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ただのプヲタだった私がリングサイドカメラマンに挑戦した話。~中編~

こんにちは、さかやき(@sakayaki_szk)です。記事を開いていただいてありがとうございます!

日頃、プロレスを観戦することと試合の写真を撮るのが好きで撮影した写真をSNSにアップすることを趣味にしています。

ひょんなことから2021年10月30日(土)、横浜は関内にあります横浜ラジアントホールという会場にて開催された「KGF NEXT vol.2」というプロレスの大会にて人生初のリングサイドカメラマンを担当させていただきました。

予め断っておくと私はプロの職業カメラマンではなく、ただのプロレスと写真を撮ることが好きな素人です。

じゃあ、どうして素人がリングサイドカメラマンをやれたの?という、そもそものきっかけや経緯については前回の記事に書いたので、まずは前編からどうぞ。

というわけで、前回はオファーを受けてから主催者であるBAR045様に顔合わせのため伺うまでを書きました。

今回の中編は実際に本番である2021年10月30日(土)を迎えるまで「事前にやったこと」について書いていこうと思います。

最後まで読んで頂けたら幸いです。

事前の打ち合わせは大事

○主催の方たちとの顔合わせと打ち合わせ
とりあえずなにぶん初めて経験することばかりだったので、顔合わせや事前の打ち合わせは絶対に必須だと思ったのでBAR045の営業時間を狙って打ち合わせの時間を作って頂きました。そこで主催者側からの要望と、私から聞いておきたいことの確認をしました。

主催者側からの要望

その1:撮影の際は目立たない格好で。

プロレスを見に行ったことのある方は思い出してほしいのですが、リングサイドカメラマンの服装は基本的に地味だと思います。

黒のTシャツに黒のパンツもしくはジーンズ。そしてスニーカー。

動きやすさとかもあるかと思いますが、主役はあくまでリング上で闘う選手たちなのでカメラマンは黒子のように目立たないようにするのが鉄則だと思います。

私も当日は黒の半袖Tシャツ(無地)に黒のパンツというオールブラックスで撮影してました。

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その2:スポンサー様との記念撮影と集合写真を真っ先に送ってほしい。

今回の「KGF NEXT vol.2」というのは全試合スポンサー様がついており、スポンサー様がたのご協力の下開催された大会でした。

試合は全選手が個別に入場してくるのですが、選手が全員リングインした後にスポンサー様から選手に激励賞が手渡され、その後リング中央にて記念撮影を行うというのが全試合行われました。

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※写真は当日の第1試合より


そしてメインイベント終了後に、選手全員をリングに上げて記念撮影をするのでその写真も優先的に送ってほしいと言われました。

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※メインイベント終了後。中心にいるのがBAR045オーナーのRyo様。

ざっくりとその2点だけ気をつけていただければ大丈夫と言われていたので、もっと細かく要望されると思っていただけに大変助かりました。

あと、男子レスラーと女子レスラーのブッキングの違いなど裏話も聞けて面白かったです。


私から確認しておきたかったこと

その1:会場入りする時間の確認

自分がお客さんとして見に行く大会では開場待ちで並んでいるタイミングで生中継のカメラマンが会場で関係者受付をして入っていくことも見るのですが、そんな開場時間に近いタイミングで入っていけるほど余裕も無いので少し早めに入らせてもらいました。

Ryoさんにも「少し早めに入ってもらってカメラの設定とか確認しておいていいですよ!」と言われていたのでありがたかったです。

その日は同会場でお昼に「ディアナ」という団体が試合をしていたため、ディアナが終わって、ある程度お客さんも捌けたタイミングを狙って会場入りしました。(実際には会場入りする2時間以上前から会場近くでスタンバイはしてましたが)


その2:写真データの納品方法

カメラマンの仕事は撮って終わりではありません。

撮った写真を選別して、編集して、依頼主に届けるまでが仕事です。

今回は先程の記念撮影だけでなく、今回は自分ひとりで試合中の写真も撮影して、選別して、編集して、納品まで行いました。

プロカメラマンの方がどのように納品しているのか知らないので、今回はご依頼主の意見を聞いて決めようと思いました。

その納品方法ですが、スタッフのうめちゃんさんより「LINEで送って頂けたら助かる」とのことだったのでLINEのアルバム機能を使って送らせていただきました。


念の為、LINEだけでなくクラウドサービスからダウンロードも出来るようにしましょうという提案もさせていただいたので、今回はfirestorageに全写真をまとめたzipファイルをアップロードし、URLに飛ぶとダウンロード出来るようにもさせていただきました。

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他にも荷物置き場の確認(控室までは入れないので、物販スペースの後ろに置かせてもらいました)など、確認したことはあったのですが当日やはり変更になってた点はあったので現場での対応力が問われるなと思いました。


上手く撮るなら「選手を知る」ことから

ここで改めて当日の対戦カードを振り返ってみようと思います。

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キャリア30年を超える大ベテランから、若手有望株な選手や所属団体を象徴するような選手であったり今思い返しても豪華なメンバーが集まった大会だったと思います。

ただひとつ問題がありました。。。。

それは。。。


「出場予定の選手の試合をあまり見たことがない!!!!!」


もちろん皆さん有名な選手なので名前は知っていましたし、優宇選手や朱崇花選手など何度も試合を見たことのある選手はいました。(それでも優宇選手の試合を見るのは2年ぶりくらい)

大変失礼な話ですが、その他の選手となると多くても5回以下、オファーを受けた時点で1度も試合を見たことのない選手もいました。

決して女子プロレスを見ないということでは無いのですが、特に応援している団体ばかりを追いかけていて(知っている方はお察しください)あまり他の団体に足を運ばなかった弊害がここにきて出てきてしまったのです。

普通にお客さんとして見に行って写真を撮るだけなら初めて試合を見た選手がいたとして、上手く撮れなかったとしても「初見だから仕方ないかー!」と諦めはつくのですが、今回は仕事として請け負った以上「初めて見たので上手く撮れませんでした」は通じません。

それに当日ぶっつけ本番で初めてのリングサイドで上手く撮れるほどの度胸と技量は私にはありません。そんな天才だったら今頃こんな記事は書いてません。

じゃあ、その問題をクリアするにはどうするか。

それは実際に試合を見に行って選手の動きを覚えるしかありません。

今の時代、試合の映像は探せばいくらでも出てくると思います。

でも今回は写真を撮らなくてはなりません。

入場のルーティン、ファイトスタイル、得意なムーブなどそれぞれにどのタイミングでシャッターを切るのが最適解なのか。

その感覚を掴むには実際に会場に足を運んで、自分で写真を撮るしか方法はありません。

幸いにもオファーを受けてから大会当日までは1ヶ月近くあったので、みんな大好きプヲタスケジュールと毎日にらめっこしながら当日参戦予定の選手のスケジュールを全部調べました。

その甲斐あって、当日を迎えるまでに「ディアナ」「SEAdLINNNG」「ガンプロ」「PURE-J」「アクトレスガールズ」「OZアカデミー」「WAVE」「2AW」を観戦することができたので全20選手のうち、19選手の試合は見ることが出来ました。(救世忍者乱丸選手のみ見れず。ただ、予習したところで本番に何をやるか分からない選手なので意味なかったと思います笑)

失敗が許されない状況の中で「知っている」か「知らない」では雲泥の差が出ます。あと、事前に予習しておくことで当日は若干の心の余裕が生まれました。


少し脱線してしまいますが、私はプロレスを上手く撮るためには「とにかく会場に足を運んでたくさん撮ること」「選手を好きになること」だと考えています。

たくさん撮ることの重要さはプロカメラマンである西田航氏も自身の動画で語っていますので御覧ください。

もちろん私は東京都内に住んでいるので足を運べるプロレスの大会は多いです。地方在住者に比べてプロレスを見れる機会が多い、写真を撮れる機会が多いというのは大きなアドバンテージだと思います。

しかし、私の知り合いの地方在住者の方でも素晴らしい写真を撮っている方はいますので大事なのは「フットワークを軽くすること」だと思います。

次に「選手を好きになること」

好きになると言っても「特定の選手を推しなさい」とか「ガチ恋勢になりなさい」とかそういう意味ではありません。

好きになる=相手に対して興味を持つ→相手のことを深く知りたいと思うこと。

深く知ることによって選手が試合中に繰り出そうとしている攻撃の「未来予測」が出来るようになります。

もちろんその全てを予想できるわけではありません、思いがけず新技を繰り出したり、逆に攻撃しようとしたら相手側のカウンターを喰らうこともあります。その思いがけない瞬間でも確実にシャッターを切れるかどうかは積み重ねた経験次第かと思いますし、私のプロレス写真仲間であるたかはしさん(@rythem00359)言うところの「その場力」が試されると思っています。

まぁ、予習という大義名分のもと様々な大会に足を運んでも撮るのは客席からなので傍から見たら他のお客さんとなんら変わりません。

それでも今大会には出場しなくても今まで知らなかった良い選手を知ることが出来たり、この期間で「その場力」は鍛えられた気がします。


大会が終わるまでSNS上でネガティブ発言は禁止

最後にこれは事前に準備したことというより、自分に課した命題でした。

改めて思うと、この2021年の10月は「プレッシャーに潰されそうになった1ヶ月間」でした。

平日は普通に仕事をして(たまに平日夜もプロレス行って)、週末は普通に客として見に行く大会と予習のために見に行く大会、そして興行主の方たちと打ち合わせ。

特に25日(月)~29日(金)までのラスト一週間は緊張感が高まるのを感じていました。

そして何より怖かったのが「絶対に体調を崩せない」という怖さ。

東京都内もある程度は収まりの兆候はあったものの、まだまだ油断できない状況であり、もし当日体調不良を崩してしまったら...と考えると逆に具合が悪くなりそうでした笑

そして性格的に生粋のネガティブ思考なので、大会が刻一刻と近づく度に「やっぱり私よりも適任者はいたんじゃないか」など悪い方向に考えていってしまい友人の前では弱音を吐いたこともありました。

気がつくとツイッターにもネガティブな発言をしてしまいそうになったのですが、ある時ふと思いました。


「依頼人がこれを見たらどう思うだろう」


例えば自分が誰かに仕事を頼んだとして、頼まれた人間が「やっぱり受けなきゃよかった」と言っていたらどう思いますか?

そんな人にやってほしいとは私は思いません。

そして、興行主であるRyoさんにはリングサイドカメラマンの経験の無いド素人の自分を「norihonさんが紹介してくれた人なら」とそれだけで起用してくれた恩義があります。

色んな方々が心血を注いでこの大会を絶対に成功させようと頑張っている中で、主催者を不安な気持ちにさせることは絶対にしてはいけないだろうと。

プレッシャーで押しつぶされそうになる心をなんとか踏ん張って、大会が終わるまではネガティブ禁止!と自分に言い聞かせた1ヶ月でした。


そして、街中にハロウィンの雰囲気が漂う中、2021年10月30日(土)「KGF NEXT vol.2」横浜ラジアントホール大会当日の朝がやってきました。


後編に続く。


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