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少年少女は「大志」よりも「良識」を抱け

2023年2月現在、スシローの迷惑動画問題で日本は揺れている。この問題は日本人の良識や常識の根幹を揺らがす問題である。

かつてクラーク博士は「少年よ大志を抱け」と言った。この言葉は明治や昭和の成長社会においては概ね正しかった。しかし長期停滞社会において全ての少年が大志を抱く必要はない。むしろ良識を抱いたほうがいい。

大志を持っていても成功する可能性は高くないが、良識を持っていれば失敗をする可能性は低くなる。

クラーク博士の銅像

大志を抱くのはリスキー

大志を抱くことは社会でのしあがる上で必要な精神構造である。ハングリー精神と言い換えてもいいかもしれない。しかしハングリー精神とは他人を押し除けてのし上がろうという精神も併せ持つ性質がある。

世間ではチャレンジやベンチャー企業を褒め称えて推奨する風潮があるが、チャレンジは失敗するがある。もちろん失敗を恐れてチャレンジをしないことは問題であるが、これを失敗の損失を軽視しているように見える。

小さいチャレンジは誰にも必要だが、清水の舞台から飛び降りるようなチャレンジは一部の人だけがすればいい。

いいひと戦略とは

今求められる人材はいい人だと言われる。いい人とは、少なくとも表面上は誠実でコミュニケーションが高く、それでいて悪い人間関係からはスッと手を引く、良くも悪くも要領が良い人である。必ずしも頭がいい必要はないし、才能もいらない。いい人になろうとする努力だけでなんとかなる。

いいひと戦略とは「他人からいいひとだと思われるように振る舞う」という行動原理である。一見偽善的な印象を受けて嫌な感じがするかもしれないが、圧倒的なメリットがある。岡田斗司夫氏のYoutubeでそれが詳しく語られているのでそちらを見てほしい。

岡田氏の主張するいい人のフリをするには以下の行動をするといい
1.共感する
2.褒める
3.応援、手伝う、助ける
4.忘れる

いい人を採用するメリット

企業にとっていい人を採用するメリットは大きい。まずデメリットがない。いい人は組織や人間関係を良好に保ち、人間関係の問題を起こしにくい。逆に悪い人を雇うことで発生するハラスメント事例を考えればそのメリットが理解しやすいだろう。

ときにいい人は優秀な人よりも優先される。優秀で偏屈な人物なら、外注にして必要なときだけ仕事をして貰えばいいからだ。そうしたほうが人間関係的な接触を最小限にでき、組織の問題が起きにくい。

もちろん優秀でいい人なのが最適であるが、そんな人はそれほど多くない。

ウェルビーイングといい人

近年ウェルビーイングという言葉が普及してきている。心身と社会の健康を向上させようとする試みである。これに良い人は必要不可欠である。むしろ大志を抱いたギラギラした人は周囲と軋轢を起こしやすい。

ウェルビーイングとはいい人が集まらなければ達成できない世界観なのだ。このトレンドに早めに乗ったほうがいい。若い人(できれば大人も)は早めに軌道修正すべきである。

もっとも私は天才なので、大志を抱きます

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