愛を教えて。
愛について考えよう。
世界をひっくり返すほどの大恋愛だとか、宇宙を股にかける親子の絆だとか。
そういうの、僕にはまだちょっと、全然わからないからさ。
君の愛について教えておくれよ。
たとえば、鳥たちのさえずり。
たとえば、小川のせせらぎ。
たとえば、子どもたちのわらいごえ。
そんなのが聞こえて来た時、ふと愛について考える。
夢や物語の中で飽きる程見聞きしたそれは、とても甘美な香りをしてる。
夕方、帰り道、カレーの匂い。
あの人がつけてた香水の残り香。
おばあちゃんちの押入れの中。
ああ、どれも、暖かい色をしているね。
愛は暖かい?愛はくすぐったい?愛は色鮮やか?
君には見えて僕には見えないもの、僕も知りたいと思うのはおかしなこと?
愛は、どこに落ちているの?
道端に落ちたガラクタのような愛と、金庫に丁寧にしまいこまれた上等な愛。
愛に差はある?優劣はある?
綺麗な石を拾った時、美味しいケーキを食べた時。
たとえば僕は、そんな時君がここにいれば良かったのにと思う。
ああ、そうだね。どれも全部君が好きなものだ。
だけど、僕が好きなものでもあるんだ。
だって君が好きだから、良さを知って好きになったんだもの。
先に好きだった人が勝ちだなんて、そんなルールはないだろう?
ああ、そうだね。まだ愛についてはわからないや。
だからさ、これからも僕に愛を教え続けてよ。
僕がわかるようになるまでずっと、僕の隣で愛について囁き続けて。
僕の隣で、この手を握り続けて。
そうしたらきっとわかる気がする。
ねえ、君にとって愛ってなんだい?
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