マガジンのカバー画像

サカキシンイチロウのおいしい手帖

426
おいしいお店。おいしい料理。 愛着があってずっとこのままでいてほしいなぁ…、と心から思える宝物みたいなお店や料理を紹介します。
運営しているクリエイター

#洋食

入谷の香味屋。上等な料理、贅沢な時間

入谷の「香味屋」で贅沢な昼。 大正末期、輸入雑貨店としてスタートし船上料理長だった二代目さんが洋食店として再開業。「かみや」と読みます。 昔、新宿にもお店があった。そのときにはよく行っていたけどこの本店は3度目かなぁ…、ひさしぶり。 凛とした空間。テーブルクロスに銀器が並び、心地よい緊張感に背筋がのびる。 高い天井、サービススタッフは黒いジャケット、蝶ネクタイ。昔のホテルのメインダイニングはこういう雰囲気だったよなぁ…、って良き時代をなつかしむ。 腹ペコ5人でテーブル囲む

ビフカツカレーのカレーはソース。カツレツの味を邪魔しない。

タナカくんが逝ってから14回目の23日。今日は伊勢丹の中を散歩する。 館の中に入ると年中気温は春か秋。外は雨でも中は晴れ。上下移動はエスカレーターかエレベーターでススイと行けて、なによりそれほど大きくはない。 隅から隅まで歩いても疲れない程度の空間にぎっしりゴキゲンが詰め込まれている。住む場所をどこか一ヶ所自由に選べるとすれば文句なくこの伊勢丹の新宿店…、って二人でいつも話していたほどオキニイリ。 のんびり歩いておしゃべりをしてお腹がすいたら食堂街。今日は洋食の西櫻亭にやっ

櫻井さんちの上等洋食、おもてなし

上等な洋食を食べたいなぁ…、と思ってそれで御徒町。 東京で背筋が思わずしゃんと伸びるような洋食レストランは、不思議なことに皇居の東側に集まっている。 それも浅草、上野、銀座と東京メトロ銀座線の沿線エリアに集中してる。 考えてみれば銀座線って昭和のはじめの完成。そして当時の高級料理の代表が洋食だった。だから洋食レストランが上野、銀座界隈に集中しているのは不思議じゃなくて当然なのかもしれないなぁ…。 地下鉄で上野、御徒町に近づくとおいしい洋食を食べたくってお腹がなります。 今日

洋食の花形、ベシャメルソースとデミグラスソースを共に味わう

通っているうちに徐々に好きになっていく店がある。 情熱的な一目惚れじゃなく、時間をかけて好きなところがひとつ、そしてまた一つと見つかって、気づけば虜になっている。 しみじみ好きになった店とでもいえばいいですか。 その先、一生のおつきあいになりそうな予感がする…、例えば伊勢丹の食堂街にある「西櫻亭」がそういう店で、第一印象は決してよくなかった。 けれど来るたび好きになる。 特に今の時期、百貨店の中にあるというのが安心材料であったりし、お店の人の付かず離れずな適度な距離感もいい

ベシャメルソースにデミソース

今日のランチはごちそうにしようとそれで「西櫻亭」。 伊勢丹の中の洋食店。はじめて来た時はピンと来なかった。以前、同じ場所にあった「香味屋」のイメージがあまりに強くほとんど同じメニューでやっていたことも手伝って、どこか偽物っぽく感じてた。 けれど来店を重ねるごとにその実力を素直に感じることができるようになり、今ではかなりのオキニイリ。 桜色したテーブルクロス。ナイフ、フォークにスプーンがナイフレストを枕に並ぶ。ウスターソースにタバスコ、芥子も並ぶところがいかにも上等な洋食

和牛のカツレツ、これが絶品

新宿伊勢丹の食堂街で昼食とした。 ひさしぶりの営業ですから、食堂街は大混雑か…、と思いきや、案外しずかで拍子抜け。 とはいえ街の行列ができる人気のお店もあって、一番人気は銀座アスター。2番人気はイタリア料理のアジオって感じ。その2店舗はいつも行列ができているから不動の人気ということなんでしょう。 ボクの目当ては西櫻亭。 根津の老舗洋食店「香味屋」の跡地。場所が同じというだけでなく、店の雰囲気、メニューの設え。料理の姿に味も香味屋を彷彿とさせる見事さで、その上等さはまさに伊勢

この店の近くに引っ越したい…、って思わせる店。洋食の店橋本

熊本で昼。前から行きたかった店に来る。 「洋食の店橋本」という名前で、アーケード商店街に面したビルの2階とある。ところが店へのアプローチがちょっと独特。便利な場所なのに隠れ家みたいな不思議な場所にワクワク期待が高まっていく。 入り口を入るとカウンター。中に厨房。奥に向かって広くなり、適度な間隔でテーブルクロスをまとったテーブルが置かれてる。 カウンターならご用意できますと言われて案内された席はカウンターの真ん中の席。目の前に火口があって仕事のすべてが見て取れる。厨房自体が

+8

実家の近所の思い出の店「とんかつかどや」