対象読者
このブログは次の読者を対象に書きました。
When to Dig a Moat
このブログはWhen to Dig a Moatにインスパイアされて書いてます。
原文を読むことを推奨しますが時間がない方のためにGPTを使って要約しました。
アセットと不確実性の2軸で考察してみる
ここからは自分なりに考察してみます。
縦軸を「アセット」、横軸を「不確実性」で描いたときに
スタートアップは右下、大企業は左上にそれぞれプロットできます。
不確実性が小さい領域は、アセットを持っている大企業が参入するので、スタートアップが参入すべきは不確実性が大きい右下の領域です。
アセットを持つプレイヤー
アセットを持つプレイヤー(大企業をイメージしてます)の参入方法には、今は市場はないけれど、未来には確実にその市場があると言う領域がありそうです。
例えばキャッシュレスのPayPayや大規模言語モデルの開発といったもの。
技術もバリデーションされているので、アセットを持ってるプレイヤーが参入する領域です。
もう一つあるのは、PMFと参入障壁(フライホイールであることが多い)のバリデーションを終えたスタートアップを買うといった方法です。
ソフトバンクは、この2つのパターンが多いんじゃないかと思いながらIRを見てます。
アセットを持たないプレイヤー
アセットを持たないプレイヤーには、スタートアップの他にスモールビジネスもあります。
スモールビジネス
LLMアプリは、OpenAI APIやMicrosoft Azureを使えば開発できるので、技術の不確実性はなさそう。
それに多くの人がプロンプトやユースケースを公開していて、且つ既存のユースケースからのリプレイスも起きそうです。
したがって市場の不確実性もなさそう。
今ならLLMアプリで、アセットを持つプレイヤーが参入しない市場規模が小さい領域に多くのチャンスがありそうです。
参照元の記事では堀(参入障壁)の重要性に言及していますがこの領域であれば、それほど深い堀は必要なさそうです。
なので、この領域でいくつかプロジェクトを立ち上げました。
タイムマシン
スタートアップで多く見る方法にタイムマシンがあります。
海外で成功してるスタートアップのビジネスモデルをオマージュするパターンです。
不確実性の多くの割合が検証済という状態です。
そのままコピーするのでなく、ローカライズしたりB2Bであれば企業のワークフローに組み込んでいくことがポイントです。
既に海外のLLMアプリがいくつか立ち上がってますので、この領域でもプロジェクトを立ち上げました。
最近身近で起きたことから学んだこと
最後にスタートアップ(右下の領域)の立ち上げで最近身近で起きたことから学んだことを紹介します。
友人とスタートアップ領域で新規事業をやることになりました。
B2Bセールスが強みであり、ユニコーンを目指したい友人がファウンダーのスタートアップです。
私からあるアイデアを提案し、その友人のWillにも強くマッチしていると言うことで始めました。
(アイデアの具体は言えないので抽象的な話になってすみません)
そのアイデアは、強いペインはあるがマーケットは存在せず、もし成功すれば大きな市場を創造できます。(市場の不確実性が大きい)
一方で、ひたすらオペレーションを磨いていけば実現できます。(技術の不確実性は小さい)
このことから市場の解像度を高くすることを目的としたバリデーションプロジェクトをキックオフしました。
バリデーションプロジェクトの結末を言うと1回目のN1インタビューでプロジェクトは終了になりました。
私の中では最短記録で終了になったので、何故そうなったのか振り返りをしています。
ファウンダー・プロブレム・フィットが不十分だった
結論を言うとファウンダー・プロブレム・フィットが不十分でした。
不確実性が高いが故に、必然的に何度も試行してピボットを繰り返すことになりますがそれには向かってる未来を信じきれないといけません。
ピーター・ティールの言う「賛成する人がほとんどいない、大切な真実」って、この状態に近いんじゃないかと思っていて、論理で考えると、その未来は破綻するが自分だけがその未来を信じていて、何度も仮説&検証を繰り返すうちに解像度が高くなり、後付けて論理がつながってくる。
(誰もそれをやっていないのは、それなりの理由がある)
そこにたどり着く前に(ましてや1回目の検証で)終了になったのは、ファウンダー・プロブレム・フィットが不十分だったという結論になりました。
(不確実性が大きいので外れる確率は高いです。なので自分(会社)が死なないように撤退基準は大事です)
さいごに
When to Dig a Moatにインスパイアされて、アセットと不確実性の2軸で考察してみました。
何かの参考になれば幸いです。