見出し画像

喫茶備忘録『古城と孤城』

先日2週連続で上野に用事があったのでずっと気になっていた
上野の「古城」という喫茶店に行ってみました。

1回目に来店した時はなんとたまたま定休日で
泣く泣く断念。職場の先輩も一緒だったのでなんと悲しかったことか。。。
だがしかし、そのつぎの週に訪れた時はしっかり営業していました。

この日は東京都美術館の岡本太郎展を堪能してからの喫茶タイムという最高の
ルーティンでした。さて美術館を経て今度こそは!と古城へ!!

子どもだそうな

古城は上野駅から浅草方面に向かって少し歩いたところにあります。
入口が見え辛く地下に入るお店なので知る人ぞしるちょっと穴場な純喫茶です。

入口から階段を降りて中に入るとそこには
昭和のレトロな雰囲気と控えめな煌びやかさを持った空間が
広がっていました。
ソファ席がほとんどで、店内は広々としています。
奥には立派なステンドグラスが見られ、まるで教会の
祭壇のようなスペースがありました。エレクトーンのようなものも
あったのでコンサートなどもされているのかもしれません。

岩が衝立になっているのもまた趣き。4名席も広い。

そして座席の配置にも特徴があり、
二人掛けのソファが片側だけに配置された
席が教会のように並んでる席が数席ありました。
もちろん一人でこの日来店した私はここに座っちゃいました。

純喫茶にきたのになんだか神聖な気持ちにもなれる
素敵な空間でした。
この日はカレーを食べて、食後のアイスコーヒーを
嗜みながら辻村深月の「かがみの孤城」を読みました。

この小説は母親からずっと前からおすすめされていましたが
なかなか読む時間が取れず、今回アニメ映画が公開されると
いうことで映画を見る前に読んでおきたいと思い咄嗟に図書館で
借りてきちゃったのです。。。なんとずぼらな。

この物語は中学生で人間関係でトラブルを抱えた少女「こころちゃん」が主人公なのですが彼女の学校に行けない理由がとにかく私に刺さってしまい苦しい気持ちでこの小説を読み進めました。
中学校のあの思春期のモヤモヤした感じとか、女子のグループの関係性とか
私もあまりいい中学時代を過ごすことができなかった人間なので
こころちゃんの気持ちが痛いほど想像できます。
同じ境遇の孤城に連れてこられたこころちゃんの仲間たちに
たくさんエールを送りたくなるお話でした。
展開はなんとなく想像できたのですが、
エピローグで「ああ、やっぱり。。。出会えてよかったなあ」と
久しぶりに小説で泣きました。
純粋なファンタジーで泣くのは久しぶりだったので
とても気持ちの良い作品でした。
映画も監督が原恵一さんということでかなり期待しています!
ぜつてえに観に行くぞう!!!!

話はそれましたが「古城」で読む「孤城」は最高だったんです。
美味しいコーヒーを飲みながら素敵な空間で一人読書に嗜む時間が
私には何よりもの時間で、誰にも邪魔されたくない
私のエンペラータイムなんです。
お城だけにね。

スッキリ美味しいアイスコーヒー。カレーのアフターコーヒー最高!



今度は前回一緒に行けなかった先輩とここでお茶できたらいいなあと
祭壇スペースにそっと祈りを捧げました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?