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インクジェットプリントの可能性


上のデザイン画は、20年以上前にインクジェットプリントの為に描いた振袖のデザインです。

この頃は、私も若かったので「インクジェットプリントにしか表現できない世界があり、既存の染色方法の商品と差別化し、共存し、これまで着物に興味が無かった人にも興味を持ってもらうことができはず」と、言っていました。

しかし、この考えは、あまり受け入れられず、結局業界の大多数が手描き友禅や絞り染めなどの高級品のフェイクをインクジェットプリントで造って「インクジェット=偽物、印刷物、安物、粗悪品」というイメージを広めてしまったのです。

結果、これが自分たちの首を絞めてしまうことになったのです。

そして、型友禅の職人さんの仕事を奪い、手描き友禅以外の振袖のほとんどが型友禅からインクジェットプリントに移行したので、それが現在では多数派となってしまい、慌てて業界はインクジェットプリントのイメージ回復を図っているようです。


着物デザイナー
成願義夫

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