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ChatGPTを使った新規事業開発で不確実性を味方にする方法

対象読者

このブログは次の読者を対象に書きました。

  • 新規事業開発を検討している企業の経営者やマネージャー

  • スタートアップとスモールビジネスの創業者や経営陣

  • LLMを使って新規事業を検討しているエンジニア

When to Dig a Moat

このブログはWhen to Dig a Moatにインスパイアされて書いてます。

原文を読むことを推奨しますが時間がない方のためにGPTを使って要約しました。

「When to Dig a Moat」という記事から、主要なポイントを5つ挙げると以下のようになります:
堀の重要性: スタートアップが競争からの利益を守るための「堀」の重要性が強調されています。堀はビジネスの成功を保護するための障壁として機能します。
現代の誤解: 現在のトレンドとして、最高の製品や才能を持つ企業は堀を掘る必要がないという誤解がある。しかし、記事はその逆の考えを提唱しています。
成功の保護: スタートアップが初めて成功の兆しを見せると、その成功を維持・拡大するために堀を掘る必要があると主張されています。
AI技術のスタートアップ: AI技術を中心にしたスタートアップ、特にOpenAIのAPIを利用する企業は、堀の重要性を特に感じていると指摘されています。
堀のタイミング: スタートアップの成長段階や市場の状況に応じて、堀を掘るタイミングが変わることが強調されています。適切なタイミングでの行動が、長期的な成功につながるとされています。

When to Dig a MoatをGPTを使って要約

以下は「When to Dig a Moat」という記事の第5の主要なポイントに関する詳細な内容です:

ジェネラティブAIの競争と堀の重要性
ジェネラティブAIスタートアップ、特にOpenAIのAPIを利用したもの(「GPTラッパー」とも呼ばれる)に関する議論が増えている。一部のVCやアナリストは、これらのスタートアップには競争上の優位性(堀)がないと考えている。一方、ビルダーたちは、素晴らしい製品を作り、迅速に成長することが最も重要であり、堀は後で築かれると主張している。

・The Informationは、ジェネラティブAI企業のJasperとMutiny AIが従業員を解雇していると報じた。Jasperは特に急成長していたが、増加する競争の中で、十分な堀を築くことができなかったようだ。

・ジェリー・ノイマンの「Productive Uncertainty」によれば、新しいスタートアップの唯一の堀は「不確実性」であり、これによって競争が遠ざけられ、堀が築かれる時間が得られる。

・ジェネラティブAIの領域では、不確実性がほとんどない。ChatGPTを利用することで技術的な不確実性が排除される。しかし、多くのジェネラティブAI製品の初期の成功により、市場の不確実性も排除される。ジェネラティブAI製品が成功を収めると、他のスタートアップ、ブートストラップ企業、ソロビルダー、既存の大手企業など、ユーザーを求めて競争相手が現れる。

・このような急速に進化する領域では、競争相手が現れるまでに十分な堀を掘る可能性は低い。Battery VenturesのBrandon Gleklenは、ジェネラティブAI企業が堀を心配する必要はなく、時間の経過とともに顧客のフィードバックに基づいて進化することで、堀を築くことができると主張している。

・しかし、ジェネラティブAIのような確実な領域では、最終的には不確実性を持つ企業にとっての「最終的に」は贅沢である。不確実性の覆いの下で堀を掘ることで成功を収めたHugging FaceやRunwayのような企業が例として挙げられる。

このセクションは、ジェネラティブAIのスタートアップが直面する競争と、成功を守るための堀の重要性に焦点を当てています。

When to Dig a MoatをGPTを使って要約

記事「When to Dig a Moat」において、不確実性に関して以下の2つの主要な種類が挙げられています:

技術的不確実性 (Technical Uncertainty): これは新しい技術やアイディアが実際に動作するかどうか、または期待通りに機能するかどうかという不確実性を指します。例えば、新しい技術が開発されたときや、まだ試されていないアイディアが提案されたときにこの種の不確実性が生じます。

市場の不確実性 (Market Uncertainty): これは新しい製品やサービスが市場で受け入れられるかどうか、またはどの程度の需要があるかという不確実性を指します。新しい製品やサービスが市場に導入されたときや、既存の製品やサービスが新しい市場に展開されたときにこの種の不確実性が生じることがあります。

When to Dig a MoatをGPTを使って要約

記事「When to Dig a Moat」によれば、技術的不確実性市場の不確実性の間には、リターンに関する明確な違いが指摘されています。

技術的不確実性のリターン: 技術的な問題や課題を解決することで得られるリターンは非常に大きい可能性があります。これは、新しい技術やアイディアが成功すれば、それによって大きな競争上の優位性や市場のリーダーシップを獲得することができるためです。しかし、技術的なハードルが高い場合、それを乗り越えるのは困難であり、成功するまでの時間やリソースが多く必要となることがあります。

市場の不確実性のリターン: 市場の不確実性を克服することで得られるリターンは、技術的不確実性よりも小さい可能性があります。これは、市場のニーズや要求を正確に理解し、それに応じて製品やサービスを提供することが必要となるためです。しかし、市場の不確実性を正確に捉えることができれば、その市場での成功は比較的迅速に実現することが可能です。

総合的に見ると、技術的不確実性を乗り越えることで得られるリターンは大きい可能性がありますが、それを実現するためのリスクやハードルも高いです。一方、市場の不確実性を解決することでのリターンは、比較的早期に実現することができる可能性がありますが、そのリターン自体は技術的不確実性よりも小さいかもしれません。

When to Dig a MoatをGPTを使って要約

アセットと不確実性の2軸で考察してみる

ここからは自分なりに考察してみます。
縦軸を「アセット」、横軸を「不確実性」で描いたときに
スタートアップは右下、大企業は左上にそれぞれプロットできます。

不確実性が小さい領域は、アセットを持っている大企業が参入するので、スタートアップが参入すべきは不確実性が大きい右下の領域です。

アセットを持つプレイヤー

アセットを持つプレイヤー(大企業をイメージしてます)の参入方法には、今は市場はないけれど、未来には確実にその市場があると言う領域がありそうです。
例えばキャッシュレスのPayPayや大規模言語モデルの開発といったもの。
技術もバリデーションされているので、アセットを持ってるプレイヤーが参入する領域です。

もう一つあるのは、PMFと参入障壁(フライホイールであることが多い)のバリデーションを終えたスタートアップを買うといった方法です。

ソフトバンクは、この2つのパターンが多いんじゃないかと思いながらIRを見てます。

アセットを持たないプレイヤー

アセットを持たないプレイヤーには、スタートアップの他にスモールビジネスもあります。

スモールビジネス

LLMアプリは、OpenAI APIやMicrosoft Azureを使えば開発できるので、技術の不確実性はなさそう。
それに多くの人がプロンプトやユースケースを公開していて、且つ既存のユースケースからのリプレイスも起きそうです。
したがって市場の不確実性もなさそう。

今ならLLMアプリで、アセットを持つプレイヤーが参入しない市場規模が小さい領域に多くのチャンスがありそうです。
参照元の記事では堀(参入障壁)の重要性に言及していますがこの領域であれば、それほど深い堀は必要なさそうです。
なので、この領域でいくつかプロジェクトを立ち上げました。

タイムマシン

スタートアップで多く見る方法にタイムマシンがあります。
海外で成功してるスタートアップのビジネスモデルをオマージュするパターンです。
不確実性の多くの割合が検証済という状態です。
そのままコピーするのでなく、ローカライズしたりB2Bであれば企業のワークフローに組み込んでいくことがポイントです。
既に海外のLLMアプリがいくつか立ち上がってますので、この領域でもプロジェクトを立ち上げました。

最近身近で起きたことから学んだこと

最後にスタートアップ(右下の領域)の立ち上げで最近身近で起きたことから学んだことを紹介します。

友人とスタートアップ領域で新規事業をやることになりました。
B2Bセールスが強みであり、ユニコーンを目指したい友人がファウンダーのスタートアップです。

私からあるアイデアを提案し、その友人のWillにも強くマッチしていると言うことで始めました。
(アイデアの具体は言えないので抽象的な話になってすみません)

そのアイデアは、強いペインはあるがマーケットは存在せず、もし成功すれば大きな市場を創造できます。(市場の不確実性が大きい)
一方で、ひたすらオペレーションを磨いていけば実現できます。(技術の不確実性は小さい)

このことから市場の解像度を高くすることを目的としたバリデーションプロジェクトをキックオフしました。

バリデーションプロジェクトの結末を言うと1回目のN1インタビューでプロジェクトは終了になりました。
私の中では最短記録で終了になったので、何故そうなったのか振り返りをしています。

ファウンダー・プロブレム・フィットが不十分だった

結論を言うとファウンダー・プロブレム・フィットが不十分でした。
不確実性が高いが故に、必然的に何度も試行してピボットを繰り返すことになりますがそれには向かってる未来を信じきれないといけません。

ピーター・ティールの言う「賛成する人がほとんどいない、大切な真実」って、この状態に近いんじゃないかと思っていて、論理で考えると、その未来は破綻するが自分だけがその未来を信じていて、何度も仮説&検証を繰り返すうちに解像度が高くなり、後付けて論理がつながってくる。
(誰もそれをやっていないのは、それなりの理由がある)

そこにたどり着く前に(ましてや1回目の検証で)終了になったのは、ファウンダー・プロブレム・フィットが不十分だったという結論になりました。
(不確実性が大きいので外れる確率は高いです。なので自分(会社)が死なないように撤退基準は大事です)

さいごに

When to Dig a Moatにインスパイアされて、アセットと不確実性の2軸で考察してみました。
何かの参考になれば幸いです。


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