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Joint By Joint Theoryを現場応用する

こんにちは鍼灸師の岩沢です!

本日はジョイントバイジョイントセオリー(以下JBJT)について話していこうと思います!



JBJTについて皆さんはどれだけ知っているでしょうか?

これはGray Cook & Michael Boyleらが提唱している理論の一つで、人体の関節は安定性関節(Stability Joint)と可動性関節(Mobility Joint)が交互に重なっているというものです


例えば膝関節は安定性が高い方が機能的であると彼らは言います

それに対し股関節は可動性が高い方が機能的であると言います


このように関節ごとに安定している方が機能的な関節と可動している方が機能的な関節が交互に重なっているという考え方がJBJTの基本となります



そこで今日はJBJTの基礎から現場で使える応用例まで一気に解説していきたいと思います

詳しく解剖を知りたい方などはコメントいただければまた作りたいと思ってますのでぜひよろしくお願いします!


JBJTの原理原則


ではまずどの関節が安定に寄与しどの関節が可動に寄与しているのかみていきたいと思います

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ざっくりこんな感じで分けることができます

印象としては組織として脆弱である関節は安定、強固にできている関節は可動と言い換えられるかも知れません



例えば頸椎、体幹と頭部をつなぐ関節ですがどうみても不安定です


頭部という重たく大きな部位を体幹につなぐという役わりや、頭部の方向転換や加速に対して運動を起こす関節になりますが基本的に安定するための関節だと言えると思います



ではその下にある胸椎はいかがでしょうか?

頚椎とは違い肋骨を介して胸郭というユニットを形成している胸椎は頚椎に比べ強固であると言えると思います


そして胸椎は胸郭の回旋という大きな動きに対して働く関節なので可動性関節であると言えるでしょう


こんな具合にJBJTでは交互に可動性と安定性に適した関節が並んでいるとされます


JBJTを勘違いしない

JBJTを現場で使う際によくある間違い、勘違いとして安定性ということを固定としてしまうことです


例えば膝関節はJBJTでは安定性関節に含まれますが、その際に膝は動かしてはいけないという解釈をしてしまうことがあります


確かに膝関節は安定している方が機能的ですが、それは決して動かしてはいけないということではなく安定して動くことが望ましいということです


下にあるものを取ろうとする動作を思い浮かべてみてください

この際、しゃがむ動作が必要になってくると思いますが、

もし膝関節が固定、つまり曲げてはいけないということになると腰椎を大きく屈曲させる必要が出てきます


JBJTでは腰椎もまた安定性関節に含まれるので不都合が起きてきてしまいます

このシュチュエーションにおいて必要なことは膝関節も腰椎も可動しますが安定した可動でなければならないということです

具体的には膝関節は軽度屈曲位、腰椎も軽度屈曲位で過度な回旋など構造的に負荷のかかりすぎる運動は避けるようにすることが望ましいでしょう



さらにいうと、足関節や股関節に器質的な異常のある患者さんやクライアントさんに対してであれば、逆に膝関節を可動させることによって足関節や股関節へのストレスを意図的に下げなければならないことも大いにあります


そういった場合、JBJTは適応しないこともあります


なのでJBJTはあくまで考え方の一つの眼鏡として活用することをお勧めします



JBJTの現場応用(スクワット)


さて、ではここからはいくつか例を出してJBJTを現場に応用するこつをお話しさせていただきたいと思います


リラクゼーションや整体などではあまり応用するということは難しいかと思いますが

運動療法においては劇的な効果を発揮することもしばしばあるのでぜひ読んでいただけると嬉しいです

ではスクワットを見てみましょう


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少し雑談を挟みますが、

スクワットの正しいフォーム論争はいまだに尽きません


私の考え方はこうです

スクワットにも種類があり、そもそも何のためにスクワットをするのかということによってスクワットのフォームは変わるので(ハイバーとロウバーとかもそうね)

大っぴらに、スクワットのフォームについてあれが正しいこれが正しいといってる方は

トレーニングの本質を全く理解していないおバカであると世間様に言っているようなものだと、、、


さて茶番はここまでにして本題に行きます

JBJTでスクワットを因数分解していくと


胸椎あたりから運動に深く関わっていき


胸椎=伸展(可動)

腰椎=中間位(安定)

股関節=屈曲、伸展、内旋、外旋(可動)

膝関節=屈曲、伸展(安定)

足関節=屈曲、伸展、回内、回外(可動)


ざっくりでもこれだけ出てきます


文字に起こすとわかりやすいと思いますが見た通り

可動性関節は動きが多いのがわかります

動きの種類だけではなく実際にスクワットをしてみるとわかるの思いますが、可動域も大きいことがわかると思います


ちなみに胸椎も可動性関節だけど?というコメントが来ることを想定して先に言いますが

スクワットにおける胸椎の役割はスタビライザーなので、可動する必要はありません

これはJBJT以前に動作の性質として、考えていただけるとわかりやすいかと思います



例えば胸椎が可動した場合どうなるでしょうか?

その上に乗っかる頚椎はそれに対して安定性や可動性の要求がさらに高まります

さらに頭部にかかる遠心力によって、より強い負荷が頚椎にはかかってきます

というふうに動作の特徴の一つとして、腰椎より上位の関節は全て安定している方が効率的なのでスクワットの場合は、可動性関節の胸椎は安定性関節として働きます


このようにJBJTは一般的という範疇を逸脱できないので、全てに当てはめて考えてしまうのはリスクを伴います


かといえこの考え方はベースとしては、理にかなっておりとても魅力的な理論なので皆さんも、ぜひ一度勉強してみてはいかがでしょうか?

またもっと詳しいことが知りたいという方や他のメソッドや解剖、運動についてS知りたいという方がいらっしゃいましたら

今後もこういったnoteなどを制作していこうと思いますので

ぜひコメントをお願いします!

最後まで読んでいただきありがとうございました!


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