ゲームモデルの作り方:13の行動(基礎編)〜ゲームモデルとは何か?〜Vol.3
教員時代の試行錯誤
今、思い返すと、13年間勤めた高校の教員を退職して、スペインのバルセロナに渡り、スペインサッカーコーチングコースを受講した理由は3つある。
1つはゲームモデルとは何か?であった。
ゲームモデルの構造を知り、ゲームモデルをどのように作り、それをどのように選手に伝え、習慣になるまで定着させるのか、その方法論を知りたかった。
2つ目は新しい攻撃メソッドを構築するアイディアが欲しかった。これについては、noteで他に連載しているスペインサッカーコーチングコースレベル3(最高レベル)の卒業論文である「フットボールのダイヤモンド・オフェンスにおける攻撃サポートの構造化」を読んでほしい。
3つ目は、フラシスコ・セイルーロ的に言うと、チーム、選手のパフォーマンスをどのように最適化するかを知りたかった。サッカー選手のフィジカル・トレーニング方法を知りたかったのだ。
様々な文献から戦術的ピリオダイゼーション理論やイタリア人フィジカルコーチのコメッティのサッカーにおけるフィジカルトレーニング方法を試した。戦術的ピリオダイゼーション理論は少し理解できたが、そのトレーニング方法が全くわからなかったので、自分でトレーニング方法を想像して実践するしかなかった。
ゲームモデルが戦術的ピリオダイゼーション理論を実践するための鍵であることはわかっていたが、ゲームモデルをどのように選手に理解させ、定着させるか、フィジカルをどのように鍛えるかが、その当時どのように考えてもわからなかった。
※フランシスコ・セイルーロ:クライフ監督の時からFCバルセロナのフィジカルコーチを20年間勤めた。現在メソッド部門ディレクター、大学教授。
仕様が無いので、冬の間(北海道であったので主に体育館か廊下でのトレーニング)、選手に一般的な筋力トレーニング(ウエイトを使った)やコメッティの理論を応用して、体育館が使える日は、少しボールを使いながら、ウエイトトレーニング、その後はインターバル形式のランニングやダッシュで鍛えるしかなかった。
シーズン中は週に一度フィジカル・トレーニングの日を決めていて、確か火曜日か水曜日だったかと思う。その日のトレーニングは選手には悪いが、非常に退屈であった。ただ、ストップウォッチと選手の走りを見るだけだ。何かが違うと思いながらもどうにもできない自分がいた。
ゲームモデルとは何か?
集団プレーの文脈化:
ゲームモデルとは何か?と考えた場合、様々な文献に様々な定義が書かれている:
ゲームプロセスとしてのゲームモデル:
監督がゲームの様々なモーメントにおいて、チームに表明し、望む、規則的かつ体系的な組織化と集団の行動。
カタルーニャサッカー協会
カタルーニャサッカー協会が言う、様々なモーメントとは、フットボールの4つのモーメントのことで、組織的攻撃、攻撃への切り換え、組織的守備、守備への切り換えのことである。その4つのモーメントにおける規則的かつ体系的な組織化と集団の行動を、監督がチームに示し、習慣づけることが大事である。
次にRCD エスパニョールの育成年代のフィジカルコーチであるPauがこのように述べている:
最初の基準は、個人、グループ、そして集団レベルと最大限の文脈化が、試合のゲームモデルの行動におけるタスクの有無を決定することだろう。 Pau Estévez Planas
Pauが言う、ゲームモデルの基準は、試合のプレー状況に最も近い、個人(ポジション別)もしくはセクトリアル(例DFライン)、グループ(2〜3名)、選手間(インテルセクトリアル 例:DFラインとMFライン)、集団(チーム:10〜11人)の行動におけるタスク(役割)を決定することである。
モウリーニョはゲームモデルの定義についてこのように述べている:
チームがゲームモデルを持つことは非常に重要である。チームを組織化する原理原則の集合であるから、チーム始動の初日から、ゲームモデルに注意を向ける。私たちのゲームモデルの特徴の結果が、テクニック、フィジカル、メンタルに対して影響を与える。
上記3つのゲームモデルの定義に共通する言葉が、集団(チーム)である。モウリーニョが言うようにゲームモデルが、「チームを組織化する原理原則の集合」であると考えた場合、チームプレー、集団プレーとは何かついても定義付けが必要だ。
私が受講したコーチングコースの科目の1つに集団プレー(Juego colectivo)がある。その集団プレー(Juego colectivo)を定義付けたのがセサルとサンスの2人のスペイン人だ。
セサルは、コーチングコースの講師の1人であり、私もレベル3の受講時に、サセルから直接、集団プレーを学んだ。この2人が定義づけた集団プレー(Juego colectivo)の定義とは:
様々なプレー状況の中で起こるボール保持者とボールを保持していない者両方の集団行動、ポジショニング、動き。
Modificat Sans,A.; Frattarola,C. (2009)
ゲームモデルが集団(チーム)の行動であると考えた場合、セサルとサンスが提唱する集団プレーの定義が役に立つことだろう。ボール保持者とボールを保持していない者両方の集団行動、ポジショニング、動きを組織化、構造化することが必要なのだ。
ゲームモデルは様々な要素の相互作用:
ゲームモデルは、環境(プレーをする環境)とその他様々な要素が相互作用したものである。当然監督のプレーアイディアは大切であるが、クラブの構造と目的を理解する必要がある。クラブがゲームモデルを持っている場合もあるので、監督はそれらを考慮しなければならない。また、その国の文化や自チームの選手の才能も考える必要がある。クラブとしてのゲームモデル、監督のゲームモデルがあったとしても、ゲームモデルの実現は選手の才能次第であるからだ。
次に、現在のフットボールにはオルタナティブ(代替案)が必要だ。相手のプレッシングが激しく、ゾーン1で「ボール出し」ができないときは、「ダイレクトプレー」を選択する必要がある。ボールを回復(取り戻す)した瞬間、前方にスペースがあり、数的同数か有利な場合は「カウンターアタック」を仕掛けることを考えなければならない。「攻撃の再構築」は、前方にスペースがなく、数的不利な状況で実行されるべきだ。
※ボール出し:ショートパスやコンドゥクシオンを使って、ゾーン1からボールを出すプレー。
ゲームモデルはチームを組織化する原理原則であるが、それにはプレーの状況における優先順位が必要だ。
例えば、マンチェスターシティのゲームモデルには、「ダイレクトプレー」は存在しないだろう。しかし、試合中、ほんの数回「ダイレクトプレー」をする時がある。それはボール出しのゾーン1で、相手がマンツーマンでプレッシングをしてきたり、数的優位が確保できない場合だ。ゲームモデルは原理原則であり、それ以上でもそれ以下でもない。ゲームモデルに縛られることなく、相手のプレーを読み、プレーをすることが大事だ。
※ダイレクトプレー:「13の行動」の1つ。DFラインの選手やGKが中盤を経由せずに、浮き球のロングボールで相手DFラインの背後やFWにボールを送るプレー。
フットボールは非常に複雑なスポーツであり、単純化することはできない。ゲームモデルは、監督が選手に表明し、望む、規則的かつ体系的な組織化と集団の行動であると考えた場合、個人、グループ、セクトリアル(分野別)、インテルセクトリアル(分野間)、チームとしてのタスクを選手1人1人が理解し、実践できるようにするためには、ゲームモデルを構造化する必要がある。
試合のプレー状況(文脈)において、個人、グループ、セクトリアル、インテルセクトリアル、チームとしての行動を、4つのモーメントにおけるタスクとして監督は選手に具体的に説明することが大事だ。
選手1人1人が試合中のプレーの状況(文脈)を知ることが重要である。プレーの状況が明確にわかるようにゲームモデルを構築できれば、選手のゲームモデルの理解は早いことだろう。
プレーの状況:
上の図は、スペインサッカーコーチングコースが定義するプレーの状況である。
大きく3つにプレーの状況を分けることができる:
選手(グループ:2〜3名、セクトリアル:5人以下を含む)
選手間(6名以上9人以下)
チーム(10〜11人)
上記の3つはゲームモデルを作成するときの基準/キーファクターとなる。
選手の基準/キーファクター
選手間の基準/キーファクター
チームの一般的な基準/キーファクター
その3つを5つのプレーの状況に分ける:
これは戦術的ピリオダイゼーション理論のゲームモデルの方法論であるが、3つを5つのプレー状況に細分化した理由は、トレーニングを実践する時に必要になるからだ。トレーニングを実際に行う場合、以下の5つにプレー状況を分けることで、良いトレーニングをすることができる。
完全な構造の状況(チーム:10~11人):「4つのモーメント」における「13の行動間」の相互作用とリンクである。
インテルセクトリアルの状況(分野間:6~9人):インテルセクトリアル(分野間)とは、6人以上の選手からなる(例:DFラインとMFライン)行動の強調とリンクである。この部分構造であるインテルセクトリアルの状況が「選手間」である。
セクトリアル(分野別:5人以下):5人以下の選手の集団プレーの局面のことである。セクトリアルは「選手」に含まれる。
グループ(2〜3名):2〜3名によるコンビネーションプレーなど、特に攻撃の場面で使用される。グループは「選手」に含まれる。
選手:個人戦術アクション(技術含む)を実行するプレー状況のことである。
なぜ、「選手」は戦術アクションなのかと言うと、スペインのコーチングコースで個人戦術とは、1対1、2対1、1対2の状況のことを示すからだ。
そして、個人の戦術アクションを実行するには技術が必要不可欠だ。
個人戦術は攻撃と守備で3つずつある。
攻撃:
幅、深さ、マークを外す
守備:
マークする、カバーリング、ペルムタ(カバーリングに入った選手のカバーリング)
私は一度、集団プレーの授業の休み時間に、個人戦術と集団プレーの人数の違いについてセサルに質問をしたことがある。
セサル曰く、2対2からが集団プレーであると言うことだ。
1対1、2対1、1対2の状況と言うのは、プレー選択肢が非常に少ない。パス(シュート)かドリブル(コンドゥクシオン)しかなく、2対1の場合は70%以上の確率で2(数的優位)が勝ち、認知も少ししかない。
しかし、2対2からは、様々なプレーの選択肢があり、認知も多種多様である。だから2対2からが集団プレーであるということだった。
ゲームモデルの構造化
前回、高校教員時代のゲームモデルを書いたのだが、コンセンプト、サブコンセプト、サブサブコンセプトという概念を戦術的ピリオダイゼーション理論から学び、その当時の私なりの解釈でゲームモデル(プレーモデル)を作った。
最も苦労したのが、サブコンセプトとサブサブコンセプトであった。頭の中で考えたり、図に描いたりして、コンセプトのテーマに適応するようにとかなり苦心して考えた。はっきり言うと曖昧なサブコンセプトとサブサブコンセプトになってしまった。いつ、どこで、どのモーメントで、誰がと言うのが曖昧であったり、抜けていたりしていた。これだど選手は、様々なプレーの状況の中で、どのようにプレーをしたら良いのか、わかりづらかったことだろう。
スペインサッカーコーチングコースのゲームモデルは戦術的ピリオダイゼーション理論を参考にしている。高校教員時代のゲームモデルの理解の方向性は間違ってはいなかった。ただ、ゲームモデルを深く理解する文献がその当時日本国内にはなかったのだ。
コンセプトは、チームの一般的な基準/キーファクターであり、
サブコンセプトは、選手間の基準/キーファクターであり
サブサブコンセプトは、選手の基準/キーファクターに置き換えることができる。
このことをもっと早くに知りたかった。
次に、スペインサッカーコーチングコースでは、ゲームモデルを誰にでもわかるように構造化し、ゲームモデルの手引きを作成している。
ゲームモデルの手引き:
- 監督は、選手の特徴に適したゲームの構造を創造しなければならない。
- ボールの近くにいる選手(相互扶助)と遠くにいる選手(協力)の、選手間のプレーの調和がなければ、良い集団プレーをする可能性はない。
- この集団的秩序は、厳格でなければならないが、創造性も容認しなければならない。選手が起こるであろう、様々な状況に適応するのに十分オープンでなければならない。
- そして、監督として、私たちが提案するプレースタイルにかかわらず、私たちのゲームに意味を与える完全な構造から初める必要がある。
- ボールから遠く離れている選手に与える様々なキーファクターは、私たちのゲームに集団的な意味を与える。
構造には「組織化」と「機能性」がある
組織化:それは監督が与える、数に基づいた、選手がスペースを支配する方法である。
機能性:それらは選手間の相互作用から生じるプレーの規則性である。
プレースタイル:
ゲームモデルを作る前に、最初にプレースタイルを決める。例えば、「連携プレー」なのか、「縦に速いプレー」なのかを決める。
「連携プレー」を選択するなら、その手段は例えば、「ポゼッション」や「ポジショナルプレー」など。「縦に速いプレー」であれば、その手段は例えば、「ダイレクトプレー(DFラインから中盤を省略して、相手DFラインの背後やFWに浮き球のロングパスを送る)である」。
気をつけたいのが、「カウンターアタック」はプレースタイルではない。「攻撃への切り換え」のモーメントにおける「13の行動」の1つでしかない。
システム:
プレースタイルが決まったら、次に、チームのシステムを決める。現代フットボールではゾーン1、ゾーン2、ゾーン3の攻撃と守備において異なるシステムを使うチームが多いが、ここでは原則的な1つのシステムを決める。もちろん、何種類もシステムを決めておくのも構わないだろう。
例:4−3−3、4−4−2、3−5−2
自チームの選手の特徴や、クラブや監督が目指すゲームモデルを考慮して、できるだけ、それらが反映されるシステムを選択すると良いと考える。個人的には、システムに関してはここではあまり重要ではない。
13の行動、考慮するファクター、基準/キーファクター:
ゲームモデルには「2つの局面」「4つのモーメント」、4つのモーメントを基にした「13の行動」があある。
その行動の下に「考慮するファクター」があり、その考慮するファクターの下に「チーム、選手間、選手(グループ、セクトリアル含む)」としてのタスクがある。
ゲームモデルの「2つの局面(攻撃と守備)」については、これはそのクラブやチームがどのようなフットボールをしたいのかという根幹であり、プレー哲学(アイデンティティー)である。
マンチェスター・シティのプレー哲学(アイデンティティー)を例にすると:
攻撃の局面:ボールを保持すること。
守備の局面:ボールをできるだけ早く回復すること。
非常に単純であるが、攻撃の局面で「ボールを保持すること」を表明するならば、守備の局面は必然的に「ボールをできるだけ早く回復すること」になる。これがゲームモデルを作成するときにまず最初に決めることだ。
その「2つの局面」の下にフットボールの「4つのモーメント」がある。
「4つのモーメント」の下に「13の行動」がある。
この「13の行動」が、選手がゲームモデルを理解し、実践できるようになるために非常に有効な手段である。なぜなら、選手は、どこで、どのようなプレーをしなければならないかを明確に知る必要があるからだ。
同じ組織的攻撃のモーメントにおいても、ゾーン1とゾーン3では求められるタスクや配置が各選手違う。
例えば、GKからの「ボール出し」はゾーン1から行われる。その時の配置、チーム、選手間、選手のタスクと、ゾーン3で行われるセットオフェンス時の配置、チーム、選手間、選手のタスクは違うはずだ。そのプレーが行われている状況(4つのモーメント)と3つのゾーンにおいての「13の行動」のタスクを構造化することがゲームモデルの理解と実践に大いに役立つことだろう。
「13の行動」には、どのようにそれを実際に実践するかというメソッド、攻撃戦略が必要であり、それが次に説明する「考慮するファクター」や集団プレーの「基準とキーファクター」に現われる。
考慮するファクター:
上の図は考慮するファクターの例である。
局面:攻撃
モーメント:組織的攻撃
行動:ボール出し(ゾーン1)、前進(ゾーン2)、ダイレクトプレー、セットオフェンス(ゾーン3)のどれか。
行動の下に考慮するファクターがある。「攻撃の組織構造」「組織的攻撃の集団アクション」と「組織的攻撃の補償アクション」の3つだ。
そして、考慮するファクターの下に基準/キーファクター(一般的、選手間、選手)がある。
攻撃の組織構造とは、チーム全員で共有する一般的な攻撃の基準/キーファクターだ。
攻撃の組織構造の定義:
プレーの前進を容易にし、ボールを受ける選手がコンドゥクシオンをするのが有利になるように調整し、ライン間バランスを維持する目的でチームが採用する集団のポジショニングである。
※コンドゥクシオン:スペースへの運ぶドリブル
例: ・相手の背後、ライン間にフリーマンを作る
・数的優位:フリーマンを作る (2対1、3対1)
・あるエリアをオーバーロードする
※オーバーロード:あるエリアにおいて、ディフェンスプレイヤーの人数よりも多くオフェンスプレイヤーを配置させること。
次に組織的攻撃の集団アクションの定義は:
組織的攻撃の集団アクションの定義:
攻撃しながらゲームのさまざまなプレーの状況を最適に解決するために、チームのメンバーとその文脈の間の相互作用から生じる個々のおよび/または集合的なアクション。
これは組織的攻撃の集団アクションにおけるチーム、選手間、選手の基準/キーファクターだ。
例:ボール出し
チームの一般的な基準/キーファクター:
ボールはハーフスペースにスペースが見つかるまで動かし続ける。
選手間の基準/キーファクター:
パスラインに選手の密度が濃くなるのを避けるために、ライン間の距離を取る。
選手の基準/キーファクター:GK
ゴールキック時は、相手の配置を分析し、フリーマンを注意深く探す。
チーム、選手間、選手の基準/キーファクターは、各行動に多くて5、6つ。各チームの選手のレベルにもよるが、個人的には3つが最適だと考える。選手のレベルに合わせて要求することを調整していく。
次に組織的攻撃の補償アクションの定義について:
組織的攻撃の補償アクションの定義:
ボールポゼッションを失った場合、カウンターアタックを避ける良い配置を取ることを目的とした、ボールポゼッションをしているチームによって実行される個々のおよび/または集合的なアクション。
この組織的攻撃の補償アクションと言うのは、攻撃しながら、絶えずボールを失った場合のこと、守備への切り換えを想定したポジショニングを取り、相手のカウンターアタックを未然に防ぐことを目的としている。
例:セットオフェンス
チームの一般的な基準/キーファクター:
チームは常に攻撃が行われている方向に向かわなければならない(アイソレーションの場合は除く)。
選手間の基準/キーファクター:
シュートしたら、予測してセカンドプレーを狙う。
選手の基準/キーファクター:ボール保持者
同じラインでボールポゼッションできなく、ボールを失う危険性がある場合は、危険回避のパス(バックパス)をする。
※セットオフェンス:ゾーン3で行われる。チームがボールを保持した後、カウンターアタックを試行せず、オフェンスの態勢を整えて行われるオフェンス。
※オフェンシブ・ポジション:相手の選手が自チームのディフェンスに参加せずに、前方に残り、カウンターアタックを狙う配置にポジションを取ること。
※オフェンシブ・ポジションの監視:相手の前に残っている選手を監視し、カウンターアタックを未然に防ぐ配置にポジションを取る。主にCBや攻撃に参加しないSBが実行する。
集団プレーの基準とキーファクター:
説明が前後するが、「13の行動」の下に、チーム、選手間、選手の基準とキーファクターがある。
基準は、目的に方向付けられたプレーの状況において決断を下すために従うノルマである。
キーファクターは、様々なプレーの状況で自分のパフォーマンスを最適化できるようにするために選手に情報を伝達することである。
Cabrera; I. , Fernández; D., Paloma; V., Poyatos; D. i Vivés; M. (2016)
基準とキーファクターは、プレー原則が最も細分化されたものであり、チーム、選手間、選手がそのプレーの状況に適応するための手助けとなる。各選手が、プレーの状況と「13の行動」に応じて、それぞれチーム、選手間、選手としてのタスクを理解し、実行するために、この基準とキーファクターをしっかりと設定することが非常に重要である。
次回からは、いよいよ「13の行動」についての詳しい説明と、ゲームモデル作り、そしてトレーニング例を紹介する。
ゲームモデルの作り方:「13の行動」(基礎編)を購入していただいた方には、特典として「13の行動」の動画をプレゼントします。その動画を観ていただければ、「13の行動」の1つ1つが理解しやすいと思います。
最終的にゲームモデルを選手に理解させ、実践できるようにするためには、動画で説明するのが、最も良いと考えるからです。
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