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さかたのニュースまとめ(2024年3月29日)

私自身がX(旧Twitter)で取り上げた記事を中心にニュースを振り返る。
前回に引き続きガザ情勢にフォーカスした記事とした。


イスラエル ガザにおける戦闘

国連安保理 ガザ停戦決議案をアメリカが棄権

今月25日の国連安保理で出されたガザ停戦決議案に対し、アメリカが拒否権を発動せず棄権した。
アメリカのグリーンフィールド国連大使は「ハマスを非難する内容が含まれていなかったため」と棄権した理由を述べた。
これに対してイスラエルのネタニヤフ首相は厳しく非難し、予定していたワシントンへの代表団派遣を取りめると発表していた。

翌26日、アメリカのオースティン国防長官は、訪米中のイスラエルのガラント国防相と会談おこなった。

米国のオースティン国防長官は26日、訪米中のイスラエルのガラント国防相と会談し、パレスチナ自治区ガザは「人道的大惨事」に見舞われており、民間人の保護が道徳的、戦略的に不可欠になるとの考えを示した。

引用元:ロイター通信

さらに27日には、ネタニヤフ氏はアメリカを非難する姿勢から一転し、弁明とも取れる発言をした。

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、バイデン政権との協議のためにワシントンに代表団を派遣しないという自身の決定は、ハマスに対し、イスラエルに対する国際的な圧力によって武装勢力の譲歩がなければ戦争を終わらせることはできないというメッセージを伝えることが目的だったと述べた。

引用元:AP通信

アメリカがガザ停戦決議案を棄権したことでネタニヤフ氏が非難、2国間の関係に亀裂が生じたと思われていたが和解する格好となった。

ベンヤミン・ネタニヤフ首相が国連停戦決議案に対する米国の採決に怒りを理由に今週予定されていた訪問をキャンセルしたことを受け、ガザでの軍事作戦の可能性について話し合うためにイスラエル高官をワシントンに招くことを目的とした協議が再開された。とホワイトハウスが水曜日に発表した。

引用元:AP通信

ネタニヤフ氏をオースティン氏が間接的ではあるがなだめめる形となり、アメリカがイスラエルとの友好関係を重要とする姿勢を示した。
イスラエルをアメリカのコントロール下に置きたい思惑があるという見方もできる。

イスラエルはハマス壊滅が最優先ではあるが、戦闘終結後の国際的立場を考えなければならない局面と言えるだろう。
近々行われるであろうラファ侵攻作戦においても、ガザ市民の退避など人道的配慮をする必要がある。
同国としてもアメリカの顔を立てる必要があると考える。
アメリカの後ろ盾を失うことは、周辺に敵対国が多いイスラエルにとって国家存亡に関わると言っても過言ではないのだ。

イスラエル軍 ヒズボラとの戦闘激化

アメリカとイスラエルの間で停戦に向けた駆け引きをおこなっているなか、イスラエル軍はイスラム教シーア派組織ヒズボラとの戦闘を激化させている。

イスラエル軍は27日、イスラム教シーア派組織ヒズボラが拠点とするレバノン南部を空爆した。ロイター通信によると、レバノン側でヒズボラ戦闘員ら8人、イスラエル北部で1人が死亡した。レバノン南部の戦闘が激化しており、イスラエルは全面的な戦争も辞さない構えだ。

引用元:読売新聞

同軍はシリアへの空爆も実施しており、ネタニヤフ首相は「ヒズボラへの対処なしに勝利はあり得ない」と述べた。
イスラエル空軍が数週間前からは飛行訓練を再開していることから、ヒズボラとの全面戦争も想定しているとの見方も出ている。

イスラエルとヒズボラの戦闘激化に呼応して、イエメンのフーシ派による攻撃も激しさを増す可能性も考えられる。
同組織の軍事力はハマスやヒズボラのそれよりも強大である。
イスラエルとハマス、ヒズボラ、そしてフーシ派の戦闘となれば、前述どおり全面戦争の様相を呈することになるだろう。

停戦へ向けた動き

今月28日、パレスチナ自治政府にも動きがあった。

パレスチナ自治政府のムハンマド・ムスタファ新首相は28日、内閣を発足させた。ガザ地区での即時停戦とイスラエル軍の撤退を優先課題に掲げた。自治政府の通信社WAFAが伝えた。
(中略)
復興プロセスの開始と再建の準備を可能にするために(イスラエルの)侵略と入植活動を停止し、ヨルダン川西岸での入植者によるテロを抑制する必要がある」と指摘した。

引用元:ロイター通信

ネタニヤフ首相は、ハマス壊滅後に軍事力でガザ地区を統治する考えを示している。
パレスチナ自治政府もガザでの戦闘終結後の政策を表明し、イスラエル軍による戦後の占領政策を牽制したと見られる。

ガザ地区への人道支援の現状

現在、ガザ地区への援助物資をイスラエル軍が制限しているとの指摘がされている。
これに対して国際司法裁判所は、飢饉を回避するため援助物資を流入させるようイスラエルに対し命じた。

ICJは今回の命令で、ガザ地区は「飢饉のリスクに直面しているだけでなく」、「飢饉が始まっている」と指摘。国連のオブザーバーによると、子ども27人を含む31人が、すでに栄養不良と脱水症状で死亡したと述べた。
(中略)
イスラエルは「即刻、国連との全面協力のもと、大規模な(中略)緊急に必要とされる基本的サービスや人道的支援を滞りなく提供できるよう、全ての必要かつ効果的な対策を取る」べきだとした。

引用元:BBC

イスラエルは指摘に対し「全く根拠がない」と反論しているため、今後も援助物資がガザ市民へ届くかの見通しは不透明である。

ガザ地区の厳しい状況のなか、UNRWAへの資金拠出を今年1月から停止していた日本だったが、拠出を再開する見通しが立った。

日本政府は4月前半にも、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への資金拠出を再開する方向で調整に入った。イスラム主義組織ハマスによるイスラエル奇襲に一部職員が関与した疑惑を受け、今年1月から資金拠出を停止していた。近く来日するUNRWAのフィリップ・ラザリーニ事務局長から再発防止策を聴取し、最終判断する。

引用元:ヤフーニュース

今月20日に国連の独立調査チーム(*1)による中間報告が提出されたばかりで、日本が拠出再開すれば各国の拠出停止以降、カナダとスウェーデンに次いで3カ国目となる。

*1 独立調査チーム ・・・ UNRWAの中立性を検証するために結成された。

停戦の行方、人道支援の状況が目紛めまぐるしく変わるガザ情勢であるが、イスラエル軍の作戦や戦後処理に向けた動きが最終段階に入っていると見られる。
今後も各国の一挙一動を見逃せない日が続くだろう。


X(旧Twitter):@sakata_takuro

Bluesky:@sakatatakuro.bsky.social

©️さかた拓郎

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