子を目線だけで追う歌姫よ。
この時点で「実写かな?ホラー映画かな?」と思った。
演出が完全にホラー映画だった。
また、ここで冥冥の守銭奴アピールをさり気なく行っているのも好き。
それぞれのキャラの特徴を分かりやすくしてくれているのでとても見やすかった。

そして五条も夏油も出てこないまま廃墟に着くと、本当にカメラワークがホラー映画だったのが良かった。
三人称視点の登場人物から離れた視点、足元だけを映した視点、一人称視点など、廃墟をこれでもかと映すカメラワークでもう呪術廻戦じゃなくてホラー映画を見ている気分になる。
歌姫の背中越しに視点を上げて、大きな菊紋のようなガラス窓を映したシーンは最高でしたね。
あと独りでに閉まるドアは完全にホラー映画なんよ。
呪術廻戦ってホラー映画だった???

この廃墟のシーンで歌姫の怖がりを強調して見せてくれていたのも良かった。
ドアを開ける時の掛け声とか怖がりの典型で素晴らしい。
「はっ!ほっ!いやっ!どうっ!せいっ!」の勢い良くてめちゃくちゃ好き。このシーン三分くらいループで見ていたい。
ベッドの下を覗き込むシーンなんかは緊張感ありまくりで見てる私もちょっとビビった。
ただこれで驚くと言う行動が自然かつスピーディーに部屋を出る行動に繋がっているので、上手いなあと関心した。
「なあんだネズミか~」とか言いながら部屋の探索をしたりゆっくりと部屋を出るのではなく、素早く部屋を飛び出す行動に自然に繋がる。
そして流れの勢いはあるのに勢いを感じさせないまま、冥冥と歌姫を合流させて「ここは一階だよ」と話を進められる。
かぁ~~~!うっめぇなぁオイ!!!

冥冥と歌姫のループについて、視点を窓に固定するシーンが良かったですね。
自分が呪霊になった気分で確かにループし続ける二人を見ていられる。
ここ五分くらいループで見させてもらえます?
そしてループの謎を解き、走り出した二人と崩れる廃墟。
歌姫可愛いね。この走っているシーンループでください。

そしてそしてそして!
やっと登場する五条悟ーーー!
背景の空が邪悪なくらいに真っ青で綺麗ねーーー!!!
ここでOP入りますーーー!

OPに入るタイミングが良過ぎて良い焦らしを感じる。
あとOPの青春描写が眩し過ぎてキツイ。
でもね、私原作未読勢だからさ。
「壊れる事が確定している青春描写きっち~~~!」くらいにしか思っていなかったんだ。

そんなレベルで済ませられるOPじゃない事を、この時の私は気付いていなかったんだ。
アニメ制作スタッフに絶対真人いるだろ。

OPが終わってようやく五条・夏油・家入の三人が登場し、「この頃は皆年相応のクソガキだったのね~」と思わせてくれるの好き。
いや、それが一周回って邪悪なんだけどさ。
「歌姫が通った所崩れるぞー!」「うるせぇー!」の会話、本当に年相応のクソガキの会話で好き。
この人達にも年相応のクソガキだった頃がちゃんとあったんだよな…。
高専に戻って「この中に帳を忘れた奴がいる」と夜蛾の前で正座している三人とか本当に普通の高校生。
さっきまでのホラー映画演出が嘘のように青春学園物になるの本当に最高。
最高で最悪(めちゃくちゃ褒めている)

体育館でバスケしながら五条が「そもそも帳って必要?どうせパンピーには呪霊も術式も見えないんだし」と言っている後ろで、五条のサングラスで遊んでいる家入可愛過ぎんか?
ただここでの衝撃はやはり夏油である。
「目に見えない脅威はなるべく秘匿しなければならない」とか「弱者生存」とか「術師は非術師を守る為にある」とか。

「お前本当に夏油傑か?」と思った原作未読勢の私は悪くない。
何がどうなったらこの綺麗な青少年が「思う存分呪い合おうじゃないか」とか言い出すんだよ。
こっわ。
くっそおもろいやんけ。

でもここでもアニメスタッフの罠が仕掛けてありましたよ。
ボールを適当に投げてゴール出来る五条と、きちんと投げてゴール出来ない夏油。
何でこんな初見では何も思わず見逃すような些細なところに、こんな残酷な描写をいれてくるの?鬼か?
本当に初見では何も思っていなかったが、見返したら残酷過ぎる描写で顔歪んだわ。

「それ正論?俺正論嫌いなんだよね」
「何?」
「ポジショントークで気持ち良くなってんじゃねぇよ。オッエー!」
「表で話そうか悟」
「寂しんぼか?ひとりで行けよ」
この辺りの会話の五条、本当にただのクソガキで好き。
特に「オッエー!」の言い方本当にただのクソガキで好き。
一周回ってこのままの五条悟でいられたら幸せだったのかもしれん…。

そんな喧嘩勃発寸前でも夜蛾が来たらすぐに空気を変える二人が本当にただのクソガキ。
本当にただただ年相応のクソガキ。
そして「青春している二人って変な感じだなあ」とか思いつつもめちゃくちゃ見入っちゃう。

あとこの過去編は全体を通して人の動きが凄くリアルだった。
夜蛾が「お前達には荷が重いが」と言っている時は二人共興味なさそうに外を見ているのに「天元様直々のご指名だ」と言った瞬間にちゃんと前を向いて話を聞く姿勢を見せるところ、とても良かった。
そして天元について何も知らない五条と、ちゃんと勉強しているのか知っている夏油の会話だけで「基本的に常識的な事は全て夏油任せ」な二人の関係性も見える。
なんて真剣に思っていたら「メタルグレイモンに進化する分には良いけどスカルグレイモンになったら困る。だからコロモンからやり直す」とか言い出すんだから本当にテレビの前で爆笑した。
馬鹿みたいな例えをしているが視聴者的にも分かりやすくて好き。

そして星漿体である理子ちゃんの元に向かう夏油がエレベーターを降りた時に廊下を右左右と見てから進むのが、これまた動きがリアルだなあと感じたところ。
行き慣れている所ならそんな確認はしないが、初めてくるような場所ならこう言う動きを人間はするとちゃんと思わせてくれるから違和感もないし、より人間らしさを感じて感情移入もしやすくなる。
うめぇもんですわ、ここ三分ループで見させてください。

あとここの電話で夏油が五条に「一人称俺はやめた方がいい」と指摘しているのが見返して「うっわ」となった。
ぶっちゃけ一期の記憶とか劇場版の記憶とかだいぶとあやふやだったので初見時は何も思わなかったが、二期視聴中に一期を見返した。
結果、「あっ…一人称僕になってる…悟ぅ…お前…夏油の言う事ちゃんと聞いたんだなあ…」ってなった。つっら。
てか一期見返したら五条がだいぶと丸くなっていたので成長を感じました。

と、ここまで戦闘と呼べる戦闘もなく進んできた中で理子ちゃんの部屋の前に来た瞬間、爆弾の起動音と夏油の「は?」で秒で流れを変えてくるのが素晴らしい。
なんかよく分からん呪霊でガードした夏油に対して「生きてる?」と軽く聞く五条の夏油への信頼感凄い。
「私はね」と言った次の瞬間、空を真っ逆さまに落ちていく理子ちゃん。
それを見てすぐに窓ガラスにイカ呪霊をぶっ刺してガラスを割り躊躇なくビルを飛び降りる夏油すっげぇなと思った。
いくら呪霊を出すから大丈夫とは言え、あんな高さを躊躇なく飛び降りる事が出来るなんて経験値が凄いんだろうなと秒で分からせてくる。
てかこのイカ呪霊なんなん。後でも言うけど便利過ぎんか。
そして五条の「泣いて謝れば殺さないでやる」と言うクソガキムーブ。
バイエルの「クソガキが!」に対して「分かる」と全力同意したくなりましたね。

なんて戦闘が始まったビルを離れた場所から眺める男が二人。
「星漿体暗殺。一枚噛んでみないか?」とか言っているので敵かと思いながらテレビを眺める私。
高層ビルに似つかわしくないだらりとした黒いスウェットにサンダル、おまけに行儀悪く足で足を掻く男が喋る。

「もう禪院じゃねぇ。婿に入ったんでな。今は伏黒だ」

はあーーー!!!???
おまっ、お前、お前ーーー!伏黒!?伏黒ーーー!!!???
恵のパパーーーーーー!!!???!!!???
待ってこれで第一話終わるのエグない?
え?伏黒?お前、恵のパパなんか?え?え?
待って恵のパパってこんなダメ男なんか?え?
はあーーー!!!???

原作未読勢なんでな。
ここにマジで驚いた。ガチで驚いた。
ただ顔が映った瞬間に「あっ恵と同じ遺伝子感じる」と思ったので大丈夫でした(大丈夫じゃない)

そして第一話を視聴し終えた時に思った事、体感五分。
三十分のアニメを見てここまで体感五分でした。
視聴継続に判を捺しておきました。
次回予告のさしす会話すら吹き飛ぶ勢いで伏黒パパ登場に驚きましたが、予告で家入が喋った後に二人が「おお~…」って言うの本当にクソガキで好き。


ここまで読んでいただきありがとうございます。
ここから先も一話に対してこのくらいの熱量で語っておりますので、長過ぎて呪霊を生み出す可能性がある方はUターンをお勧めいたします。


二話目を見終えた時点での私「何その引き!緊張感えっぐ!」


第二話の冒頭、一瞬何のアニメが始まったのかと困惑させられるくらいに優雅で笑う。
ケトルで湯沸かし、ティーバッグ開封、お湯入れ、砂糖入れ、掻き混ぜる。
優雅なティータイムからの微かに聞こえる、窓を開けているにしては強過ぎる風の音。
そして呪霊の音とコークンの叫び声。
廃墟と化したホテルの一室でソファーに足を広げて座っては紅茶を嗜む夏油傑が強過ぎて笑う。
「なるほどこれは最強」と視聴者に納得させるのが早過ぎる。

あとコークンのセリフが全力で情けなくて好き。
「俺が悪かった!ごめん!マジごめん!この件から手を引く!呪詛師も辞める!もちろんQもだ!そうだ田舎に帰って米を作ろう!」
夏油「?」
私「?」
すまんが夏油と同じ顔をしたぞ。何だよ米作るって。

「呪詛師に農家が務まるかよ」「聞こえてんじゃん!」の流れすこ。
しかし下手に出るのが効かないと分かるや否や「Q最高戦力のバイエルさんも来てるんだぞ!」とイキり出す。
ここで私は思った「そいつ五条の方に行った奴じゃね?死んだな」と。
メールの受信音が夏油の携帯電話から鳴って「ねぇ、バイエルってこの人?」と問いかける。
倒れるバイエルとピースする五条の自撮り写真。
エロ同人みたいな自撮り写真送ってくんな笑うだろ。
「スッーーー…この人…ですね…」ここの「スッーーー…」って言う息の音好き。めっちゃ好き。

ところでコークンとバイエルって随分とウインナーみたいな名前ですね。
Qは精肉加工会社なのでしょうか?
シャウもしくはエッセンとかいるのでしょうか。

これでQの解体を秒で終わらせた辺りに「二人は最強」を強調されてとても吐き気がする(めちゃくちゃ褒めている)

場面は変わって競艇場。
優雅なBGMの中で行儀悪く前の座席に足を乗せて座る伏黒パパ。
ここでの孔との会話が、二人の付き合いはそれなりの期間があって、会う時はこう言うギャンブルの場が多いんだろうなと思わせる会話で好き。
「金を増やしてんのさ」
「お前が勝ってんの見た事ねぇよ」
からのイーッて顔の伏黒パパよ。

この短い会話からで伏黒パパが人気なのがよく分かる。
こう言うタイプのクズ男って一定層に絶大な人気がある。
いやー分かるわ、私も伏黒パパとセフレになって仕事終わりに駅前で待ち合わせして鳥貴族に行ってたらふく奢ってそのままホテルに行って翌朝じゃあねってバイバイしたいもん。分かる。

ただ「恵は元気か?」に対しての「誰だっけ?」は許せないぞ。
でも自分も他人も尊ばない生き方を選んだ男だからな、子供を尊べと言うのも無理な話なのかもしれない。

場面はまたホテルに戻り、理子ちゃんを一応医者に見せるか悩む五条と夏油。
夏油の「反転術式が使えたらな」に対して「無理。あいつ何言ってるか分かんねぇし」と返す五条が本当にクソガキで好き。
でも家入の「ひゅーっとやってひょい。ひゅーひょいだよ。分かんない?センスねー」も説明のセンスなさ過ぎて笑う。
ここで五条は「うっぜー」みたいな感じで腹を立てているし、夏油は「分かんねー」みたいな感じで引いているのも各々の性格が出ているし、何より五条の「最強の俺が反転術式を使えないとかありえねぇでしょ」みたいな感じが出ていて良かった。

そして全五条推しが羨むであろう五条のお姫様から目を覚ました理子ちゃんによる強烈ビンタからの見事な着地。
運動神経良いぞこの星漿体。
「君を襲った連中とは違うよ」と言う夏油の優しい言葉も「嘘じゃ!嘘つきの顔じゃ!前髪も変じゃ!」で一刀両断。
口が悪いぞこの星漿体。
そしてねじられる星漿体。
ねじってからぱっと床に落とす辺りに二人のクソガキ具合がしっかり出ていますね。好きです。

ここで理子ちゃんが天元との同化について前向きな姿勢だったのは視聴者として気が楽だった。
いやまあ結果的には前向きではなかったのだが。
この場では「天元との同化=死ではない」「天元と同化すると言う事は天元は理子であり理子が天元」と言う思考だった事は本当に救いだった。
いや結果的には全く救いでも何でもなかったのだが。

そんな声をガン無視して「待ち受け変えた?」「井上和香」って会話をしている最強コンビほんとクソガキ。
待ち受けとか久々に聞いたわ。
「あの喋り方だと友達もいないじゃろ」「快く送り出せるのじゃ」と理子の話し方を真似て煽る最強コンビマジでクソガキ。
このままでいてほしかったんですよ、本当に…。

改めて見ているとここでさっさと理子ちゃんを高専に連れて行けばあんな事にはならなかったろうにと思ってしまう。
二日後には天元と同化してしまう理子ちゃんに最後の生活を送らせてやりたいのは分かるが、狙われてしまった以上黒井ごと高専に連れて行って残りの期間を二人で過ごさせてやるのが最善策だろうに。
天元って優しいのかアホなのか、何なんだろうな。
原作未読勢には天元がそもそもどう言う人間なのか詳細は分からないから仕方がないが。

あとここで事故死した理子の両親の話を聞いて黒井に「それじゃあ貴方が家族だ」と微笑む夏油、しんどっ。
だってお前、お前ーーー!!!

そんなしんみりも加えながら青春パートを楽しんでいると、急に治安の悪そうな飲食店。
そう伏黒パパの登場です。
徹底して金のないクズとして描かれているのがこれ以上余計な事を言わなくても良いくらいにキャラを立たせていて本当に良いと思う。
あとここで孔がノートパソコンを指先で叩く、かっかって音だけが響くシーンが不気味で好き。
飲食店の競艇を映しているテレビから聞こえる「注目の第五レースまもなくスタートです」のアナウンスと「生死問わず」って書いている懸賞金サイトと相まって不気味で良い。

この後の電話しながらご飯を食べる伏黒パパの行儀の悪さも徹底して描かれていて良かった。
割り箸が綺麗に割れないところとか、たこ焼きを六眼に見立てているところとか。
ラーメンを持っていたモブにぶつかって罪のないラーメンが床に落ちても、無言でしゃがみこんで圧をかけるところとか、罪のないラーメンを踏みつけるところとか。
「禪院家でまともな教育ってされていないんだろうな」と思わせる描写が随所に散りばめられていてとても良かった。
最終的に「電波悪い」で一方的に電話を切るところまで含めて完璧なクズ描写だった。美しい。百二十点。

一方新しいレースが始まった理子ちゃんの学校では夏油が呪詛師のジジイと戦闘になっているが、この時の画面の使い方がコマ割りみたいで面白い。
漫画のような画面で動くアニメ、ふーん良いじゃん。
そしてこの呪詛師ジジイの思考がまた負けキャラのテンプレで好き。
夏油が式神使いではなく呪霊操術だと見抜いたまでは良いが、「思考は式神使いのそれ」だなんて負けフラグ立てちゃダメだろ。
「近接戦闘は苦手と見た」なんて言い出した瞬間には思わず「いやこのガタイで?」とツッコミを入れたぞ。
あれかな、遠近法で小さく見えたのかな。
おじいちゃんだから目が悪かったのかもしれない。

からの「取った!」→犬!の流れ本当に突然過ぎて吃驚した。
まあジジイが自分の過去を語り出したから走馬灯かとすぐに分かったが、その過去語りを聞くと、もし闇堕ちした後の夏油に出会っていたらこのジジイも救われたのかもしれないと思った。
一般家庭に生まれた呪術師って大変なんだろうな。
その他大勢の人には見えないものが見えて、使えない力が使えるなんて。
まあ一般人の家に囲まれた呪術師家系も大変でしょうけどね!吐いて良いですか!?
それはそれとしてこのジジイ想像以上にぼっこぼこに殴られてて草!
音楽の授業をしているからってその優雅なBGM流しながら見せる画じゃないのよ!

あと理子ちゃんの元に辿り着いたら女子から黄色い歓声を浴びてノリノリになる五条、本当に年相応のクソガキなんだよなあ。
さしすでいられたからこのクソガキムーブを出来ていたんだろうなあ。

そして分身術式呪詛師を襲う黒井の容赦ない金的ッ!!!
うーん容赦ない一撃でした。芸術点が高い一撃でしたね。
何より黒井がどれだけ理子ちゃんを大切に思っているかが伝わる容赦ない一撃でした。
夏油も「強いじゃないですか」と褒めるレベルで容赦ない一撃でした。
まあこの強いは「(思っていたよりはそれなりに)強いじゃないですか」だと思うが。
あと呪詛師の「三千万ゲットして鰻を食べる」はあまりにもやる事がしょっぱ過ぎるぞ。
もっと豪遊して経済を回せ。

この分身術式呪詛師、本当に術式は強いのに弱過ぎて意味が分からんレベル。
高専時代のクソガキムーブつよつよ五条が褒める術式だぞ、何故弱いんだ。
もしかしたら、高専みたいな所に行ってちゃんと学べばかなり強くなったのかもしれない。
そしてここでのおさらいの仕方がお洒落で素晴らしい。
五条のサングラスのレンズをスクリーン代わりにして映像を映し、無下限の解説をするの最高。
安直に画面全体を使って映像を映しておさらいするんじゃないやり方、とても良かった。
まあ説明されても何を言っているのかよく分からんのですがね!
とりあえず五条に攻撃が届かないって事でよろしいか!?

からのガラスと壁をパリーン!があまりにも美し過ぎて、映画か?ってなったわ。
作画えっぐ。
そして空が青い。
もう邪悪なくらいに青い。

この青さがもうしんどいからやめてほしい。いいぞもっとやれ。

でもここで五条が赫を失敗するのがまだ青春ものの皮を被っていて良い。
「なんか修行みたいなのをして習得するんやろ」みたいなジャンプの王道を想像させる余地があって良い。
そんなものはありませんけどねぇ!!!
夏油と切磋琢磨しつつ家入に治されつつな修行があってほしかったんですけどねぇ!!!
存在しない記憶!!!

そして呪詛師を難なく退治した最強コンビに突きつけられる黒井拉致。
さては二話目も引きがえぐいな?
次回予告で「黒井は結局いくつなの?」「さんちゃい!」「あら可愛い!」とかよく言ってられるなな状況で二話目終了はえぐくない?
やっぱりアニメスタッフに真人いるだろ。

三話目を見終えた時点での私「人の心とかないんか?」


海の中で目を閉じている理子ちゃんが携帯電話の音で目を覚ます、からの黒井拉致おさらい、お洒落な導入で好き。
そして黒井が拉致された事に対しての夏油の「私の責任だ」のセリフね。
真面目さが出ているのよ、ここですでに。
五条も「相手にとっての黒井の価値を見誤った」と言っているのだから二人の責任でもあるのに、黒井が拉致された事に対して全責任を負おうとしている。
改めて見ると危うさがすでに出ていた、こんな見逃しそうな些細なところで。
もうどこまでが原作でどこまでがアニオリか分からないので言いますね。
芥見先生もアニメスタッフも皆性格が悪いな!?いいぞもっとやれ!

こんな状況になってしまっては学校だ何だと言ってはいられないと、理子ちゃんを高専に連れて行く事にする五条。
だが理子ちゃんがそれを拒否する。
「もし黒井を救えたとしてもそれが天元との同化までに間に合わなければ」と。
「まだお別れも言ってないのに」と泣いてしまう理子ちゃんに初めて、「そうだよなこの子もただの中学生の女の子なんだよな」と思った。
夏油の居心地の悪そうな表情も改めて見るときついわ。

そして五条が理子ちゃんを連れて黒井救出に向かう事を決めた瞬間のドアを開ける音と覚悟の決まった理子ちゃんの目が最高。
五条の「帰りたくなってもシカトするからな。覚悟しとけ」で、一体どんな戦闘が待ち受けているんだ!とワクワクさせてからの「めんそーれ!」で情緒ぐっちゃぐちゃよ。
高低差えぐ過ぎて耳キーンなるわ!!!
まあよく聞くと五条のセリフに重ねて飛行機の音が聞こえているんですけどね。
初見で気付くかこんなもん!!!

ここで黒井救出も一瞬で終わらせる辺りに「ほらな?こいつらは最強コンビなんだぜ?負ける訳ねぇだろ?」と言う意図を感じる。
これが用意周到な作戦か…。
あとこの黒井救出の時に黒井と再会する理子ちゃんを見て笑顔になる夏油が…しんどっ…。
多分肩の荷が下りたんだろうな。
シンプルに心から「再会出来て良かったね」と言う気持ちだったんだろう。
は?しんどっ。

沖縄に向かう飛行機も五条が全乗客にメンチ切った上で虹龍が並走してるんだから確かに下手な陸路より安全。
でもこの場合五条より、飛行機と並走する虹龍凄くない?
時速何キロで飛んでんの?
この速度を保てて最高硬度なの?
つっよ。
速い硬い強い!

ただそんな話をしている四人の姿は最早家族連れで草。
父・夏油
母・黒井
長男・五条
長女・理子
違和感なさ過ぎだろ。
五条なんて両手にナマコを持って理子ちゃんを追いかけ回しているんだぞ。
兄妹やんけ。
でも旅のしおりはもう少し計画的に作ろうね。
一時に海水浴、三時に沖縄出発は弾丸過ぎるよ。

そんな沖縄旅に追加招集、七海・灰原。
七海の基本姿勢が今とほぼ変わっていなくて安心する。
色んな意味で今とは変わってしまった人ばっかりの中で然程変化がなくて安心する。
しちゃダメなんだが。
あと灰原の「夏油さんにいいとこ見せたいからね!」を初見は何も思わなかったが、改めて見ると「夏油って本当に皆のフォローをする側の人間だったんだな」と言うのが窺い知れてきっつい。

無下限出しっぱなしの五条を心配する夏油と、「それにお前もいる」と返す五条。
二人の信頼関係は確かなものですよと叩きつけてくる流れが美し過ぎて吐きそう。
声なしBGMのみの観光シーンもあまりにも美しいが過ぎるから恐ろしくなる。
時間の切り替わりを空を映しながら半時計周りに動かすカメラワークが凄く好き。

そして青を死ぬ程強調してくる水族館。
理子ちゃんが水槽を眺めている時に一瞬静まったBGMがまた盛り上がるシーンは最高だった。
最高だったからこそ、不気味にアップで映されては切れる非常口が気持ち悪くてたまらない。

護衛三日目、ようやく高専に着きその結界内へと入った四人。
夏油が「本当におつかれ」と言った瞬間に無下限を解く五条。
目の色で術式を使っているかどうか表現しているの綺麗だねと思っていた瞬間、突き刺さる刀。

「え?」って普通に呟いたぞ。
私テレビ見ながら普通に「え?」って呟いたぞ。
蝉の鳴き声やめろ怖い。
散々青を強調してきて突然の赤はやめろ。

ショタ五条を見に行って背後を取っているのに気取られた伏黒パパの回想シーンで、目を見開く時のその見開き方がリアルで良かった。
かっと見開くんじゃなくて、徐々に「え?は?嘘だろ」みたいな感じで見開かれていくのが嫌にリアルで良い。
この目の見開き方でこの時に伏黒パパがどれだけ五条悟と言う存在を脅威に思ったのかが伝わるからこそ、用意周到に策を練った事に説得力がある。
「お前みたいな完璧な奴は」と完璧である事を認めているのもしっかりと説明がついて良い。
ただ夏油の呪霊の中でその武器庫呪霊をオエッてしたのかなって思うとちょっと、うん…うん…凄いね…。

あとこの戦闘の作画えっぐい。映画かよ。
伏黒パパはっや。人間辞めてて草。
フィジギフって呪力ゼロまで極まるとここまで人間を辞められるんだな。
いずれ真希もこうなるのかな…可愛くないな…。

BGMを下げて伏黒パパの足音を響かせるシーンはかなり好き。
見えないのに足音が聞こえると言う本能的な恐怖を煽られる。
そしてそれに対して辺りを蒼で更地にすると言う荒業を見せる五条も大概バケモノだけど、まだ戦闘の粗削り感もあってあくまで「高専時代の五条悟」って言うのが分かって良い。
ただそこまできっちり予想済みで蝿頭を解き放つ伏黒パパの作戦は見事。
でもちょっと蝿頭の数えぐない?
君その武器庫呪霊の中に蝿頭を何匹飼うてたん?

ここで思考を乱される五条に本当に若さを感じる。
そして「あいつの狙いは天内!」と言う間違った判断をした瞬間、真後ろに迫る伏黒パパの恐怖よ。
こっわ。
でもここから五条に天逆鉾を突き刺すまでがスローモーションだったのがめちゃくちゃ好き。
人間本当にヤバイ時は全てがゆっくりに見えるって言うじゃん。
五条視点でのそれなんだろうなって感じがしてめちゃくちゃ好き。
そしてついに無下限を突破して五条の首に突き刺さる天逆鉾。
雲ひとつない真っ青な空に真っ赤な血が映えますね…映えんな…。

そりゃね、視聴者は神様視点なので五条悟が今も生きている事を知っていますよ。
だからこの過去編では死なない事を分かっていますよ。
それでも血まみれ五条の顔に蝿頭が貼り付くのはもう表現が死体のそれなのよ。
「え?ワンチャン死ぬ?」とか思うレベルで死んでたね。
八割くらい死んでたよあの五条。

そんな五条悟の死亡と言う最悪の絶望を背負ったまま場面は夏油と理子ちゃんに。
天元の元へと向かうエレベーターを降りる時に足元だけを映して、黒井の足だけが少し遅れて歩き出す描写好き。
「私はここまでです」がよく出ている。
その後理子ちゃんが抱きついて「黒井、大好きだよ」「私も大好きです」の会話は美しかった。
もう永遠の別れだもんな、悲しいよな。
ええ、永遠の別れなんですよ。

夏油と二人で無言で歩き、足音だけが響く空間凄く良い。
そして「あそこに行けば天元が守ってくれる」と言った夏油が次の瞬間に「それか引き返して黒井さんと一緒に家に帰ろう」と提案した時に私も理子ちゃんと一緒に「え?」って言ったわ。
止まったBGMと、五条との話はついているの言葉。
夏油が「同化を抹消と言った。それだけ罪の意識を持てと言う事だろう」と夜蛾の言葉を解釈していたが、これも最悪の展開への引き金だと思うとしんどい。
夜蛾、何故抹消なんて言い方をしたんだ。
それだけ罪の意識を持てと解釈した夏油が間違っていたとしても抹消なんて言い方は良いとは思えないし、夏油の解釈が正しいとしたら子供に何を背負わせようとしてるんだって話。

でもここで入る回想シーンでの二人の会話は本当に青い青い子供の会話なんだよな。
「天元様と戦う事になるかもしれないよ?」
「ビビッてんの?大丈夫。なんとかなるっしょ」
若者特有の全能感に呪術師がプラスされた青い青い子供の会話。
「私達は最強なんだ」「君の未来は私達が保障する」
本当に子供なんだと言うのがよく分かる会話が死ぬ程性格が悪い。

そして吐き出される理子ちゃんの本音。
青い水槽の中にいる理子ちゃんは生まれながら危険を遠ざけられた事の表現だろうか。
生まれた時から他とは違うと言われて生活してきたと言う事は、生まれた瞬間から星漿体として扱われてきたんだと思う。
だから天元と同化する事は当たり前で、同化しても大丈夫だと自分に言い聞かせてきた。
でも本当は同化なんてしたくないし、もっと皆と一緒にいたいし、もっと色んな所に行って色んなものを見たい。
それは星漿体ではなく、紛れもない天内理子の本音。
それを聞いて「帰ろう理子ちゃん」と手を差し出す夏油。

「うん!」
この瞬間、たった一発の銃声で全てが台無しになると誰が想像した?

正直に言うね?
盛り上げ方がえぐいなとは思っていたよ?
理子ちゃんが語り出してEDが流れて、すっげぇ盛り上げてくるじゃんって思ってはいたよ?
でも今も高専に問題がないと言う事は理子ちゃんは無事に同化したのかなと思うじゃない。
理子ちゃんの話を聞いている時の夏油の「うんうん。そうだよね。まだまだしたい事はたくさんあるよね」みたいな優しい顔を見たら安心するじゃない。
ねぇアニメスタッフ、どんな気持ちで「赤らめた顔また見せて」の歌詞被せてきたの?

宿儺と真人にげらげら笑われている時の虎杖ってこんな気持ちだったのかもしれない。

撃たれた瞬間は理解出来ていなくて一テンポ遅れて反応する夏油と、死んだ理子ちゃんの顔がリアル過ぎてきつい。
絞り出したような「理子ちゃん?」がきつい。
そしてこの状況で「はいお疲れ。解散解散」と言いながら登場する伏黒パパの声の軽さよ。
ねぇこの状況でそんな事を言われる夏油の気持ち考えた事あんの?
夏油が何をしたって言うのよ!
ちょっとコークンをいじめながら紅茶を嗜んだだけじゃない!

「何でお前がここにいる」を口にする瞬間の夏油の心境を考えるときつい。
夏油の目の前でありえない事が二つも起きているんだよ。
五条が負けた事と、理子ちゃんが死んだ事。
それを分かっているから伏黒パパも「何でって、ああそう言う意味ね」とすぐに理解して「五條悟は俺が殺した」が言えるんだよ。
この時の伏黒パパのドヤ顔が「俺を見下した奴ら見てるか?俺が五条悟を殺してやったんだぜ」と言う自慢に満ちているのが最高に美しい。
からの夏油の短い短い「そうか。死ね」が完璧過ぎた。

ねぇ何でこんな良いところで終わるの?
来週とか待てないよ?
てか理子ちゃんの死亡を盛り上げ過ぎじゃない?
マジで夏油と同じ顔しながらテレビ見てたよ?
見終わった後しばらく虚無ってたよ?

こんな地獄を見せられたんだからせめて次回予告にだけは救いを求めたいじゃない。
なのに急に今週から次回予告すら家入がひとりなの。
「何かを始めるのに遅過ぎる事はないとは言うけれど、難しいのは始め時より止め時だよね。とは言えないぜ」
こんな意味深な事言い出すの!!!
何で!!!救いは!救いはないんですか!!!
こんな状態で来週を待てと言うんですか!!!
人の心とかないんか!!!
今アニメスタッフ全員げらげら笑ってんだろ!!!
やーい!アニメスタッフ全員真人ーーー!!!!!!!!!


四話目を見終えた時点での私「人の…心…とか…ないんか…?」


今まで録画して次の日に見ていたのだが、ついに待ちきれずにリアタイで見た。
アニメをリアタイで見るなんて本当に子供の頃以来だと思う。
それくらいにこのアニメの完成度が高い。特級呪物。

正直見る三十分くらい前からずっと「ねぇ本当に見るの?あれ絶対また地獄やるでしょ本当に見るの?」と自問自答した。
見た。
死んだ。

おさらいするとは思ったよ?
理子ちゃんパーンのおさらいはくると思っていたよ?
私だってそこまで馬鹿じゃないんです、おさらいがくる事くらいは予想済みですよ。

ねぇ!!!誰が別アングルでおさらいしろって言ったよ!!!
何2カメ用意してんの!?
ご丁寧に「そうか。死ね」まで何できっちり別アングル用意してんの!?
はあ!!!???
先週を何とか乗り越えて今週に辿り着いた視聴者を滅多刺しにすんなよ!!!
マジで頭抱えたわ…視聴者の心を叩き折る事に全力過ぎるよこのアニメ…。
絶対に真人いるわ…。

でも夏油と伏黒パパの戦闘シーンは凄かった。
やっぱり呪霊操術って映えるね。
でも虹龍の口から腕を出しては銃を売ってくる伏黒パパ怖過ぎるね。
からの「焦んなよ」はもう強過ぎる。
本当に人気があるのが頷けるキャラ。完成度が高い。

そしてここで役立つ術式の開示システム。
これがある事で伏黒パパがどうやって高専の結界内に侵入出来たのか等をキャラにしっかり説明させる事が出来るし、説明に説明がつく。
呪力ゼロは透明人間、目から鱗だろうな。
痕跡を残さないように細心の注意を払ったのに、呪力とか関係ありませーんは想定外過ぎるだろ。
てかこんなクソ強フィジギフを追い出した禪院家馬鹿過ぎんか?
真希の件もそうだがどう考えてもフィジギフの方が良いのに何を考えているのやら。

あとここで説明しながらあの天元の謎和風空間を歩いているのが良かった。
襖と襖の間から見える描写、めちゃくちゃ好き。
ただここで黒井もすでに死んでいるだろうと明言されたのは分かってはいたがショックだったな。
一本道っぽいから恐らく伏黒パパがくる途中で黒井に遭遇しているだろうし、黒井は伏黒パパが五条を刺したのを見ているから敵と分かっているし、そうなったら伏黒パパは黒井を殺すだろう事は想像に容易過ぎる。

武器庫呪霊を取り出す時は「オエッ」じゃなくて「オ゛エ゛ッ」って感じなのがリアルで嫌。
こう言うところをリアルにしてくるのがこのアニメの気持ち悪くて美しいところですね。

ところで一話の時にも言いましたがイカ呪霊便利過ぎんか?
銃みたいに撃つ事も出来るしマシンガンみたいに撃ちまくる事も出来るとかズルくない?
個人的にはあの霊丸みたいに撃つやつめっちゃ好き。
かっこいい。私もやりたい。イカ霊丸。

そんな便利呪霊を駆使した夏油をものともしない伏黒パパの圧倒的感。
最高硬度の虹龍は真っ二つ。
ちょっとおいしそうだった、蒲焼きで食べたい。
口裂け女の領域には恐らくあえて乗った上で「趣味じゃねぇ」と言う粋な返し。
本当にキャラの完成度が高い。
てかこの場所こんなに派手に壊してええんか?天元おこじゃない?大丈夫?

そして背後を取った夏油が武器庫呪霊を取り込もうとして、弾かれる。
ここに関しての説明はなかったが劇場版を改めて見ると「主従関係があると取り込めない」と話していたので、この武器庫呪霊は伏黒パパと主従関係が結ばれていたので取り込めなかったのだと思う。
それをこの時の夏油は分かっていなかったので、取り込もうとして隙を見せてしまった結果返り討ちにあったのだろう。
でもここで「呪霊操術の使い手は死後取り込んだ呪霊がどうなるか分からない」と言う事を知っていて死なない程度にした辺り、本当に腐っても禪院家の人間って感じが出ていて好き。
夏油の頭を蹴って「親に恵まれたな」からの「恵って俺が名付けたんだった」と言う最悪の思い出し方をするまで完璧なクズキャラで本当に完成度が高い。

場面は変わって盤星教。
テーブルの上に敷かれたシーツの上に「星漿体、天内理子の遺体。五体フルセット」って言って出す伏黒パパ本当にクズだよ。
完璧だよ。美しいまでにクズで完璧だよ。素晴らしい。
でもここで教祖と代表の違いが分からないところに禪院家の落ちこぼれ扱いだった事が窺い知れる。
恐らくこの場合の教祖は天元じゃないかな。

ここで代表が喋っている時に壁にかけてある盤星教のマークが入った額縁が傾いているのが良い描写だなと思う。
もう盤星教も終わりですよと言う暗示感があって。
そして時計や数珠等の如何にもな胡散臭い、信者に買わせているであろうグッズを映すのも良かった。
「盤星教ってクソだな同情の余地なし」と視聴者にすぐに分からせてくれる。
そして代表が理子ちゃんの死体をシーツで包む時の「何とも言えない汚らわしい感」が見ているこっちに嫌悪感を抱かせる。
何の罪もない女子中学生の暗殺を依頼しておいてなんだその態度はと思わせるのに十分過ぎる扱いだった。
また代表は代表で結局、盤星教の事しか考えていない頭のイカれた奴だと言うのも「星と落ちるのならそれもやむなし」とか言っちゃう辺りにしっかりと出ていて本当に同情の余地がなくて良い。
ここで変に「盤星教の人達も可哀想なんです」とかされないで本当に良かった。
猿は猿のままでいてくれ。

この時に孔が煙草を吸い始めて「とりあえず聞いてみただけで別に興味ねぇよ感」があるのと、伏黒パパが「あいつ頭イカれてんな」って指でジェスチャーするシーンが人間味があって好き。
あと孔はやっぱり伏黒パパと付き合いが長いのか、伏黒パパの意図を察するのが上手いね。
あえて黒井救出を成功させて気の緩みを作った方が良いと判断したのは賞賛に値すると思う。
私も緩んだぞ許さねぇ。

ただ、こんな会話をしているシーンが嫌なくらいにのどかな景色なんだよなあ。
鳥のさえずりまで聞こえてさ。
気持ち悪いくらいにのどかなんだよなあ。
「その金で飯食おうぜ。接待で使ってる店連れてけよ」
「やだよ。お前男には奢んねぇじゃん。お前と関わんのはな、仕事か地獄だけって決めてんだよ」
のどかな景色の中で平和な会話をしているのが気持ち悪い。
この二人のビジネスパートナー感良いよねとか、伏黒パパって女には飯を奢るんだふーんクズじゃんとか、言いたい事はあるのに静か過ぎて吐きそう。

そして神々し過ぎる太陽。
「よう。久しぶり」

あっ、五条やっべぇって私でも分かる最高の演出。

ここでガチで吃驚した顔をしている伏黒パパが良い。
でもそりゃ吃驚もするよな。
喉ぶっ刺して血まみれにした男が目の前に立って「久しぶり」とか言ってきたらそりゃ吃驚する。
「久しぶり」って言葉も良い。
ぶっちゃけほぼほぼ「さっきぶり」なのに「久しぶり」って言ってくるの、得体の知れない恐怖がある。
「反転術式か」に対する「正解!」の言い方凄かった。
「正解っ!」とか「正、解!」とか「正っ!解っ!」じゃなくて「正!解!」って感じ。
プロってすげぇなあ。
「俺も今まで出来た事ねぇよ」とハイになってペラペラと喋る五条の声が本当にハイになっている声で最早怖い。

「そうか?そうだな。そうかもなあ!」
ここのハイ感凄い。
「お前本当に味方か?敵じゃね?」と言いたくなるくらいに最高にハイってやつでしたね。
笑いながら空に浮いている姿とかもう完全に敵だしバケモノ。
あと「赫」の言い方が凄かった。いやマジで凄かった。
「赫!」とか「赫ァ!」みたいなのを想像していたんですよ、だって五条ハイになっちゃってるし。
そしたら囁くような「赫」が来てもう吃驚。
プロってすげぇんだ。

ただその赫をいくら天逆鉾でガードしたとは言え、食らっても五体満足でいる伏黒パパは本当に何なんですか?
フィジカルが最強にも程がありませんか?
マジで何でこいつ追い出したん?禪院家アホなんか?
ニュートラルな無下限術式、順転蒼、反転赫を「全て問題なし」と言ってしっかりと準備運動する余裕すら見せているこいつを追い出すとか禪院家アホなんか?アホなんやろ?
でもここの準備運動中の伏黒パパの体の描き込み具合にスタッフの性癖を感じた。
伏黒パパをエロい目で見ているスタッフ、いるな?
怒らないから素直に手を挙げなさい。

「全て問題なし」「殺す!」
とは一切違う声色で突如お出しされる「違和感」。
戦闘している自分とそれを俯瞰している自分が同時に存在して、俯瞰している自分が「違和感」と呟いているような声。
視聴者が「え?何?何が?」と気を惹かれるのに十分過ぎるくらいの声。
マジでプロってすげぇんだなって驚かされるばかりです。

からの優雅なBGMと神々しい映像と「ごめん天内」をお出しされる視聴者の気持ち考えて。
この神々しさが五条の「俺は今お前の為に怒ってない」と「誰も憎んじゃいない」を際立たせてトドメの「今はただただこの世界が心地良い」を聞かされると、「本当にそう思っているんだろうな」の説得力が凄い。
追い打ちの「天上天下唯我独尊」の声なんてもうイキってるのにイキってないけど確かにイキってるみたいな訳の分からない感想を抱くレベル。
「茈」の言い方ももうこっちの頭がバグってくる。
声が殺し合いしている声じゃないのが、最強になった五条悟をしっかりと表していて素晴らしい。

でもね、五条はこの世界を心地良いと思っているけど、それって夏油の真逆ですよねぇ…。

蒼と赫が混ざって茈の水滴になる表現は個人的には一期より好きだし、その茈で空けた穴と目を被せてくる表現もめちゃくちゃ好き。
そして茈を食らってやっと自分の違和感の正体に気付いた伏黒パパが良かった。
普段なら面倒事になる前にさっさと帰るところを、自分を見下した禪院家を見返してやりたくて最強になった五条を倒したくなった、証明したくなった。
だから負けた。
「それは捨てたろ」があまりにも美しくて、本当に何回でも言うが伏黒甚爾と言うキャラクターの完成度の高さに驚かされる。

でも貴方何で茈を食らっても人の形を保って尚且つ立っていられるんですか?
こっわ。

ただ、そんな伏黒パパもあくまで人間だからあんな攻撃を食らえば当然死ぬ。
あんなに強さを見せつけていた伏黒パパも死ぬ。
風に靡いていた髪が死ぬのと同時に止まる表現が美しい。
無情さを感じられて良い。
五条に対して「恵は好きにしろ」と最後に言ったのは伏黒パパなりのなけなしの「親の情」だったのだろうか。

ここでEDが入って「あー…やっぱ地獄の三十分だったわー…」と油断した人、手を挙げて。
私と同じですね!!!

夕日と言うには赤過ぎる空。
もう空の色から邪悪なCパートがくるとか聞いてないよ?
ちゃんと事前に言って?盾が間に合わなくなるでしょうが!
伏黒パパの武器庫呪霊が夏油の目の前を這っている。
それだけで「あの男は死んだ」と判断出来たであろう夏油が、盤星教の施設を歩いている間私はずっと「ねぇやめない?行くのやめない?帰ろうよ!」と騒いでいた。
このアニメ特級呪物なんだから絶対に良い事なんてないんだよ!帰ろうよ!
頼むから!!!

ドアを開ける直前、夏油視点にしてドアに反射する顔を見せる表現良い。
視聴者も夏油と同じ視点でアニメを見られる。
そして開くドア、真っ白な光。

鳴り響く拍手。

ほら!だから言ったじゃん!帰ろうって!
このアニメ特級呪物だから良い事なんてないんだって!
何だよこの穏やかな笑顔でずっと鳴り響く拍手!
この穏やか笑顔が本当に気持ちが悪い。
そして気付いてしまったね。
OPの拍手、これじゃね?と。

はあーーーーーー!!!???
マジでどんな気持ちでこの猿拍手をOPに入れた訳!?
人の心とかないんか!?
なかったわこのアニメ!!!

理子ちゃんを抱える五条を見て「悟、だよな…?」と問いかける夏油を見ると、それだけ覚醒五条は「変わってしまった」のだろうと思う。
あとここでも夏油の真面目さが出ていたよ。
「私は問題ない。いや…私に問題がなくても仕方ないな…」
こんな事高校生に言わせるなよ。
確かに非はあったが、今回の件に関してはあまりにもイレギュラーだったし非は夏油と五条のみならず天元にも高専全体にもある。
夏油がひとりで背負う必要はどこにもないのにこのセリフである。
夏油って根は凄く優しくて真面目な人間なんだろうな。
だからこそ闇堕ちしてしまう訳だが。

でもここでの五条の返しも悪かったとは思う。
「俺がしくった。お前は悪くない」
これ程残酷なフォローがあるだろうか。

五条からしたら「あの男は俺に任せろって言ったのに俺が負けたせいでお前の所に行かせてしまった。だから俺が悪くてお前は悪くない」と言う思考だと思う。
だが冷静に考えずとも物理的にあの瞬間理子ちゃんの側にいたのは夏油なので「だが理子ちゃんの側にいたのに理子ちゃんを守れなかった私が悪い」と言う思考も正しい。
つまりどちらも悪いのだから「俺ら、しくっちまったな」が最適解だった。
それを「五条ひとりの責」だと言ってしまった為に、夏油は突然親友が遠い遠い場所に行ってしまった感覚になる。
「だってお前の方が弱いじゃん」と言われたも同然だ。
そんなつもりはなくてもそう解釈されてしまいかねない。
言葉の難しさを叩きつけられるシーンですね。

「傑、こいつら殺すか?今の俺なら多分何も感じない」も「多分本当に何も感じないんだろうな」と思わせる最高の演技だった。
もしここで「そうだな悟。こんな奴ら殺してしまおう」と言っていたら、日本と言う国としては最悪の結果になるだろうが二人の関係は壊れないままでいられただろう。
最強の呪詛師コンビが誕生していたが、最早その方が幸せだったのかもしれない。

「いい、意味がない」「ここにいるのは非術師の信者ばかり」「じき解体される」
そう言って五条に「目の前のクズ達を殺さない理由」を口にしながらも目が泳いでいる夏油のこの目の泳ぎ方がリアルだった。
果てしない動揺とその動揺を抑え込もうと必死の目の泳ぎ方。
五条に言っているようで恐らく自分に言い聞かせているんだろうと想像させるに容易いくらいの泳ぎ方。
自分の中で必死に「非術師を殺してはいけない理由」を探し回っているのが手に取るように分かって見ていてしんどい。

「意味ね。それ、本当に必要か?」
「大事な事だ。特に術師にはな」
こんな事を言いながらも夏油の足元は黒く歪んでいくのが、「あっどうしようもねぇ沼に落ちたな」と分かるからもうしんどい。

そして次回予告がEDを挟んでではなくCパートから直接だったのも良かった。
「意外な一面って慣用句を考えた人は人間を立体だと思っていて、薄っぺらいって悪口を考えた人は人を平面だと思ってたのかなあ。どちらにせよ裏と表はあるんだね
この意味深家入からの「次回、玉折」はもう火の玉ストレート過ぎるよ。
人の心とかないんか???

ちなみに録画も見たので翌日OPの猿拍手で無事吐きそうになりました。


五話目を見終えた時点での私「人゛の゛心゛と゛か゛な゛い゛ん゛か゛!?」


もちろん今回もリアタイした。
無事死んだ。

今までと違って即OPから始まる辺りに嫌な予感がしまくる。
もうこの青春ぎゅぎゅっとOPがきつい。
本当に人の心がないOP過ぎる。

前回の一年後からのスタートは驚いたが、開始直後からすでに夏油の顔が死んでいるのでお察し。
おまけに家入と五条は光が当たる場所にいて、夏油だけが影にいる描写つきである。
本当に人の心ねぇなこのアニメ。

「悟は最強になった」ってどんな気持ちで言わせているんだよ。
五条が最強になった事と三年生になった事を含め、ひとりで任務に行く機会がお互いに増えてしまったのはもう本当に最悪。
二人で任務に行く機会が多ければまだ救いはあった。
多分。

「傑?ちょっと痩せた?大丈夫か?」
と五条が声をかけているが視聴者としては「大丈夫に見えるのか?」と聞きたくなる。
ただ夏油の性格を考えると「大丈夫」と言いそうなのも分かるので、周りとしてはどうしようもないのも理解出来る。
蝉の声が嫌な夏を強調してきて本当に嫌になるね。

ここでひとりで任務に行く夏油に場面が切り替わり、一話冒頭の独白シーンに繋げる。
この中でブレた猿拍手が挟まってきては「誰の為に?」が重くてきつい。
ブレているのが良い。
あの光景は夏油にとってあまりにも強烈で、だからこそ忘れたくても忘れられないのがよく伝わる。

そして一話目で後回しにした分ここで言いたい、「周知の醜悪」と言う言葉が私は凄く好きだ。
人間生きていれば他人の不幸を願ったり喜んだり笑ったりする事は大なり小なりあるだろう。
そんな事は人間誰しもが知っている。
人間にはそう言う醜い部分があると人間誰しもが知っている。
つまりそれこそが周知の醜悪。
夏油もきっとそんな事は当然分かっているはずだ。
一般家庭から生まれたのだから、無邪気な子供の邪悪さだって知っているはずだ。
だからこそ「私が見たものは何も珍しくない周知の醜悪」と言うセリフが出てきて「知った上で私は非術師を守る選択をしてきた」となる。
だがあの日夏油が見てしまったものは、夏油の中にある周知の醜悪のものさしを大きく逸脱したものだったのだろう。
逸脱していたからこそ理解が出来ずおぞましく、それ故に頭から消し去る事が出来ない。
そして自分の中にあるものさしを疑う事で心がブレ始める。
こうなってしまうと「クソもいればクソじゃない奴だっている」と言う当たり前も分からなくなってしまう。
だってクソが頭から離れないから。
まともな人間も「実は一皮剥いたらクソなんじゃないか」と言う疑念が残り続ける。

だからこそシャワーを浴びながら、口にすまいとしていたものがついにこぼれてしまったような「猿め」が重くのしかかってくるんですよ。
多分口にした瞬間から夏油の中で「非術師は猿だ嫌いだ」が加速していったと思う。

てかこのシャワーシーンが本当に見ていて「うっわ…きっつ…」となるんでしんどい。
イケメンキャラのシャワーシーンですよ?
サービスシーンのはずじゃないですか。
何だこの陰鬱さ。
もう水の音なのか猿拍手の音なのか見ているこっちも分からなくなってくるし、「頼むから早くこの音止めてくれ!」と思った。
そして徐々に徐々に音を上げていってからぴたっと音を止めての「猿め」よ。
この、水の音なのか猿拍手の音なのか分からなくなるのも、頼むからこの音を止めてくれと思うのも、多分あの日から一年間夏油が感じ続けたものなんだろうな。
本当にぞわぞわしたわ、音が上がっていく時。

また場面は変わって自販機の前。
今回は場面の切り替わりと展開が速かった印象。
まあこれについても後で思うところを語りたい。

沈みきった顔の夏油の隣に底抜けに明るい灰原を置くのは人の心がなさ過ぎる。
からの「明日の任務、結構遠出なんですよ」は、古のオタクとして察するものがあるぞ。
だってお前現代にいねぇじゃん!つまりそう言う事!!!
でもここで灰原にお土産は甘いのかしょっぱいのかと聞かれて「悟も食べるかもしれないから甘いのかな」と返す夏油、お前ほんとさあ…!
ずっと他人の事ばっかり考えてるなあ!!!
あとここで「悟も食べるから」ではなく「悟も食べるかもしれないから」と言う言葉のチョイスに、あの日を境に変わってしまった二人の絶妙な距離感を感じ取りました。

「呪術師やっていけそうか?つらくないか?」
この時の夏油の声の優しさ具合、凄かった。
多分本当に灰原を気にかけているし、尚且つこの問いかけは自分に対してもなんだろうな。
だからここで「自分に出来る事を精一杯やるのは気持ちが良いです!」とまっすぐに返されて一瞬目の光が戻るんだよ。
「そっか、それでいいんだ」みたいな感じで。

だがしかしこの特級呪物アニメに救いはありません。
最悪の一押しをしに、青少年に性癖の開示を求めながら九十九がカットイン!
頼む帰ってくれ!頼むから!今すぐにだ!!!
ハウス!!!九十九ハウス!!!

いや、分かっているよ?
九十九に悪気はなかったし、ちょっとした雑談をしたつもりだろうし、落ち込んでいるからちょっと慰めにでもなれば程度の気持ちしかなかった事くらい。
私も古のオタクなんで分かりますよ。
でもね、貴方が接しているその相手はメンタルがぼろぼろな事を置いておいたとしても「まだ高校生」なんですよ。
子供なんですよ。
言葉は選びましょうよ。

呪霊は非術師からは生まれない事は今の夏油には言ってはいけない事。
非術師がいない世界と言う希望を与えてしまった。
非術師を殺す事に意味を与えてしまった。
本当に言葉って難しいね、人間って難しいねって分からされるね。

でもここでおさらいをする時に背景の窓をスクリーン代わりにした演出は好き。
二話の時もそうだが、画面全体を使って過去映像を流すおさらいはしない辺り本当にお洒落だと思う。
でもさあ!何で夏油の前で伏黒パパを褒めちゃうのかなあ!!!
「負けた事を恥じなくて良い」までは慰めの範囲だよ、良いよ別に。
「惜しい人を亡くした」はアウト!はいアウト!
相手!未成年!言葉!選んでーーー!!!

からの「非術師を皆殺しにすれば良いじゃないですか」に対する「それはアリだ」はもう一発退場レベル。
それ危険球です!退場!!!
まあ九十九は深く考えずに言ったからこそ「むしろそれが一番イージーだ」とかまだダメ押しをしてくる訳ですが。
ここでまた雨なのか猿拍手なのか分からなくなる音を入れるの、最高に悪趣味ですね好きです。
だが実際問題、全人類から呪力をなくすよりも全人類を術師にするよりも、非術師を皆殺しにするのが一番イージーな事は確か。
だからこそ「九十九は深く考えずに雑談をしているだけ」なのもよく伝わるのだがな。

でも「私はそこまでイカれていない」では済まないレベルの失言になってしまったのが本当に最悪のピタゴラスイッチって感じ。
「非術師を見下す君」で非常口を指していたのは「どうしても折り合いがつけられないなら術師を辞める選択肢もある」の暗示だったんだろうとは思うが、結果として一番最悪な形での非常口に向かってしまいましたね…。
「どちらの本音を選ぶかは君が選択するんだよ」も最悪な形で選択させてしまう事になりましたね…。
全部ダメな方向に行ってて草!
草…。

そして追い打ちの「天元は安定しているよ」が来た時はもうテレビの前でクソデカ溜め息吐いた。
夏油の何とも言えない「でしょうね」がしんどいわ。
だって今天元は安定していると言う事は、理子ちゃんが死んだ事も理子ちゃんが今まで星漿体として生きる為に我慢してきた事も全部意味がなかったと言う事になる訳で。
そりゃあ目の前で理子ちゃんを殺された夏油からしたらやるせないのも当然だが、九十九はそんなもんは知ったこっちゃないのも当然で。
これに関しては九十九は恐らく善意百%で言ったのだろう事が想像出来るのが余計にきつい。
人間ってままならねぇなーーー!!!

でも夏油を追い詰める為のピタゴラスイッチはまだ終わってねぇんだよ。
任務に行った七海と灰原が帰って来ました!
七海だけでな!!!
何で…?ねぇ…人の心とかないんか…???

灰原の下半身ないじゃん…ねぇ可愛い後輩が上半身だけになって帰ってくるとか誰が想像するの…?
七海の「クソ!」が今とは違う若さと行き場のない怒りに満ちていて最高なんだが、展開があまりにも胸糞過ぎてついていけなくなってきた。
夏油の目の隈もめちゃくちゃ酷くなっていて、普段ろくに寝れていない事が窺い知れる。
いやきっつ…。

自分がそんな状態なのに「今はとにかく休め七海」と声をかけられる夏油本当に良い奴。
そしてこのシーンを見て本当に夏油は皆のフォローをする側の人間なんだろうなと思い知らされる。
「仲間の屍の山だとしたら」と言った時も「仲間」と言っている辺りにそれがよく出ている。
ねぇ、そんな夏油のフォローは誰がするの…?
誰もしないから闇堕ちしちゃったじゃないの!

まあ高校生の歳の男の子が簡単に周りに「助けて」なんて言えないだろうし、夏油の性格と立場を考えればそれは尚更言えないだろう事は想像に容易い。
本人は絶対に「大丈夫」と言うだろうし、今までの信頼もあるから周りもその大丈夫を信じる。
信じられているから余計に大丈夫と言わざるを得なくなる。
夜蛾辺りの大人が気付いて、本人がどれだけ大丈夫だと言ってもひっぱたいてでも本音を言わせるべきだったが、夏油本人も周りの皆も「夏油傑はまだ未成年の子供」だと言う事を分かっていなかったんだろうな。

高専にカウンセラー置けよ!!!
この夏油を精神科に連れて行ったら絶対にうつ病か適応障害の診断下るぞ!!!

そして起きてしまった事件。
夜蛾が報告書を眺めているシーンから入るのが好きな演出でした。
村人の声が終始こもっているのが良かった。
もう夏油からしたら聞きたくもない猿の喚き声なんだろうなと言うのがよく分かる。
ミミナナに「黙りなさいバケモノめ!」と言っているのが最高に気持ち悪くて「貴方達の親もそうだった!」「あー、ずっとこうやってきたんだな」と伝わるから視聴者も夏油と同じ気分になる。
「猿だ。こいつらは猿だ」と思える演出。最高。吐きそう。
猿には見えない呪霊を出して「もう大丈夫」とミミナナに伝えているのを影で演出するのも好き。
二本あったろうそくが一本消えて「皆さん、一旦外に出ましょうか」の瞬間に「見下す本音を選択した」のが分かりやすいのも好き。
二重になっていた夏油の影もひとつになるのも最高に好き。
高専のボタンが落ちて、もう戻らない選択をしたんだなってなるの素晴らしい。

この時に猿の叫び声と共に燃え上がる炎が青いのも本当に人の心がない演出で好き。
吐いていい???

からの報告を聞かされた五条の「は?」が完璧だった。
本当に何を言っているのか理解が出来ない、頭の中が一瞬空っぽになった瞬間の「は?」だった。
そして「な訳ねぇだろ!」がマジギレで、空っぽになった頭が一瞬で色んな思考でいっぱいになった感じが出ていた。
いや、プロってすげぇよほんと。
この時に夜蛾が「俺も何が何だか分からんのだ!」と言っているのは「お前マジか…」と初見時に思いはしたが、先に言ったように夜蛾も含めて皆が夏油を大人だと思い過ぎていたのだから仕方がないか。

ただ真っ先に親を殺しに行く辺り本当に夏油の真面目さが出ているね。
五条との会話シーンで「親だけ特別って訳にもいかないだろ」と言っていたが、別に特別でも良いしそれでも何とかなるだろうけど、それじゃ許せない真面目で潔癖なところがよーく出ていた。
あと親を「あの人達」と言っていた辺り、恐らく親との関係は良好だったと推察出来るのもきつい。
多分良好でなければ「あの猿達」って言うと思うんだ。
でも「人」って言う辺りに「非術師だから殺すけど恨みはないし何なら悪いと思っていそう感」が出ていて、きっついわ…。

そして家入の所に現れた時の夏油の「や」の声の明るさとなくなった目の下の隈な。
完全に振り切れたと言うか、非術師を見下す方に舵を切る事で一旦は精神の安定を取り戻したんだろうなと分かるのが余計にきつい。
この時に家入が「犯罪者じゃん。何か用?」と普通に接しているのは家入なりの強がりに思えた。
五条と夏油の間に見えない溝が出来たのと同じように、家入のと間にも見えない溝が出来たんだと思う。
そして五条と夏油がお互いに思っている事を言わない関係になったら家入には尚更言わないと思う。
だから家入は五条以上に夏油から離れていて、でもそれをどうこう言ったって「どうせ夏油は私にも何も言わない」と分かっているから距離を詰める事も出来ない。
夏油の事件は完全に蚊帳の外で本当に意味が分からないからこそ、それを表に出さずに普段通りに接したのではないかと。
もしここで夏油の考えに「意味分かんねー」ではなく「あー、それいいね分かる」とか返していたら何か変わっていたのかもな。
まあ原作未読勢の考えなんで適当に流してね!!!

夏油を見つけた五条が「意味のない殺しはしないんじゃなかったのかよ」と聞くのはしんどいね。
「意味はある。意義もある。大義ですらある」とか返してしまう辺りにもう二人の関係がどうしようもない感が出ているけど。
あと個人的にはここの色の薄いモブと色が鮮明な二人の描写。
そして言葉を遮るように通り過ぎる車の音の演出は好き。

五条から見ても別にモブに興味なんてないし夏油から見てもモブは猿だから興味がないと言うのが分かるし、車の音はもう五条の声は夏油には届かないみたいな風に感じられる。

「最強だから五条悟なのか、五条悟だから最強なのか」
夏油のこの言葉は「どうして君はあれを見てもブレずにいられるんだ?最強だからか?」みたいな風に解釈した。
「同じ経験をしたのにブレた私とブレない君、どうして?」みたいな。
あとは「最強になった君には私の考えなんて分からないんだろ」みたいなのも感じたかな。
「もうあの頃の私達じゃないんだ。私も君も」みたいな。

そして「もし私が君になれるのなら、この馬鹿げた理想も地に足がつくと思わないか?」は「どう足掻いても私は君のようには(最強にもブレない人間にも)なれない」と言う風に解釈した。
五条への劣等感と言うより、夏油自身も「五条は別格の存在」として認識していて嫉妬とか劣等感の感情を向ける存在ではなくなったのかなと。
「人間が神様に劣等感を抱いていたらおかしいだろ?」みたいな。

「生き方は決めた。あとは自分に出来る事を精一杯やるさ」は灰原の影響なんだろうなと思うと、きっついわあ…。

とっさに茈を打とうと構える五条と人混みに消えていく夏油。
「殺したければ殺せ。それには意味がある」
親友にこんなん言われて茈を打てる程五条は人間辞めてねぇんだわー!
「俺だけ強くてもダメらしいよ」
あの五条にこんな事を言わせられるのは本当に夏油だけなんだろうな。
ちゃんとオレンジ色した夕焼けが綺麗ですね。

「俺が救えるのは他人に救われる準備がある奴だけだ」
おっもい言葉…。
でも現実でもそうだよなと思う。
他人がいくら「助けたい」と言っても本人に助けられる気がないのであれば何を言おうとしようと、意味がないんだよね。

次のシーンでは夏油が袈裟を着て盤星教を自分のものにしようとしているシーンで一番吃驚したのは「孔さん手広くない?」でした。
この仲介人、何でも出来るぞ。
「本当にその格好で行くのか?」
「いいだろう?ハッタリは大事だ」
この辺りの会話でもう劇場版の夏油の話し方になっているのが、しんどいですねぇ…。
夏油の声が明るいのが逆にしんどいんですけど。

でも「園田さん!そう、貴方です」で潰された猿が初見では理子ちゃん暗殺依頼をしたあの代表だと分からなかったが、分かると「まあこいつらはどうなってもいっか」と思えるので良し。
盤星教が徹底してクズに描かれていたので「ダメだよ夏油くん!可哀想だよ!」とかこちらが思う余地もないのが唯一の救い。

「猿は嫌い。それが私の選んだ本音」
はあー…重いなあ…。
でも「私に従え猿共」はかっこよかったです。
ちょっと猿になりたい。

そしてショタ恵に会いに行った五条が「僕に置いて行かれてないくらい」と強くなるのを求めて、五条の夢が覚める。
夏油を置いて行ってしまったと言う自覚はあるのかもしれない。

ここにくるまで今回は作画が変わったなとか展開が速いなとか思ったのだが、OPに繋げるように五条の夢だったと言うオチにする事で納得がいった。
作画が変わったのは五条の夢が覚めかけている事と、あとは五条的に明確に思い出したくはない事だからと言う演出と解釈した。
展開が速いのはそれだけ夏油への最後の追い込みが夏油の体感では素早くやって来たのかなと。
まあ、なんだか賛否両論になっているらしいのであくまで私の意見だが。

そしてEDに流れていく訳だがこの流れでEDをどう聴けと?

「僕の善意が壊れてゆく前に君に全部告げるべきだった」
「仕方がないと受け入れるのならそれまでだって分かっても何だか割に合わないの意義がないなんて」

どんな気持ちでこの歌詞を聴けと?

「どこにでもあるような事がここにしかない事に気付く」
「くだらない話でも良くて」
「赤らめた顔また見せて」

「これは夏油の周りから夏油に向けた歌詞です」と聞かされた上でこの流れでどんな気持ちで聴けと???

人の心とかないんか???

あと改めてOPを聴いて死にそうになったぞ。

「今でも青が棲んでいる」
「今でも青は澄んでいる」
「どんな祈りも言葉も近付けるのに届かなかった」

殺す気か???
オーバーキルだぞふざけんな。


以下、過去編を全話見た上での劇場版とOPとEDについての小さい感想。
めっちゃ短いよ!


劇場版を改めて見て思った事まとめ

乙骨に「ひとりは寂しいよ」と言う五条。
 →夏油がいなくなってひとりで最強になったから?
「高専時代のブラフをまだ信じているとは」
 →実は主従関係があっても主を殺せば取り込める
 →それを高専時代から言っていない、言う関係ではなくなった?
「夏油と言う呪いを祓う!」
 →そっといなくなる家入。聞きたくなかった?
「とか言ってるんだろうなあの脳筋学長」
 →理解度が高い。嫌ってはいない証拠
完全に振り切れた夏油
 →フリも入ってそう
 →猿嫌いを演じてなきゃいけない
「高専の皆まで嫌いだった訳じゃない」
「この世界では心から笑えなかった」
 →猿拍手がやっぱり消えないのか
「親友だよ。たったひとりのね」
 →あの別れ方をしてもまだ親友って言えるのすご
ミゲルつっよ


OPとEDの映像を見て思った事まとめ

・OP
寝ている五条とふらつきながら歩く夏油(多分)
タイトルロゴが出た時に飛んでいる鳥は二匹。
神社っぽい階段を上る七海と灰原
 →土地神の任務?
どんな気持ちで猿拍手入れたん?人の心とかないんか?
歩いている伏黒パパ
 →高専結界を越えるところ?
「永遠の底に」で沈む理子ちゃん
 →死亡暗示?
「今でも青"が"棲んでいる」「今でも青"は"澄んでいる」
「どんな祈りも言葉も近付けるのに届かなかった」
 →無下限?夏油に気付けなかった事?
「無限に膨張する銀河の星の粒のように指の隙間をこぼれた」
 →夏油を救えなかった事への後悔?

・ED
傘さし五条
 →一期では無下限で傘なしだった
「告げるべきだった」で夏油を映す
白い二匹の魚が一匹黒くなる
鳥は一匹だけ
「意義がないなんて」で目を閉じる夏油
白い魚が通る、目が水色
「赤らめた顔また見せて」
 →死んだ顔の夏油じゃなくてあの頃の夏油?
二つに分かれた道
五条を離す夏油


視聴中の阿鼻叫喚つぶやきまとめ

この記事の最終的な文字数は二万を超えているのでちょっとした短編小説レベルで笑う。
あとこの感想をまとめる為にアニメを見返しながらメモを取っていた。
絶対に本気出すところ間違えてる。

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