【漫画感想文】国際社会の今を知る「紛争でしたら八田まで」
世の中には勉強になる漫画というものがあるが、そのジャンルで今おすすめの漫画が「紛争でしたら八田まで」である。主人公八田百合は知性と地政とちょっとした荒技(プロレス技)を用いて世界各国の紛争を解決していく。
スマホアプリのコミックDAYSにて1日1話読める。とりあえずこちらで読み進めてみることをお勧めする。
世界各国の国際情勢の今を知る
アメリカ、イギリスのようなメジャーな国から、ナウルやマリのようなマイナーな国まで八田は移動していき、各国の紛争を解決していく。すべての国にはその国特有の文化や社会背景があり、それが紛争の火種となっている。それは地政学的なものもあれば歴史的なものまでさまざまである。
特に今起きている国際問題を知る上で勉強になる。イギリスのブレグジット(EU離脱)やスイスの自殺幇助などホットな話題から、ナウルのグローバル化やインドのカースト問題など伝統的に根深い問題まで幅広いテーマについて知ることができる。
世界情勢を知る上でゴルゴ13や勇午も勉強になるが、ちょっとディープすぎるし(裏社会すぎる)、残虐なシーンも多い。それに対して本著は比較的ライトな読み方ができる。
地政学を知る
Wikipediaによると、地政学の定義は以下のようになる。
国にはその立地条件によって、その土地特有の問題があり、国際関係や地理的条件などが異なっている。その問題を考慮して国際政治を考察するのが地政学である。
この地政学を学ぶ上で参考になるのが本書である。八田は地政学の専門家であり、実地で鍛えた行動力と交渉力により各国の問題を分析して、問題解決に活かしている。
世界のグルメ
八田は非常に健啖家であり、好き嫌いなく世界各国のグルメを食べ尽くす。多くの人はちょっと食えないようなものまで喜んで食べている。そんな各国のグルメ情報を知る上でも役にたつ。
Wikipediaの記載
本作のWikipediaは制作過程が描かれているのがちょっと面白い。一般的に漫画のWikipediaはストーリー、登場人物、エピソードが描かれている。文量は概ね人気や歴史によって変わるが、本作は15巻まで出版されていることを考えてると、制作過程が描かれているのは結構異例。
他にも世界を知るのに学べる漫画五選
本作のように世界各国の情勢を知る上で、ゴルゴ13、勇午、島耕作、マスターキートン、沈黙の艦隊がある。これらの漫画もかなりディープな世界について学ぶことができる。ただライトな層としては本著の方がわかりやすい。
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