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仕事する上で大切な事 パート2

さて、前回に引き続き、新入社員説明会で話をしたエピソードトークです。

エピソードを通じて、私が所属する品質保証部がどんな仕事をしているのか知ってもらえれば良いなと思った事と、どんな職種につこうとも、一生懸命に仕事をするという事は通じるところがあると考え、仕事で苦労した事のエピソードを話する事にしたのでした。

「部署で一番になる」という目的を掲げながら、これまで仕事に励んだ結果、現在私はメンバーの半分が年上の部下という形で、品質保証部の長を務めています。私の夢(目的)は叶ったのです。

前回は、なぜなぜ分析を実施するために、部品倉庫部門との熱い闘いを繰り広げました。今回は、5ゲン主義を徹底せよというエピソードです。

それでは参りましょう。


エピソード2:5ゲン主義を徹底せよ!!

製品には様々な部品が組み込まれています。
仕入先から購入した部品に不具合が起きると我々はそれを回収し、
仕入先のメーカーで詳細調査をするというのが、品質保証部の仕事のひとつでもあります。

皆さんは5ゲン主義という言葉をご存知でしょうか?

5ゲン主義とは

5ゲン主義とは、ものづくりのメーカーでよく使われる言葉で、
真の原因を追究する時に、次の考え方にならえという事です。

場に出向き、物を手に取り、実を踏まえて、理・則に基づいて原因を追究する

これら5つのゲンを取って、5ゲン主義という考え方になります。

不具合発生

ある日、部品が動作不良を起こしたとお客様からご連絡頂きました。
我々はすぐに代替部品を用意し、現地で部品を交換し、持ち帰った後に
メーカー調査を実施したのでした。

数日後

メーカーから回答がありました。
どうやらお客様のご使用方法が誤っているとの事でした。
我々はお客様にその旨をお伝えしました。
キチンとお伝えしたおかげで、お客様にもご理解頂き、お客様のご使用方法を見直して頂く事となりました。

しかし、その数週間後
また、同じ不具合が発生しました。

あれ?前にも発生したよな?と半信半疑で、すぐに代替品を用意し
不良品をメーカー調査に出しました。

すると、その数日後

先日と同じメーカー回答があり、お客様のご使用方法が間違えているという
回答でした。
私は、「そんなはずはない!以前にお客様にお伝えし、ちゃんとご使用方法は見直してもらっている!」と言い返しましたが、メーカーの営業マンは「そう言われましても、現物を確認した結果、ご使用方法に誤りがあるとしか読み取れない結果でした。」と言われてしまいました。

仕方なく、もう一度お客様にご使用方法についてのご説明を行い、
お客様も
「確かに1度や2度は、誤った使い方をした可能性もゼロではないな」
・・・
なんとか、その場は納める事ができました。

が、しかし、さらにその翌週に再々度、同じ不具合が発生。

私としては、これ以上は限界でした。
すぐにメーカーに連絡し、今すぐ工程を見せてください!
必ず工程の中に何か真の原因が潜んでいるはずです!!

工程監査

我々は普段、定期的に仕入先監査というものを行います。
通常であれば、1カ月ほど前に連絡を入れ、仕入先側で受け入れ態勢を整えた後に行うのが常です。

しかし、今すぐに工程を監査しなければ、次々に不良品が我社に納入されているかもしれない!という思いで、今回は譲れませんでした。

メーカーの営業マンは何とか私が乗り込んでくるのを阻止しようと
あの手この手で言い訳をしてきましたが、私は引きませんでした。
「5ゲン主義を徹底する必要があります。今すぐに工程を見せて下さい!」
確固たる思いでした。

そして、何とか3日後にそのメーカーの工程を監査するという状況に持ち込んだのです。この時も私の中にあったのは、「部署で一番になる」という目的に対しての決心でした。

監査当日、メーカーは厳戒態勢でした。
私一人に対して、8人もの人が会議室に集まりました。
それも担当者は2~3人で、技術執行役員から、製造部長など
そうそうたるメンバーが会議室に集いました。

会議室で議論を行い、そこで立てた仮説に基づき工程を監査する。
これの繰り返しでした。
原因究明は10時間に及びました。

そして、ついにひとつの原因にたどり着いたのでした。

真の原因

それは拡大鏡で100倍にして見ないと分からない
極々わずかな部品同士の圧痕でした。
この圧痕のために、部品が動作不良を起こしていたのです。

そして、それは工程にある加圧装置の中心がズレやすい作りとなっていた事が原因とだったのです。

すぐに加圧装置の中心を揃える治具の製作計画を練り、
長い長い監査は完了しました。

それ以来、その不具合は2度と起こらなくなったのでした。

このように、真の原因を追究するためには、
場に出向き、物を手に取り、実を踏まえて、理・則に基づいて原因を追究するという5ゲン主義がとても大切な事が分かったと思います。


さて、これまで2つのエピソードを通じて、新入社員に対して、
如何に目的を持つ事が大切かを伝えました。

私の場合は「部署で一番になる」という目的から、様々な場面で
妥協せずに仕事に取り組む事ができたのです。

いよいよ次回 最後の説明に移ります。
私が新入社員へ1番伝えたかった事とは何か。
それを、このnoteに記載します。

パート3へ続く

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