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公開日記

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どうでもいいような、けれども何にも変えられない。 退屈なようでいて楽しい日々の事。 好き勝手に綴ったところ。
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#短編小説

てのひら

わたしのちいさなてのひらじゃ
すくいきれないあのこのふこう
ゆびのすきまからぽろぽろと
こぼれおちてきえてゆく

どこにもおいていかないで
わたしをひとりにしないでよ

わたしのこえはちいさくて
あのこのみみにはとどかない

あなたのことがだいすきよ
わたしのことばとどかない

どうしてみんなしていなくなろうとするの?
おいてかないで
おいてかないでよ

あいしてるのに
あいしてるから
わたしのの

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この世界に中指を立てて生きてんだ。

反骨精神でもなんでもない。

弱虫が必死になんでもないふりをして一人で立つのが怖くて
無理して生きてんだ。息苦しくってありゃしない。

だから、そんな人生に中指を立てる。
気分がちょっと軽くなる。

電車で降りる時に、わざとぶつかってくるおおじさんに。
すれ違いざまに舌打ちをしてきたお姉さんに。
不細工だと嘲笑った同級生に。

見えないとこで中指を立てんだ。
背中に向かって中指立てて、こころのなか

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