カーテンコール

開幕のブザーが鳴る。
私は目一杯、ライトを浴びる

眩しくて、緊張で、震えんだ。
だだっ広い劇場
赤く沈む座席
暗がりに浮かぶ眼差しは、まっすぐに私を見つめた

筋書きのないエチュードも
誰かの描いたストーリーも
彼らに言われるがまま
なすがまま
言葉を
体を
預けて
踊るように
祈るように

ただ、私は溺れるだけ。

自分のことひとつ、うまく理解できないくせに
知ったような顔で今日も、私は、私を、演じる。
丁寧に丁寧に、紡ぐように
淡々と、単調に繰り返す日々。
私は私を、遠くから眺める

筋書き通りにいかない今日も
コントロールできない感情も
上手くいかないなにも
かもが
言葉を
体を
操られる
踊らされて
祈られて

ただ、私はあがくだけ。

鳴り響く拍手も、すすり泣きの声も
今は全部置いていこう。

私が自由に飛び回るその先で
いつか目一杯のカーテンコールを。





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