見出し画像

1950年代、日本の映画が次々に世界の映画祭で受賞していたのだが、受賞作品全てのヒロイン役が同じ女優さんだったことをご存知ですか?

1950年と言えば、終戦後わずか5年しか経過していない。
そんな時代に映画『羅生門』によって黒澤明監督の名前と日本映画がヨーロッパに知れ渡った。
それ以降、1950年代に次々と日本の映画が海外の映画祭で受賞する快挙が起きる。

⚫️『羅生門』
1950年作、白黒 監督:黒澤明 主演:三船敏郎
ベネチア国際映画祭でグランプリ、
アカデミー賞名誉賞

画像1

⚫️『源氏物語』1951年作、白黒 監督:吉村公三郎 主演:長谷川一夫
カンヌ国際映画祭撮影賞

画像4

⚫️『雨月物語』1953年作、白黒 監督:溝口健二 主演:森雅之
ベネチア国際映画祭で準グランプリ

画像3

⚫️『地獄門』1953年作、カラー 監督:衣笠定之助 主演:長谷川一夫
カンヌ国際映画祭でグランプリ、
アカデミー賞で名誉賞と衣裳デザイン賞を受賞

画像4


以上の4作ともそれぞれ別の監督の作品だ。
しかし、ヒロインを演じた女優は全作品とも同じ、一人の女優が演じている。

その女優の名は『京マチ子』

それほど、当時の彼女の存在感は大きく、特別な女優だったのだろう。

時代劇とはいえ、映画に登場する彼女の印象は強烈だ。
そんな京マチ子さんは、2019年に95歳でお亡くなりになっていた。(1924年生まれ)
映画の中では、京マチ子さんの顔は、千変万化、能面の小面にも見えるが、夜叉にも見える。

ゾッとするほどの美しさと、可愛らしさと、怖さと、怪しさと、色っぽさを見事に演じていた。

強烈な印象の女優さんだった。
それぞれの監督達に起用された理由は映画を見ればよくわかる。
まずは、黒澤明監督の『羅生門』をご覧いただきたい。

=============================================

●成願義夫 Jogan Yoshio プロフィール
株式会社京都デザインファクトリー代表取締役伝統文様研究家、装飾画家、アートディレクター、着物デザイナー、グラフィックデザイナー、伝統産業商品開発アドバイザー

●代表作と最近の活躍関西国際空港の初代ウエルカムボードのデザイン。長野県善光寺の納骨堂の納骨壇の扉デザインの他、納骨堂のデザインは多数。サッポロビールワインラベルなど、手がけたデザインは多数多岐に渡る。

●近況2018年、秋、成願がデザインした金属製スマホケースが英国ウェールズ国立博物館に永久保管決定。
2018年、冬、和柄をテーマにした民放テレビ番組に解説者として出演。
2019年、春、ジョルジオアルマーニビューティー主催のイベント講師に招かれる。
2019年、夏、京都駅ビルのフォトスポット四箇所のデザインを手がける。2019年、秋、京都高島屋のバイヤー向け『伝統文様勉強会』講師を務める。2020年、埼玉県秩父市の招きで2日間に渡り講演会と伝統デザイン勉強会を開催。
2022年、NHKのテレビ番組『美の壷』に出演。

●近年はグラフィックデザイナー、壁面装飾画家、着物デザイナー、伝統文様研究家、伝統産業の商品開発アドバイザー、講演家として、テレビなどにも出演し、幅広く活躍中。  著書は、和柄デザイン素材集を10冊以上執筆。総販売数は40万冊を突破。また、著書の大人の塗り絵『和柄のヒーリングぬり絵ブック』(PHP研究所発行)は、累計6万5千冊を突破していまだにロングセラーを続けている。成願の和柄デザイン素材集は日本中のデザイン事務所に、必ず1冊以上置かれていると言われている 。

よろしければサポートをお願いします。 着物業界の為、着物ファンの為、これからも様々に活動してまいります。