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さかたのニュースまとめ(2024年3月26日)

私自身がX(旧Twitter)で取り上げた記事を中心にニュースを振り返る。
今回はガザ情勢にフォーカスした記事とした。


イスラエル ガザにおける戦闘

米ブリンケン国務長官 イスラエル訪問

前回の『さかたのニュースまとめ(2024年3月22日)』では、今月22日のブリンケン国務長官によるイスラエル訪問について取り上げた。
ネタニヤフ首相や閣僚らと協議おこなったが、その後の経過にどのような影響を与えたのか、ここ数日の出来事を振り返ると見えてくるものがある。

停戦交渉の行方

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は22日、テルアビブで米国のブリンケン国務長官と会談し、パレスチナ自治区ガザ最南部ラファへの侵攻計画などを巡り協議した。ブリンケン氏は侵攻に反対したとみられ、ネタニヤフ氏は会談後に出した声明で、「米国の支持がなくても計画を遂行する」と伝えたと明らかにした。

引用元:ヤフーニュース

ブリンケン国務長官はイスラエル訪問前に、エジプト、ヨルダン、カタール、サウジアラビア、UAE、パレスチナ自治政府の指導者と会談おこなっていた。
「地域平和の永続に向けた取り組み(to continue working on a path for enduring regional peace)」とされたこの会談では、ガザ地区への人道支援戦闘終結後のガザ再建について話し合われた。

その後のネタニヤフ首相らとの協議であったため、ブリンケン国務長官が停戦を求めることは当然と言えよう。
そしてネタニヤフ首相がそれを拒否することも、これまでの同氏の言動やイスラエル軍の行動を考えれば当然である。

ここで筆者は、同日に報道された国連でのガザ停戦決議案に注目した。

国連安全保障理事会は22日、パレスチナ自治区ガザ地区での戦闘をめぐり、イスラム組織ハマスに捕らえられた人質の解放を伴う「即時かつ持続的な停戦が不可欠」とする米国提出の決議案を否決した。常任理事国のロシアと中国が拒否権を行使した。複数の非常任理事国は、無条件での「即時停戦」を要求する別の決議案を準備しており、23日(日本時間同日深夜)にも採決にかけられる見通しだ。

引用元:毎日新聞

これまでは停戦決議案に拒否権を行使していたアメリカが、今回は自ら停戦決議案を提出するという動きだ。
この決議案には、ハマスに対する名指しでの非難ラファ侵攻を行う構えのイスラエルを牽制する内容が含まれる。
ロシアと中国の拒否権の行使はアメリカも予測していたのではないか。
ブリンケン国務長官のイスラエル訪問は、言わば保険という見方もできる。

以前は拒否権を行使していたアメリカが、水面下でエジプトを仲介役とした停戦交渉を進め人道支援をおこなった例があるため、今後もアメリカの真意を読み取る洞察力が必要となるだろう。

<補足>
バイデン政権の大統領選に向けたパフォーマンスという見方もできる。

イスラエル ハマスとの停戦交渉に対し態度軟化

ハマスはまた、北部のガザ市とその周辺地域から南へ逃れた数十万人のパレスチナ人避難民の帰還も求めてきた。
イスラエルは当初、これを拒否していたが、その立場は軟化していると、交渉の報告を受けたイスラエル政府高官が語った。
「避難民の一部の帰還について協議に応じる用意がある」と高官は述べた。イスラエルのメディアは、女性と子どもの帰還に限定されるだろうと報じている。

引用元:ロイター

これまでハマスの要求に対し厳しい態度をとっていたイスラエルだが、その態度に変化があった。
イスラエルは、女性と子供に限られるとの条件はあるが北部から南部へ逃れた避難民の帰還を容認する見通しだ。
これは大きな譲歩と言えるだろう。
ここで筆者は、ブリンケン国務長官のイスラエル訪問を思い返した。
同氏はネタニヤフ首相らとの協議で停戦の求めを拒否されたとの報道ではあったが、人道的な配慮については同意できる部分もあったのだと考えられる。

ラファ侵攻前に市民を退避させる計画がイスラエル政府内で承認される見通しだが、同計画に関しても実行に移すようブリンケン国務長官から要請があったことは想像に難くない。

ガザ最南部のラファは“ハマスの最終拠点”となっており、ラファ侵攻によりイスラエル軍の軍事作戦が終了すると考えられる。
イスラエルの態度が軟化した理由として、戦闘終結後を見据えた譲歩が始まっていると見ている。

ガザ停戦決議案採択 アメリカは棄権

イスラエルのネタニヤフ首相は、米国が拒否権を行使しなかったことは立場の「明らかな後退」であり、人質解放に向けた取り組みなどに打撃を与えると非難。イスラエルは予定していたワシントンへの代表団派遣を取りやめると発表した。

これに対し米国の国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は「拒否権を行使しなかったことは政策の転換を意味するものではない。米国の方針は何も変わっていない」と述べた。

引用元:ロイター

イスラエルのネタニヤフ首相は、アメリカが拒否権を行使せず棄権したことに対して厳しく非難した。

停戦決議案が採択されたとはいえ、イスラエルの“ハマス壊滅”を掲げた軍事作戦が止まることはないと考える。
しかし、ラファ侵攻前に市民の退避計画を実行させる圧力をかけることはできただろう。

戦闘終結後のパレスチナ

スペイン、アイルランド、マルタとスロベニアの各国首相は24日までに、ベルギー・ブリュッセルでの欧州連合(EU)理事会の開催に伴って会談し、パレスチナ国家を承認する「準備」について話し合ったことを明らかにした。

引用元:CNN

スペインや他3カ国がパレスチナ国家承認の準備をすることで合意したが、一つ一つの国家を見ると影響力はさほど大きくないだろう。
しかし、この動きはパレスチナにおける“2国家共存”の機運を高めると考えられる。

欧州諸国によるパレスチナ国家承認の可能性については英国のキャメロン外相が今年2月、ガザでの戦闘終結への寄与を考慮し、承認を検討するとの考えを示していた。
アラブ諸国の大使をロンドンの英国会内に招いた会合で述べたもので、キャメロン氏は2国家共存の解決策が軍事衝突に終止符を打つ「不可逆的」なプロセスになることに寄与するとも説いていた。

引用元:CNN

すでにパレスチナ国家承認に言及していたイギリスにとっても追い風となるはずだ。
今後、アメリカがパレスチナ国家承認についてどういった姿勢をとるかに注目したい。

今この瞬間もパレスチナの人々は悲惨な状況に置かれている。
一刻も早い支援が必要だ。
国連での停戦決議案は重要な一歩となり、その先の2国家共存に向けて各国が動き出している。


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Bluesky:@sakatatakuro.bsky.social

©️さかた拓郎

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