さかざきまさき

ワタナベエンターテインメント所属。ピン芸人。

さかざきまさき

ワタナベエンターテインメント所属。ピン芸人。

最近の記事

あの約束はどうなった

「さかざき君、本当にありがとね!落ち着いたら5人でご飯行きましょう!ご馳走します!」 2023年10月21日。キングオブコント2023。決勝本番直後のTBSの楽屋で、高橋さん(ゼンモンキーのマネージャー)は確かに僕にこう言った。 1回戦、2回戦、準々決勝、準決勝リハ、準決勝、決勝リハ、決勝、NHK新人大賞予選、もっと言えば昨年、一昨年。コントの音響を担当した僕への労いの気持ちが、確かに言葉となって、空気振動となって、僕の鼓膜を揺らしたはずだった。 あの約束、どうなってる

    • 生きるコツ

      「明日出かけるのに大雨なんですよ…嫌だなぁ…」 そう言ってため息と漏らすと、コメジマンのかなちゃんが、 「私は最近買った新しい長靴履けるから明日の大雨めっちゃ楽しみ。」 と言った。 なるほど。人生ってそうやって豊かにしていく感じなのか…! 僕はいつも、自分の外部で発生する事象による自分への影響に対して一喜一憂してきたけど、発想次第で自発的に"喜"を作り出せるのか。だとしたら人生ってめっちゃ簡単なことなんじゃないか? 全ての"憂"を、"喜"で塗り替えていけばいいだけ

      • 中日 vs 巨人

        いざ東京ドームへ。 中日側の外野応援席に座る予定のため、自分が巨人ファンではないことを周りの中日ファンたちに示す手段としての中日帽子を購入。(¥3600) 入り口の回転扉を逆方向に押してしまい警備員を慌てさせ、変な感じになる。 焼きそば(¥950)を買って着席。 試合開始1時間半前に到着したためスタンドはガラガラ状態。しかし、よりによって僕の隣に既に男性が1人座っており、並んで座って気まずい感じになる。 間もなく試合開始。トイレに行っておこうと思うが、後ろの人の足元

        • 単独ライブを終えて。

          とりあえず新しいフィギュアを買おうと思っている。何を買おうか。 ドラえもんのこの種類のフィギュアは現在プレミア価格で取引されている。買えるとして1体。 闇雲に数だけ増やすわけにもいかない。現在このドラえもん(スタンダード版)とのび太くん(スタンダード版)の2体という状況がかなりの安定感を誇っているため、そのバランスを崩してはならない。しずかちゃんを買うならやはりジャイアンとスネ夫も同時に買わないといけない。 ジャイ子ちゃんや出来杉くんもゆくゆくは欲しいが今ではない。ドラえ

        あの約束はどうなった

          ジムの日

          2019年冬。 たまたま東京に遊びに来た旧友に、今ワタナベエンターテインメントの養成所に通っていること、春からお笑い芸人になるかもしれないことを告げると、かなり興奮気味に喜んでくれた。 将来の夢が見つからなかった小学生の頃の僕は、夢を聞かれると必ず、「お笑い芸人」と答えてその場を凌いだ。 「(陰気なお前が)なれるか!笑」というツッコミを誘導して、真面目な話題をやり過ごすため。 陰気で生真面目で地味で現実的で保守的で、行動力が無くて新学期の自己紹介と日直の日と歌のテスト

          一人で机を組み上げるのに2時間以上かかった。 安物のドライバーがネジに上手く噛み合わず、かなりの力を要したうえ、組み立て途中、どう考えても手が3つ必要な場面が現れたり、説明書の冒頭の必要な物リストに掲載されていなかったはずのキリを当然のように使用した説明図が掲載されていたりしため、力づくで穴を開けたりした。 そもそも机が大きかった。引き出しが2つもあった。 汗だく。疲労困憊。100均のゴム手袋が放つ異臭が両手にしっかり染み込んで精も根も尽き果てた。 「もう二度と作るま

          僕のこれまでの健康なんて所詮は才能に過ぎなかったということ

          何も考えずに才能だけでここまでやれてこれてしまったがために、いざ壁にぶつかった時に乗り越えることができない。努力の仕方を知らないからだ。 野菜なんて食べなくていいし、あんまり寝なくていいし、痩せなくていいし太らなくていい。だって健康なのだから。ワッハッハ。 毎年オールAの健康診断表を片手に意気揚々と過ごしていた日々の結果が招いたこのザマ。 体調が良くないのはわかる。ライブを休んだ。バイトも休んだ。時間はたくさんある。でも治し方がわからない。才能一本で健康をやってきた。一

          僕のこれまでの健康なんて所詮は才能に過ぎなかったということ

          突っ張り棒

          僕が探しているのは幅115㎝のクローゼットに設置するための突っ張り棒。 ちょうど120㎝まで伸縮可能な突っ張り棒を見つけたので買い物カートに入れる。 …いや待てよ? 115㎝のクローゼットに120㎝までの突っ張り棒は果たして最適か…? もし僕が突っ張り棒だったとして、クローゼットに突っ張る際、最大値−5㎝の幅が自分の力を一番発揮できる幅か? ダメだ…! SASUKEの2ndステージみたいになる。 手が届くには届くが、幅が広過ぎて上手く力が入らない感じが容易に想像

          お休み

          11月。僕は微妙に発熱した。 『H2』の国見比呂の父親の言葉。 僕はバイト先のカラオケに向かった。 となると、この体調不良をいかにして他のバイト仲間に気付いてもらえるかが今回のポイントになってくる。 単に自分から直接体調不良を訴えるのでは弱いし説得力に欠ける。 やはり、体調が悪いのを周りに隠しながら必死に無理をしている主人公感が欲しい。比呂みたいな。 例えば退客後のルーム清掃に向かう。いつもなら迅速かつ丁寧に清掃を終わらすはずの僕がなかなか戻ってこない。 気にな

          フルマラソン

          2023年12月3日(日) 晴れ ・am3:00 起床。いなり寿司と大福を食べる。病み上がり。体調は良い。 ・am4:00 レース中に聴く音楽のプレイリストを作成。おそらく一番しんどくなるであろう35キロを過ぎるタイミングでスガシカオの『progress』が流れるよう計算。『プロフェッショナル〜仕事の流儀〜』感で、苦しさを感動的に乗り切る作戦。 ・am5:15 出発。会場から一番近い駅は大磯駅だが、二宮駅から無料シャトルバスが出るので二宮駅に向かう。 ・am6:00

          鼻詰まり解消研究中間報告

          こちらは鼻詰まり歴27年なのだ。 舐めてもらっては困る。 慢性的な鼻炎に加え、春と秋の花粉、ハウスダスト、風邪。鼻が詰まる要因は数知れず。 幼少期から現在に至るまで、鼻詰まり解消のためにありとあらゆる手法を試みた。 寝る前に鼻が詰まっていると眠れない。5歳の頃、母親にそのことを相談すると、「詰まっている方の鼻の穴を上にして寝ると鼻が通るよ。」と教えてくれた。 早速試してみると、3分もしないうちに詰まっていたはずの右鼻の穴がスースーと通りだした。 イメージは右鼻の穴か

          鼻詰まり解消研究中間報告

          12/24(日) 坂﨑…○

          普段バイトの希望シフトは2週間前にLINEで提出することになっているのだが、年末年始は繁忙期の為、休憩室に貼られたシフト表に事前に記入するシステム。 12/15〜1/8までの日付と従業員の名前がプリントされた表に○か×を記入する。 12月24日の欄に、これ見よがしに×が並んでいる。12月15日から1月8日までの期間中、なんとなく等間隔で×を記入しながらその中に24日を紛れさせている従業員もいれば、あからさまに24日だけ×を付けている従業員も見受けられる。 「(まあ、Kさ

          12/24(日) 坂﨑…○

          僕はファイナリストの楽屋に山積みになっているロケ弁を食べていいのか

          本当に連れてってくれるんかい。 音響のプロに頼む手段もあったろうに、僕が上記のような発言をしたからか、ゼンモンキーは本当に僕をTBSまで連れて行ってくれた。 【準決勝2日目】 客席の最上段で台本を目で追いながら音響を再生するキッカケを待つ。 ウケている。 とてもウケている。 昨日もとてもウケたらしい。 決勝に行くかもしれない。 そう思った途端に緊張で震え出した右手を左手で押さえながら、タイミングを見計らって再生ボタンを押した。 【決勝前日リハ】 当日実際に

          僕はファイナリストの楽屋に山積みになっているロケ弁を食べていいのか

          さかざきまさき

          高校1年生の秋。 鈴木先生) 「じゃあこの問4の解答を…」 そう言って教室を見回す。 物理の鈴木先生(男性30歳)は、解答させる生徒を完全にランダムに指名するタイプの教師。当てられるかもしれない…。 その日の日付と出席番号を照らし合わせて指名する古典の中川先生。 出席番号順に指名していき、その続きから次の授業に持ち越される数学の岩崎先生。 近くの席から順番に縦に当てていく英語の谷村先生。 僕たち生徒は、先生ごとの授業中の解答者指名の傾向をなんとなく頭に入れておく。

          さかざきまさき

          僕に何ができるのか?

          どうだろう? いったんこの辺りで黒板消しクリーナーついて、みんなで本気で考えてみないか? 小学生の頃、なぜかみんなの憧れの的だった黒板消しクリーナー。当時の教室にあった数少ない電化製品(電動鉛筆げずりと二大巨頭)であり、掃除の時間になると誰が黒板消しクリーナーを使うかで小規模の争いが起きていた。 そんな黒板消しクリーナーに対して、僕が初めて疑念を抱いたのは小学6年生の頃。 『ちょっと大袈裟すぎるのではないか…?』 一丁前に莫大なモーター音を教室中に響かせておきながら、

          僕に何ができるのか?

          デスゲームマスターのおしごと

          『ようやく目が覚めたようだな?今からお前には、命を懸けたゲームに参加してもらう。』 モニター越しに別室から語りかけるデスゲームマスターは、一体いつからそこにスタンバイしていたのだろうか。 何かしらの方法で気を失ったまま無理矢理会場まで連れてこられた参加者が、自ら意識を取り戻し、目を覚ますタイミングは人によって異なり予測できないはずだ。 それまでずっと待機していたのだろうか? 顔を隠すための金属製、あるいはプラスチック製のマスクを装着し、比較的フォーマルな衣装を着こなして

          デスゲームマスターのおしごと