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【日記】「君たちはどう生きるか」レビュー

先日、2回目を観てきました。

賛否両論飛び交ってる今作ですが(というか否のほうが強めのよう…わたしの周りでは)、

正直に言います。めちゃくちゃ好きでした。

1回目も2回目も変わらず。


正直、1回目のあとにいろんな考察を見て「そういうことだったのか」「わたしの見方ってなんか違ってたのかも」と思ってたのですが、2回目を観たあとに「やっぱり好き!!」と確信。


正直わたしの見るポイントは人とズレてると思うし、ジブリは好きだけど監督について詳しくはないし、あのキャラは実は誰の象徴とか、どれが何のメタファーとか、父から子へのメッセージとか、何も考えてません。


この記事ではただ好きだったポイントを挙げ連ねて、ほぼわたしの主観しか書きません。
自分の備忘録に、そして1人くらい共感してくれる人いたらいいなあと思って書きます。


鋭い考察とかを読まれたい方は面白くないと思います。
そういうのはジブリに詳しい方々がいろいろ書かれていると思うので、そちらを探してくださいm(_ _)m


※以下、ネタバレです。



可愛いものたちがほんとに可愛い

我ながら浅い感想だなと思いますが許してください。でも大事なところだと思うので書きます。

ジブリに出てくる「可愛いもの」がわたしは大好きです。
トトロとかキツネリスとか、こだまとか。千と千尋のひよこの神様とかネズミとか。ジブリのこういうところが好きなんだよな、と同じ人は少なくはないはず。


今作では、その「ジブリの可愛いものを愛でたい」という欲求をめちゃくちゃ叶えてくれたなーと思いました。


まず、わらわら。可愛すぎ。
わらわらたちがわらわら出てきたシーンでもうわたしはマスクの下が笑笑でした。可愛い。表情とかいっこいっこ可愛い。微妙に白の色が違う子もいて個性がある。

あと、インコたち。よすぎる。
モフモフ感はもちろん、あの可愛らしい造形なのに鼻息が荒い、人間を食べることしか考えてないところのギャップとか。でもちょっとアホっぽいとか。

インコたちの部屋の様子とかもすごくよかった。レストランらしきものがあったり、フライパンで何か作ってる子がいたり。

そういう細かい描写をしてるということは、あのインコたちを可愛いものとして見て欲しいと思って作ってるということですよね。

DVDをゲットできたらいちいち停止しながら見てしまいそう。

個人的にかなりツボだったのは、研いだ包丁をドヤ顔で見せるインコです。
どういうつもりで見せてるんだろう。
そして直後にアオサギにやられちゃうところまでセットで。

あと「天国だ〜」って泣いてる子たちも良かったですね。あげるとキリがない。


可愛いものが出てくるシーンは「ここは存分に『可愛い』を楽しむがいい」という作り手の意図を感じました。


惜しむらくは、情報が出てないせいでこれらの「可愛いもの」たちのグッズが出ていないこと。
悲しい。
今後もずっと出さないのでしょうか。いつか出してくれると信じてます。


眞人のキャラが好きだった

めっちゃ好きでした。
というかツボ。これは完全にわたしの癖(へき)だと思います。

そもそも自分が「少し影や闇のある少年キャラ」が好きな傾向があるようで、そこにブッ刺さったと思われます。

ストーリーがよく分からなくても最後まで飽きずに見られたのは、ここが大きいんじゃないかと2回目を見ている時に気づきました。


父親や夏子さんの前では礼儀正しくいい子にふるまうけど、見ていないところでは結構な悪ガキですよね笑
夏子さんのお見舞いに行ったついでにタバコくすねちゃうし、石でわざと自分の頭を傷つけるし。
大人の操り方を知ってる感じとか。歪んでるなあ〜と。
その歪みっぷりが魅力的でした。

そして眞人はおそらく冒険に出る前は「自分はひとりでもうまく生きていける」と思ってるっぽい。

そんなこの子の行く末を見届けたいと思って見ていた気がします。


眞人の心の変化について

眞人は冒険を通して「怖かったものが怖くなくなった」というところが大きいのではと思います。


眞人にとって恐怖(もしくは嫌悪)の対象だったものは、

・火
…母親を焼いて死に追いやったもの。怖い。
・新しい命
…夏子さんのお腹にある、得体の知れないもの。おそらく父と夏子さんが結ばれたきっかけ。気持ち悪い、もしくは忌々しい。
・友達(クラスメイト)
…ケンカをふっかけてきた。嫌い。

でも冒険の中で、火は怖いものではなく安心できるものに変わり、新しい命はかわいくてきれいな守らなければならないものとして映り、友達は元の世界で生き抜くために必要なものであり、アオサギは忘れたくない親友になってました。


主人公に好感が持てない、と知人が言っていました笑

確かに考えてみたら、眞人は冒険の中で「何かを成し遂げた」みたいなのはあまりないんですよね。
でも「自分はうまく生きていける」と思っていた彼が、冒険の中でたくさん助けられて、元の世界では友達を作ると宣言してました。

そこが眞人の大きな成長で、この物語の余韻にすごく幸福感が残ったと感じています。

さらに、眞人は前半では亡くなったお母さんのことばかりで、お母さんが生きているという誘いにまんまとついていき、偽物にもだまされちゃう始末なのに、
後半でヒミが自分の母親らしいということに気づいても取り乱す様子はなく、最後の別れでは「お母さんと離れたくない」じゃなくて「ヒミは死んじゃダメだよ」なんですよね。
ヒミが元の世界に戻らなかったら眞人は生まれない可能性もあるのに、そんなこと言ってくれたら、「素敵じゃないか、眞人を産むなんて」って思っちゃうよなと。


そのあとのエンディングの「地球儀」ですよ。沁みすぎる。


前情報がなかったからできたワクワク体験


これは大きかったなーと思います。
どんな映画なのか分からないものを見たのは初めてでした。アニメ映画ということ以外。

「現代ものか時代ものか、ファンタジーなのか?主人公はどんな人物なのか?」
と思いながら冒頭を見て、

「この男の子が主人公なんだな、戦争に絡んだ話かな…」

そして話が進うちに、

「なんかファンタジーっぽいぞ!」
「冒険の予感がするぞ!」
「ポスターの鳥ってコイツか!!」
「インコかわいい!!!」

と終始、心が大忙し…

普段だったら
「予告で見たシーンってこれだったんだな」とか思いながら見たりするので、
何が起きるか、どんなキャラクターが出てくるのか全く分からないまま話を追うというのはすごく楽しかったです。


どんな映画か分からない状況で見に行かないとできなかった楽しみ方でした。
今後、たぶん一生こういうことはできないので、とても貴重で素敵な映画体験でした。
ジブリが日本にあってよかったなーと、最初に観た日の帰り道に余韻に浸ったのを覚えています。


まだ色々とつかみきれていない部分があるので、あと数回くらい観にいくかも。笑

また何か気づいたことがあれば書きたいと思います。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

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