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【フリゲ感想】東京オディエットアモ

この記事の文字数は約6,700字です!

おはこんにちばんは! 富井サカナです。
今回は文学作品を下敷きにした珍しい作品のご紹介。
グラフィックもシナリオもBGMも大満足な乙女ゲーです。
夢に満ち溢れた展開が楽しめる一作をどうぞ。

1.どんなゲーム?

今回紹介したいのは、tenthousandさんの「東京オディエットアモ」です!!

👆こちらは第1弾の代沢ロミオ編のリンクです

【制作】tenthousand 様
【制作ツール】ティラノスクリプト
【プレイ時間】各編1~2時間程度
【ジャンル】ネオゴシック恋愛シミュレーションゲーム
【KW】乙女ゲーム、ドS、ヤンデレ、恋愛、シェイクスピア
【筆者プレイ時期】2022年12月にプレイ
【筆者プレイ状況】公開中のロミオ編、公親編、八雲編の両エンドクリア
【特記事項】次回、尾瀬露春日編で完結か!?
【公式サイト】

【あらすじ】
「この恋は悲劇なの?」

ヒロインこと天現寺ジュリは、元は旧家の令嬢だったが、とある事情で没落し、現在は弟とアパート暮らし。
ある日曜日、高額報酬に目がくらみ怪しい臨時バイトを引き受けることに。
バイト会場は個人所有の邸宅で開かれるパーティーということだったが、それは、かつての対立相手だった一族の御曹司、代沢ロミオの開催する「仮面舞踏会」だった。
ジュリは、迷い込んだ舞踏会で4人の男たちと出会い、「運命の歯車」が回り始める。

「ロミオとジュリエット」「ハムレット」「十二夜」「オセロ」を原案、現代の「東京」を舞台にして、たった5日間で繰り広げられるネオゴシック恋愛シミュレーションゲーム。

果たして運命の恋人達が迎える結末は?

【一言でいえばどんなゲーム?】
顔面偏差値∞で癖のすごいイケメンと非日常な恋愛が味わえる乙女ゲーム


興味を惹くOP動画ですが、本編は期待の5倍くらい面白かったです!



2.こんな方に特におススメ!

・性格に癖のあるイケメンたちと浮世離れした恋に堕ちたい人
OP動画を一目見ればお分かりのように、恋愛対象になる相手は一癖も二癖もあるイケメンばかりです。王道のラブストーリーというよりは相手に振り回される形でお話が展開しますが、主人公もたくましいのでタダで振り回されるようなことはありません。イケメンたちは超御曹司、御曹司(院長の息子)、ヤリ手弁護士、ヤリ手IT社長と身分が高ければ所得も多い人たち。顔も良いのでそりゃ自信満々にもなるわ~と言った感じです。


・数々の美しい耽美なビジュアルを堪能したい人
本作のグラフィックはとても美しいです。イベントスチルも各編ともふんだんに用意されています。ジュリが相手に応じて立ち回りを変える変幻自在系の美少女(常に包容力あり)なので、眼福の極み!といったところ。当方男なので、無意識に色んな主人公でメインヒロインのジュリちゃんと恋愛する感じで楽しんでいるかもしれません。


・シェイクスピアや古典文学が好き・興味がある人
本作はシェイクスピアの有名作をベースに、舞台を東京に移してアレンジしたストーリーになります。私は大して親しみが無かったりするのですが、面白そうな企画だと思わせた時点で作者さんの勝利だなと思います。原作知らずに楽しめましたが詳しい人は細かい部分まで楽しめるのではないかと。また、お相手がみな貴族感がある高所得者なので、現代の東京が舞台ですがなんとも古典文学チックな雰囲気(知らないのでたぶん)が味わえます。


3.ネタバレなしの感想

ここではネタバレなしの感想を記載します。
ノベコレでの私の感想+補足という形にします。

👇こちらはノベコレでの私の各編の感想へのリンクです
ゲームのプレイ・DLページへのリンクを兼ねています

もう途中からこりゃnoteで紹介行きだわ~と思っていたので感想の方は分量を調整してみました。他の方の感想を見ていると長めで熱量が高い感想が多い気がしますが、それだけ刺さった人が多いということかと思います。

○ノベコレ感想で触れていない点
3作の共通要素として、動画を用いた画面演出が華やかで好きでした。仮面パーティーが始まるシーンなんか特にぴったりでした。呼称をド忘れしましたが、あのパリピが好きそうなアゲアゲな効果音も良かったです。クライマックスシーンでも一部動画が用いられている時があって盛り上がりに花を添えていたと思います。また、用いられている音楽も印象的なものがたくさんありました。定番のクラシックからボーカル曲をBGMとして使用したり変幻自在感があります。やっぱりエンディングで素敵なボーカル曲流れるとテンション上がりますよね。

あとはシーンリプレイ機能があるのがとても嬉しかったです。あの場面ってどんなだったっけ?という時にとても重宝しました。ED再生にもなっているので本感想記事を書く際にも助かりました。

さてさて、全国6千万人の淑女・乙女のみなさんも、乙女ゲーに抵抗がない残りの男性陣も、興味があれば未プレイの方はいますぐどうぞ!



4.ネタバレありの感想

というわけでここからは完全にネタバレを含みます。
各編の2つのエンディングの結末にも言及しておりますので、未プレイの方は必ず先にゲームのプレイをどうぞ!先に下を読んでしまうと台無しです。


↓ネタバレ記事開始カウントダウン5

↓ネタバレ記事開始カウントダウン4

↓ネタバレ記事開始カウントダウン3

↓ネタバレ記事開始カウントダウン2

↓ネタバレ記事開始カウントダウン1

■キャラクター

こちらの公式キャラ紹介は一切のネタバレがありません。

登場するキャラクターについての感想・感じたことです。キャラ紹介というだけでなく思い切り結末にも触れているので未プレイの方は先に、というか別に以下は見なくても良いのでプレイした方が良いです

○天現寺ジュリ
我らが主人公の女の子。社長秘書を務める大人の女性。包容力があり、素直で無邪気なところもあり、溢れる母性愛まで持っている上に美女。各編をプレイする度に主人公にメロメロっす。でも登場人物紹介に載ってない!なぜ!ギャルゲーと違って主人公の顔とプロフィールは表示しても良いって聞いてたのに!

○代沢ロミオ
超俺様気質で身分を盾にやりたい放題やっていますが、流石に自宅で仮面付けてパーティーってこの若さで発想がオッサン過ぎる!というか誕生日の主役なのに自分も仮面を付けなくても良い気がしました。ロミオ編ではただの世間知らずなお子様なだけで実は主人公に一途な面が見られて魅力的に感じました。公親編でも八雲編でも登場しますがやっぱり一途感がありました。パルクールが好きなんて知らなかった。ハッ!だから簡単に主人公のアパートのベランダに到達してたのか!大学はこういう時は安定の某大。

○目白公親
こちらは透き通るような美青年。大病院の御曹司で米国に留学しているくらいの秀才エリート。こちらもボンボンですが、ロミオと違ってちゃんと努力して結果を残しているので初期状態から好感が持てます。可愛いジュリを思いっきり犬扱いしているのはどうかと思いましたが、幼馴染同士にしか分からない関係性ということなのでしょう。ジュリも喜んでるので口出しするのも野暮ってもんです。都内なのに広い庭に大型犬。ロミオには劣りますが本物の金持ちですなぁ。

○大篠八雲
謎がある男、陰がある男は魅力的だなんて言いますが、まさにそんな感じのキャラでした。適当に仲良く付き合いつつもガードが固くて普段は決して本音を見せないので、自分にだけ心の内を見せられちゃうとそりゃジュリも落ちちゃいますね。頭が画面から出てない?ってくらい長身かと思っていましたが185センチだったのね。自信家で弁護士でイケメンで口が上手い。そりゃモテるわ~。

○尾瀬露 春日
次作で主演を張る予定のCEOお兄ちゃん。まだ内面はそれほどさらけ出していない印象ですが、俺様気質はここまでの攻略対象(上記3名)と同様な雰囲気です。ヤリ手CEOで血の繋がってない美人妹を秘書にしちゃうなんて人生の勝ち組が過ぎる!

○天現寺 団
クセがすごい!な俺様軍団の中にいると更に可愛げがMAXに感じられる弟君。兄同様こちらもジュリとは血が繋がっていないとのこと。血も繋がってないことだし是非個別ルートがあって欲しいのですが、攻略対象は上記までの4人と明記されているのが残念過ぎる!ジュリの寵愛を受けてサッカーを頑張る高校2年生。ロミオが通う某大の付属校ということなので、これはソッカー部所属ということで間違いなさそう(内輪向けトリビア)。

○朴 高尾
トリックスターという称号の通り底が知れないキャラ。完結編までには何かしら正体の説明があるのか謎のままで終わるのかが気になります。語り部としてプレイヤーに話しかけてくる時の目つきはぞわっとします。


■各編のエンディングについて

ここから先は公開中の各編のENDについてです。長々とネタバレ感想を書くのも若干気が引けますし、ストーリー展開をなぞってもしょうがないのでなるべく簡潔に。もちろん未クリアの方は回れ右でお願いします!


■代沢ロミオ編

まずは誰でも大筋は知っているであろう「ロミオとジュリエット」モチーフの作品が1作目ということで掴みはOKです。ロミオのキャラクターは割と某有名マンガの道明寺を彷彿とさせる俺様感があったようにも感じました。開き直っていて気持ち良い裏表のない傲慢な金持ちでした。

ストーリー展開としては超絶ハイスペックな自分に一向になびかない一般庶民が気になっちゃう、という超が付くほどの王道みを感じました。自分自身には稼ぎがない大学生ということでデート代をおごるジュリ、しっかりしすぎてこの人と一緒になれば間違いない感が凄かったです。ロミオは惚れて当然だ!で、それを受けて一念発起してバイトして、ちゃんと自分で稼いだバイト代で身の丈に合ったプレゼントを贈るロミオも良かったです。甘やかされ過ぎてただけで心根は真っすぐで純粋なのねとジュリも惚れて当然だ!

というわけでエンディングを迎えるわけですが・・・
ロミオとジュリエットと言えば時間差心中で有名なので、どんな心中っぷりを見せられるのかとドキドキでした。


〇soireeEND
あっ!死んじゃった!ジュリが死んじゃったよ!からのまさかの展開に驚きました。死人となってロミオに残りの人生を捧げるジュリの想いの深さったらないですし、それをきっかけに生き方を変えるロミオの想いも深い。ラストの背徳的なキスシーンは美しいったらなかったですね。ロミオの巨大な独占欲に溺れていく、なるほどこれがメリバ!メリバってヤツですね!勉強になります!なエンディングでした。パックン怖い。

〇matineeEND
あっ!てことはもう片方のエンディングは心中エンドだ!嫌だ!胸を貫いて死ぬ姿なんて見たくない!からのまさかのもろハッピーエンドで心はウキウキでした。やっぱり根が単純なので味わい深いエンドよりも基本的にはハッピーが好き民なのです。団もなんやかんやロミオを認めているっぽい雰囲気ですし、ラストのスチル+ED曲の晴れやかさったらなかったです。


■目白公親編

次も誰でも大筋は知っているであろう「ハムレット」モチーフの作品。自分は「誰でも」の外にいるのであらすじを見て、これがハムレットね、となってからのプレイ。公親は見た目が線が細い美青年なのにジュリの扱いはナチュラルに犬。ジュリも可愛い忠犬化していてびっくり。

ストーリー展開としてはかなりのサスペンス風味で、叔父がシロなのかクロなのかのドキドキで読む手が(叩くエンターキーが?)進みました。色んなデートシーンでの二人の会話がとても面白くて、ジュリみたいな子とデートしたら超楽しいんだろうなぁとプレイ中やや遠い目になってしまうほどでした。

というわけでエンディングを迎えるわけですが・・・
過去のある出来事の真相については謎のまま終盤を迎えたのでドキドキでした。


〇matineeEND
本編においては先に見るのはこちらのエンドになります。良いところにやってきたぜ!八雲!からのハッピーエンド開始。やっぱり空港での昂るシーンは良いもんで二人の世界が広がってました。ジュリ策士!からのきみちゃん母も策士!公親が思いっきりデレてるのはなんだか新鮮で破壊力バツグンでした。公親がジュリをダーリンって呼んでいるのは、アメリカ留学していて英語がちゃんとマスターできてるからだろうな!とどうでも良いところに感心してしまいました。

〇soireeEND
えー、いい感じで終わったのにその後こっちなのー。順番的にこっちがTRUEじゃんかー。と思いつつプレイ。死人がたくさんでてジュリもすっかりそんなことになってるなんて。ふむふむ、ふむふむと読み進めていると儚くも美麗なスチルが登場。うんうん、なんて思っていたらそこからまさかの展開が始まって凄くびっくりしました!予想の斜め上を行く展開でしたが、これはこれで公親にとっては納得のいく展開なのかも、と思いました。インパクトのある展開で大満足です。パックンとの会話の内容が気になりますがこれは完結までに明かされる謎なのだろうか。ラストの画面演出は凄く良くできていてドッキリしました。


■大篠八雲編

お次は「十二夜」モチーフの作品。全くピンとも来なかったのであらすじを見て、なんか聞いたことあるようなないようなストーリーだな!うむ!となってからのプレイ。八雲はプレイボーイ的に振る舞いつつも本音は見せないタイプ。こういう男に惚れると大けがするぜ!的なにおいがぷんぷん。

ストーリー展開としては男装かつ奴隷なジュリが振り回されまくりでした。いやいや、こんな可愛らしい男がおるかーい!なんで気付かんのじゃーい!とツッコみながらも、女性の前ではすっと心を閉ざす八雲にとってはこの流れでないと深い関係性は築けないんですよねきっと。

というわけでエンディングを迎えるわけですが・・・
直前が公親編だったので特にsoireeENDがどうなるのかドキドキでした。


〇soireeEND
八雲の独占欲が爆発する少し仄暗いエンドでした。でも、ジュリはジュリで八雲の感情と行動をそのまま受け入れている感じがするので、たぶんメリバというよりもハッピー寄りな感じです。毎度soireeENDは団君視点が挟み込まれることでバッドっぽいやるせなさが漂いますよね。終盤の八雲とジュリのやりとりは完結編に向けた頭出しのような感じがしました。こちらはこちらで真相が気になります。

〇matineeEND
ストレートにお互いの想いを告白して付き合う二人。ラスト直前のシーンは会話が非常にシャレオツでした。でもそれ以上に暗転後のめくるめく展開を考えると思わずモモをバシバシと叩いてしまいます。ED曲の最中に表示されるスチルは今回も幸せ満開でした。素晴らしい。


■ちょっと気になった点
何か感じた時はきちんと書いておこう、というスタンスです!
そもそも個人的には全体的にメチャクチャいいな!と思うほど、
気になる点が気になったりするんですよね。(自分だけ?)

〇背景が少し気になった
物語の舞台が多岐にわたっているので統一するのは現実的に非常に難しいとは思うのですが、背景が真新しくて解像度が高めなものと、少し古くて粗めのものが混在しているのが少し気になりました。ちなみに、多少古めの背景自体は本作の古典モチーフという雰囲気に合っていてそれはそれで味があって良いという気もしました。



ネタバレ防止緩衝地帯

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5.おわりに

というわけで「東京オディエットアモ」の感想はこれでおしまいです。

私はフェスが始まってから本作のプレイを始めたのでまとめて3編一気にプレイさせて頂きましたが、各編2~3時間程度とそれなりのボリュームがあったので非常に満足感がありました。まだ未プレイの方はここまでのプレイでも十分に楽しめると思いますが、次回作の尾瀬露春日編で完結っぽいのでそれを待って一気にプレイするのもオツかもしれません。

元々乙女ゲーは遊んだことがなくてティラノゲームフェスくらいでしか遊ばないのですが、毎年毎年高品質な中長編ゲーがたくさん公開されていて驚きます。本作も大満足でしたので完結を心待ちにしたいと思います。

以上、富井サカナでした。


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