見出し画像

【フリゲ感想】傭兵部隊ローレライと黄昏時の涙

この記事の文字数は約5,300字です!

おはこんにちばんは! 富井サカナです。
今回は感想を見ると確信をもって面白そうと思えるのに、フェスの中でもそれほど感想や評価などが付いていない長編作品のご紹介です。

1.どんなゲーム?

今回紹介したいのは、アストライアさんの「傭兵部隊ローレライと黄昏時の涙」です!!

【制作】アストライア 様
【制作ツール】ティラノスクリプト
【プレイ時間】2時間程度
【ジャンル】メカもののADVゲーム
【KW】戦争、ロボット、恋愛、兵器、怪獣
【筆者プレイ時期】2023年2月にプレイ
【筆者プレイ状況】クリア

【あらすじ】
幻歴458年。幻種と呼ばれる怪物が人類を襲うようになって458年。人類の8割が幻種の餌となった時代。ライド・アーミーと呼ばれる兵器を使い、幻種に抵抗する人類。

犯罪に加担する傭兵部隊を秘密裏に始末する暗殺部隊、ローレライ小隊。
彼らの前に現れる特殊な能力を持つ1人の少女や謎の大型RAを巡る、ローレライ小隊の新たな戦いが始まる!

【一言でいえばどんなゲーム?】
世紀末感漂い死がすぐ隣の異世界で美男美女とロボットが大活躍するゲーム


ちなみに本作は続編にあたります。
単独でも十分に楽しめますが、先に前作プレイを強くおススメします!

👆プレイ時間は3時間弱くらいです


2.こんな方に特におススメ!

・何はなくともロボットものが大好物な人
何はともあれロボットモノのとしての魅力に溢れています。ロボットファンには垂涎の一作でしょう。私自身はパッと思いつくところでラムネ&40、ガオガイガー、エヴァ、マブラヴオルタ等々は履修していますが、ガンダムもマクロスもスパロボも完全未履修のへっぽこです。それでも十分に楽しめました。王道ロボットモノ好きの方は是非チェックしてみてください!!


・設定厨な人
で、このロボットの設定がメチャクチャ細かいんです。各機体の製造元の会社が異なったり、開発年代によって性能の差があったり、機体毎の短所長所や相性だったりも細かく設定されています。メイン機体だけでなく搭載する武器にも細かな設定がなされています。ロボットだけでなく軍や部隊なんかの設定もきっちりしています。このためストーリーにとても深みを感じます。そのうえで長々説明がうざったい、というようなことが全くなかったのもお上手です。


・死と隣り合わせの非情な世界でたくましく生きる少年少女を見たい人
本シリーズ、人がもうバンバン死にます。というよりも死ぬだけでなくむしろそれ以上に?殺します。メインキャラは生き抜かなければいけないだけの理由をそれぞれ抱えており、その決意を胸に、生きるためには鬼にも修羅にもなります。この優先順位が明確だからこそ生まれる非情さや葛藤なんかがよく描かれています。第2作目では一筋縄ではいかない複雑な恋愛感情なんかも生まれていて更なるストーリーの面白さがあります。



3.ネタバレなしの感想

ここではネタバレなしの感想を記載します。
ノベコレでの私の感想+補足という形にします。

👇こちらはノベコレでの私の感想へのリンクです
ゲームのプレイ・DLページへのリンクを兼ねています

例によって感想記事を書く前提なのでかなり抑え気味です。今作についてはフェスのガチ勢からのアツいコメントが既に投稿されていたので、全体的に去年と比べて感想は抑え気味にしています。感想が旺盛で嬉しい限りです。

以下、ネタバレのない範囲でもうちょっと感想をつらつら述べます。
自信を持って面白いと言えるので、遊ぼうか悩んでいる方は是非見てください!

■ロボットの魅力が凄い!

今作、バリバリのロボットモノです。人が乗るタイプのロボットはやはり永遠の憧れ。人類の8割が既に幻種と呼ばれる未確認生物?に襲われて死亡した世界で、ロボットが大活躍します。ちなみに主人公たちは人類の敵と戦う正規軍の一員ではなくあくまで暗殺などのミッションを請け負う雇われの傭兵ですので、戦闘の相手が正規軍が邪魔に思う生身の人間だったりもします。ロボ対クリーチャーだけでなく、ロボ対ロボの戦いも堪能できます。オリジナルデザインの多種のロボットの戦闘シーンは圧巻です。

■登場する美少女が可愛い!

ロボットに登場するパイロットはみな20歳前後くらいの男女です。このキャラクターのグラフィックもメカに負けず劣らずとても綺麗です。割とあっさりしたデザインと塗りですがとても綺麗。本作に登場する少女たちは戦闘前と敵の死亡後に澄んだ歌声を披露する鎮魂歌歌姫、殺戮を躊躇わないどころかむしろノリノリな究極のドS、正規軍の募集キャンペーンにも登用されるような美少女系凄腕パイロット、主人公とともに現実世界の日本から異世界へと飛ばされた幼馴染2人など錚々たる顔ぶれになっていますし、ほぼ美少女な戦友もいます。ちなみに主人公ともう1人イケメンも登場しますので淑女のみなさんにも満足いただけるはず。

■世紀末的な世界観!

人類の8割が滅亡するほど幻種に攻め込まれている状態において、人々はがっちり団結するだけでなくとにかく生き延びるために必死になり手段を選ばなくなる局面も見せます。どちらかと言えば北斗の拳的な世界観です。そんな中、主人公たちが置かれた立場は傭兵。この特に危険な部隊に所属する者たちが物語の中心となるので、ストーリーの緊張感がとても高まっています。非情な事件を目の当たりすることにもなりますし、軍の指示に従いターゲットを滅ぼす必要もあるわけです。

■神視点テキストの文体!

本作のテキストは俗にいう神視点となっています。これは本作の雰囲気とピッタリだと感じました。地の文に必要以上に感情が乗ってこないため、ドライな印象が生まれています。命のやりとりの重みがそれだけ軽くなっている殺伐とした感じもありますし、キャラクターの感情が高まるようなシーンでも描写としては一つ線を引くような感覚がありました。ちょっとうまく説明できないのですが、プレイすればなんとなく意味合いが分かるかと思います。また、設定をプレイヤーに伝える際も必要最低限のテキストで済むので長ったらしくならずに良かったと思います。

■BGMがピッタリ!

本作のBGMはフリーのものを使用していると思うのですが、久々に感じるくらいピッタリな選曲だらけだと感じました。プレイの際はBGMにも注目(じゃなくてなんていうんだろう)してみてください!



4.ネタバレありの感想

というわけでここからは完全にネタバレを含みます。
今回はプレイ前の方をかなり意識して書いたのでネタバレは少なめですが、ザックリと話の流れは書いているので未プレイの方は立入禁止です!!


↓ネタバレ記事開始カウントダウン5

↓ネタバレ記事開始カウントダウン4

↓ネタバレ記事開始カウントダウン3

↓ネタバレ記事開始カウントダウン2

↓ネタバレ記事開始カウントダウン1


■ネタバレ感想(1作目)

冒頭のシーンからとても印象的でした。軍紀を乱して自分だけ助かろうとした男に対して、「妹のために」という命乞いを一切聞かずに処刑するローレライ部隊の面々に痺れました。善悪なんてなまっちょろいことは言ってられず、強くなければそもそも生きていけない世界で明確な意志を持つ登場人物たちの姿が良く伝わってきました。
本作ではメインで描かれる孤児院のミッションについても、依頼から真相の究明、エモい結末などが楽しめるのですが、今作の終わりまでで主人公春樹を巡るメインキャラがほぼ勢揃いした感じなので今後への楽しみ・引きがより強いと感じました。
メインヒロインっぽい渚沙、その双子の妹の響子、同じチームのノエル君に新加入のクルト君。ともに異世界に飛ばされた幼馴染の絵理寿たちと、本隊所属の歩とメインキャラだけでも大集合です。
渚沙は戦場ではリーダーとして気丈に振舞いますが、鎮魂歌を歌い死を悼む優しさや酒に溺れる弱さなど人間らしい魅力に溢れますし、クルト君はローレライ小隊や正規軍のやり方に染まっておらず、常識的かつ熱血漢な面を見せてくれますし、絵理寿や歩は主人公への殺意がどこからきているのか非常に気になります。


■ネタバレ感想(2作目)

初っ端から歩と主人公の生死を懸けたシーンが熱かったです。あのシーン、歩の決意のほどがよく伝わってきて超好きです。死を目前にした状態での緊迫感のあるセリフの応酬に痺れた後は偽装恋愛モードに突入して、死地の目の前でまさかラブコメモードが楽しめるとはとビックリです。主人公が叫ぶところや渚沙の酒量が増えるところなんかは特に楽しく、平和だったらこんな世界がありえたのかと思うと切なくもなってきます。
その後のミッションは行方不明になって死亡したと思われる婚約者を探して欲しいというもので、野良エースパイロットと交戦の最中に意外な真相が明らかになります。このあたり、この世界ではとてもありそうな話でなんとも悲しい結末でした。悲しすぎる。ちなみにこの戦いでも仲間が増えるのですが、非情なローレライ小隊が春樹とノエルを仲間に引き入れてからは割と温情采配で若者を救っている様にも見えます。まだシリーズ開始以降でメインキャラは誰も死亡していないのですが、描かれていないだけで死者が多いから補充しなければいけないのでしょうか。それとも、春樹の加入によって渚沙の心情が変わった部分もあるのでしょうか。
第三章では驚きの急展開を見せますが無事に事態は収束。でもそれの束の間、新たな刺客がとうとうやってくる!というわけで今作も引きがバッチリ。正体不明のメアが今後どう本筋に関わってくるのかもとても気になります!


■ちょっと気になった点

何か感じた時はきちんと書いておこう、というスタンスです!
そもそも個人的には全体的にメチャクチャいいな!と思うほど、
気になる点が気になったりするんですよね。(自分だけ?)

〇圧倒的に公式情報が少ない!
まず残念なのがゲームそのものの魅力に比べて圧倒的に本作が埋もれているように思えることです!もうちょっと話題になってたら昨年のフェスのタイミングでプレイしていたのに!という感じです。(せめてお前がプレイしてちょっとくらい話題にしろ、という意見は一旦却下)
で、その理由にも繋がると思うのですが、本作はノベコレのサイト以外で情報が全く見つからないんです。これだけの大作シリーズなので、できればぜひ公式サイトを作って欲しい!それはさすがに手間だとしても、PixivやCi-enやboothなどでは割と簡単に情報を公開できるので、更新頻度激低でも良いので色んな場での情報発信をして頂きたいところです!

〇キャラ+機体情報が見たい!
1作目にはCGモードがアプデ追加されていますが、本作は基本的にスタートからラストまでストーリーを読み進める以外の機能がありません。せっかく登場人物が沢山いて(しかもほぼ全てのキャラに立ち絵がある豪華さ!)、ロボットの設定も細かくなされているので、ここはオプションでプロフィールが見られると有難かったです。誰が誰で、普段はどの機体に乗っていてどんな役割か、というのを掴むまでにかなり時間が掛かってしまいました(そして多分次作を遊ぶ頃には忘れていそう)。ゲームで組み込むのは多少手が掛かるので、ぜひともどこかで情報をまとめて頂けると有難いです。

〇早く話の先を見たい!
これは私が一般と比べてかなりせっかちかつ読むスピードが速いという2点が重なってのことではあるのですが、ウェイトが多かったように感じました。話しているキャラが切り替わる会話シーンもそうですし、戦闘シーンのロボットのアクションシーンの切り替わりなんかももう少し速いテンポだと良かったです(コンマ秒単位の話ですが)。ただ、この点につき他に誰も指摘していないのと、おかげで次はどうなるんだ!感が強まっているという気もするのでこれはこれで最適ウェイトなのかもしれません。


ネタバレ防止緩衝地帯

ネタバレ防止緩衝地帯

ネタバレ防止緩衝地帯

ネタバレ防止緩衝地帯

ネタバレ防止緩衝地帯

ネタバレ防止緩衝地帯



5.おわりに

というわけで「傭兵部隊ローレライと黄昏時の涙」の感想はこれでおしまいです。

こんなに面白い力作シリーズモノを昨年のフェス(TGF2021)で遊び漏らしていたのは切腹モノだと感じました。面白そうだけど遊べていない長編作の心当たりはほかにもたくさんあるので、可処分プレイ時間を全てフェスのゲームに費やす今のプレイスタイルは制作面だけでなくやはり自分には見直しが必要かな?と改めて感じてしまうほどでした。

次回作も楽しみにしているので、ぜひ完結までこの世界を見届けさせてほしいところです!たくさんの方がプレイしてその気持ちが作者さんの耳に届きますように!


以上、富井サカナでした。


↓↓↓↓面白いと思ったフリゲをたらふく紹介しております↓↓↓↓


↓↓↓↓私自身もゲームを作ってます↓↓↓↓


👇埋もれてもなさそうだけどもっと伸びて欲しい自作です👇


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?