【韓国ドラマ感想】ハイクラス～偽りの楽園～

やっとハイクラスを見終えたので、個人的な感想を書き留めておく。

※以下ネタバレあり。

おすすめ度　☆☆
ドヨンを主人公にした大人のラブコメの方が面白いと思う。

最終話まで見た感想を一言で表すなら、上記に尽きる。
ぶっちゃけて言うと、ドヨンみたいなタイプはとても苦手。
馬鹿で衝動的で感情的でプライドエベレスト。
その条件で飾り立てられた人間を好きと言う人の方が少数派だろう。
ただ、本作でもっとも成長した人物でもある。
その成長した姿を見て、「サスペンスじゃなくてラブコメで良かったんじゃね？」と思った。

休業中ながらも自分が女優である事に高い高いプライドを持ち、旦那の金でハイブランド三昧のくせに、イケメンシェフと絶賛不倫中。
ここから色んな出来事を経て、金を自分で返済する強い意志を持ち、旦那にはさよならを告げ、不倫相手から言い寄られようともきちんと突き放し、息子を連れソウルでヨガのインストラクターになる。
もうこいつが主人公で良いよ。
主人公であるヨウルが悪いとは言わないが、最後まで見たらドヨンに負けているのよ。
それくらい、本作随一の成長ぶりを見せていた。
マジでドヨン主人公の大人のラブコメで良かったんじゃないか……？

とまあ、それは一旦置いておき。
きちんと本筋を語ろう。

物語は主人公・ヨウルが子供を連れて、済州島にあるインターナショナルスクールに通うところからスタートだ。
なので基本的にママ友合戦が盛りだくさん。
女の悪い部分の煮凝りみたいなものがたくさん出てくる。
個人的にはやたらと英語喋れるアピールでルー語みたいな喋り方をするママ友が本当に嫌で、一周回って笑いながら見ていた。
「アニョハセヨ～、あらその服so cute～！」みたいな喋り方。
キッツと思うが、いるいるこう言う女。
韓国ドラマの本当に良いなと思うのが、誇張されてはいるものの「いるわ～こう言う奴いるわ～！」とちゃんと思える塩梅だ。
その真骨頂みたいなものをこのママ友から感じた。
イーッ！解像度が高いーッ！虫唾が走るーッ！

そしてインターナショナルスクールが舞台なので、当然子供もたくさん出てくるが、まあ出てくる子供が揃いも揃って、イーッ！ってなる。
お金持ちしか通えない学校の為、子供達も皆裕福の極みである。
そして子供の純粋さと金持ちの悪い部分が重なり、彩度を上げて視聴者に殴りかかる。
「何この給食！こんなの食べれないわ！レストランに行きましょ！」なんてセリフを小学生が吐くんだぜ。
こんなにも素早く的確に「こいつの親はクソ」を叩きつけるシーンが、本作にはたくさんある。
貧乏人には厳しいドラマかもしれない。
私はつらい。

そして本作のメイン「何故ヨウルの旦那・ジヨンは消えたのか？」についてだが、期待を大きく下回った。
と言うより、後半からサスペンス面においてはとても質が下がる。
展開の雑さ、強引さ、説明のなさ。
色々なものが後半に来て急に質を下げてきた。
なのでそこへの満足感がないが故に、ドヨン主人公ラブコメ見てぇになる。

そして個人的にはジヨンが何故自分の死を装ったのか、何故ナユンとも結婚していたのか、その辺りの設定の薄さがとても引っかかった。
結局は金が欲しいだけ、気に入った女がいたから結婚しただけの、ただのクズだったのが本当に残念。
これなら実は二重人格でヨウルと結婚したジヨンと、ナユンと結婚したジヨンは別人だったとかの方がまだ良かった。
ただ、ナユンに「私に罪悪感とかない訳！？」と言われて、凄く雑に「罪悪感？あー、考えてみたらあったかもな」と言うのは清々しくて好き。
この、絶対に罪悪感なんてないわと分かりきった声色で、「考えてみたらあったかも」と言うクソ雑さは、「ない」とか「ある訳ないだろ」とか言うありきたりな返答よりめちゃくちゃ好き。
そもそも「考えてみたら」の時点で「今まで考えた事もなかったわ＝罪悪感なんかない」の意味だからな。
好き。

余談だが、主人公・ヨウルについてひとつ思う事がある。
ヨウルって絶対に共感性が低いタイプの人間だよな。
嫌味とは言え他人から「今度時間があればゴルフに行きましょう」と言われて「あっ、私ゴルフ好きじゃないんで」と答えるのシンプルにヤバイ女だろ。
しかもヨウル自身は嫌味を言われている事に一切気付いていない、シンプルにゴルフに誘われたと思ってこの返しをしているの本当にヤバイ女だろ。
共感性が低い私でもここは「あっ、そうですね～(ゴルフ興味ねぇ～)」って答えるぞ。
小さな島で子供の通う学校のママ友なのに、馴染もうと言う気が一切感じられない。
絶対に都会に住む方が向いているよこの女。

・総評
後半の雑さに耐えられるなら、前半のサスペンスは面白い。
あと基本的にはママ友どろどろ合戦を楽しむドラマ。

ただ金持ち自慢描写は多々あるので、それが耐えられない人は見ない方が良い。
私はダメージを負った。