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6番ホーム

あなたから言われた

ろくでもない人

ろくでもない・・

今でもその言葉が胸に残ってる

確かに

1⃣いちいち何処に行ってたのかとか誰に会ってたのか

束縛してた

2⃣「似合うよ!その服」なんて一回も言わなかった

本当は思ってたけど恥ずかしくて

3⃣さんざん待たせてたね

デートは俺の仕事がいつも遅くなって・・あなたが見たい映画を見れないことなんて何回あっただろう

「結婚」も・・ずっと待っててくれてたのに

4⃣シクラメンの花が好きなあなた

サプライズでプレゼントした時涙を流して喜んでくれた

安月給の俺は宝石はプレゼントできないからって言うと

「宝石なんかいらない・・あなたの気持ちが嬉しいから」って

この人を大切にしようと思った

5⃣誤解が誤解を生み

俺が会社の女性社員から言い寄られてたのを心配したね

俺はそんな気なんて無くて心配しなくて良かったのに

会社の人だからムゲにできなくて

7⃣泣いてるのはわかってたけど

何もできなかった

どうにかなると思ってたかも

8⃣やさしさは私だけに

あなたにだけ優しくしてるつもりだったんだけど

言われて気付いた

「つもり」だったのかも

9⃣急な転勤で二人は遠距離に

ギクシャクしてた時に俺の急な転勤が

会うことで切れかけてた糸を何とか繕ったのに

いつも会えなくなって・・


3か月振りに会った帰りに別れを告げられた

何も言えなかった

「別れたくない」という言葉が言えなかった

別れたくないのに

最後に泣きながらあなたが言った言葉

「あなたはろくでもない人」

「でも好きだった・・いや今でも好き」

「・・・・・」

何も言えない俺

「やっぱりろくでもない人ね」

涙を浮かべながら笑顔でそう言ってあなたは駅の改札口へ

あなたの後ろ姿がどんどん小さくなってく

涙で霞む姿

涙を拭うとあなたの姿は見えなかった

「ろくでもない人」

そんな俺は今日も6番ホームで電車を待つ

毎日6番ホームで電車を待つ

何の意味があるわけでもなく

ただ必死に生きる

あなたを失った人生

ろくでもない人生を









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