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仕事する上で大切な事 パート1

新入社員全体に対して、部署として、新入社員教育を行う事となりました。

企業で働く方にとっては皆さん同じような教育を受けた経験があると思います。そして、私自身、新入社員教育の座学で学んだ事はこれっぽっちも覚えていません。きっと大半の人が同じなのではないでしょうか?

それもそのはず、まだ大学や高校を卒業したての右も左も分からない状態でいきなり会社とは、部署とは、と言われても頭に入って来ないと思います。

どうせ説明会をするのであれば、組織構成がどうだとか、業務内容がどうだとかは抜きにして、エピソードを語ってあげてはどうだろうかと考えました。

エピソードを通じて、私が所属する品質保証部がどんな仕事をしているのか知ってもらえれば良いなと思った事と、どんな職種につこうとも、一生懸命に仕事をするという事は通じるところがあると考え、仕事で苦労した事のエピソードを話する事にしました。

今回はそんな形で私が行った新入社員教育の中身をご紹介します。
なお、私が本当に伝えたかったメッセージは、パート3に記載します。



新入社員説明会

人は目的を持つ事で、その動き方が変わります。

私は、「部署で一番になる」という目的を掲げながら、これまで仕事に励んできました。そして、現在私はメンバーの半分が年上の部下という形で、品質保証部の長を務めています。私の夢(目的)は叶ったのです。

本日は、皆さんに私のエピソードを交えながら、品質保証部の仕事がどんなものかを知ってもらうと共に、私の部署に配属されない方にとっても、メリットがあるように、仕事をする上でとても大切なメッセージを贈りたいと思います。

まず最初のエピソードはこちらです。

エピソード1:分析が終わるまで私はココを離れない!!

皆さんは「なぜなぜ分析」という手法を聞いた事があるでしょうか?
トヨタで生まれた手法で、ひとつの事象に対して、なぜ?なぜ?と数回繰り返して、真の原因を見つけるという手法です。

なぜなぜ分析の例

例えば、これ。
このライトは電気が付きません。

これをなぜなぜ分析してみます。

まず、事象として「スイッチをONしてもライトが点灯しない」という事が上げられます。

これに対して、「なぜ」と問うと、「電球に一定の電流が流れていない」という事象に変わります。そしてこの事象に対して、また「なぜ」「なぜ」としていく事で、どんどんと事象が分解されていくのが判ります。

こうやって真の原因まで分解していく手法が「なぜなぜ分析」です。

部品倉庫

ある日、部品倉庫で誤った出庫が複数回発生した事がありました。

さすがに工程で何らかのミスを誘発する作業が生じていると考えた私は、部品倉庫の責任者のところへ行き、なぜなぜ分析を求めました。当時はまだ私は平社員でした。

なぜなぜ分析は、先ほど紹介したように、真の原因を追究するための手法で、上手く使えば非常に有効です。しかし、使い方を誤れば真の原因は見つかりませんし、ただただ途方もない時間を費やすハメになってしまいます。だから、現場の方の中には、なぜなぜ分析を毛嫌いする方も居ます。

私が部品倉庫へ出向いたとき、部品倉庫の責任者は現場の作業者へ罵声と共に指示を飛ばしていました。

そして、部品倉庫の責任者は、私を見るなり、煙たがり悪態をついて私を追い払おうとしていました。

というのも、現場は当時 大忙しで、猫の手も借りたいような状況で、部品や伝票がごった返していました。

しかし、少々悪態を突かれたからと言って、私は引き下がろうとはしませんでした。なぜなら、私は品質保証部で一番になると決めていたからです。

私「なぜなぜ分析をする事を約束して下さい!」

責任者「今は忙しいから、後にしてくれ」

私「そうやって、いつもいつも後回しにして、結局やってくれないじゃないですか!?」

責任者「うるさいっ!!邪魔するなら、どっか行け!!」

その後も何度かやり通りが続きました。

けど、結局 根負けしたのは部品倉庫の責任者でした。最後は1週間後の日付けで、なぜなぜ分析をやってくれる事となったのです。

そして、驚いた事に、後日その責任者は品質保証部長にこんな事を言っていた事を聞きました。「あいつには、負けたよ。良い部下を持ったな。」と。

それを聞いて私は素直に嬉しかったです。あのコワモテの部品倉庫の責任者に認めてもらえた事が嬉しかったのを、今でもその時の感情を覚えています。



パート2に続く


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