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和牛のカツレツ、これが絶品

新宿伊勢丹の食堂街で昼食とした。
ひさしぶりの営業ですから、食堂街は大混雑か…、と思いきや、案外しずかで拍子抜け。
とはいえ街の行列ができる人気のお店もあって、一番人気は銀座アスター。2番人気はイタリア料理のアジオって感じ。その2店舗はいつも行列ができているから不動の人気ということなんでしょう。
ボクの目当ては西櫻亭。

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根津の老舗洋食店「香味屋」の跡地。場所が同じというだけでなく、店の雰囲気、メニューの設え。料理の姿に味も香味屋を彷彿とさせる見事さで、その上等さはまさに伊勢丹という場所にあるのにふさわしいもの。
メニューがちょっと絞り込まれていて目当ての洋風幕の内はお休みでした。それならばと、サラダとスープ、メインにビーフカツレツを選んでたのむ。

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テーブルの上にナイフフォークがずらりと並び、お箸に芥子、おしぼり、お冷でひと揃え。このテーブルの背筋がのびる状態にうっとりします。

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まずサラダ。野菜の種類が多彩でしかも目にうるわしい。
葉っぱ野菜だけでもサニーレタスにカーリーリーフ。マスタードグリーンやチャービル、ケールと種類豊富でそれらそれぞれがみんな特別な味や風味を持っている。

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香りの強いニンジンに、生のカリフラワーはサクサク壊れて口に散らかる感じがオモシロイ。
トマトも味わい、サイズ違いで3種類。ベビーコーンやスナップエンドウ、紅芯大根などは軽く塩ゆで。その塩の味わいで他の野菜が食べられる。ドレッシングが添えられてきたのだけれど使わなくても十分、おいしく味わえる。

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コーンポタージュはぽってり舌をあっためて、とろりと喉を撫で回す。お腹もあったか。メインを食べる準備ができる。

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和牛のカツレツ。
注文したときに肉はどのような状態に仕上げましょうか…、と聞かれた。
お肉の状態に合わせておいしいようにと答えたら、今日のお肉ですとミディアムレアがよろしいかと…。
それでミディアムレアでお願いしました。
ヒレの部分を分厚く切って、細かなパン粉をぎっしりつけてこんがりと焼く。
3つに切り分け並べた肉の断面の見事なロゼ色。
これぞミディアムレアな仕上がり。

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肉をぎっしり覆ったパン粉がオーブンの窯のような役割を果たしているのでしょう…、ロゼ色ではあるけれど芯までしっかり熱が入って肉の旨味も風味も汁も肉の中に閉じ込められてキレイに仕上がる。
塩がしっかりほどこされていて、芥子をそえてそのまま食べるとただそれだけで味が整う。ねっとりとした肉の食感。歯茎を撫でるようにしてクチャっと潰れてそこにパン粉のカサカサとした食感からんで香ばしい。

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パン粉を媒体として熱が入っているから直接焼けているわけじゃない。ステーキではない。ローストビーフのようであってけれど油の食感、風味が肉の旨味を引き立てる。
デミグラスソースが一緒にやってきます。洋食店の命ともいえるソースですから、やはり使ってみねばとカツレツの上にトロンとかける。どっしりとした旨味の脂の焦げた香ばしさ。軽い酸味が絶妙で肉がたちまちビーフシチューのような味わいになっていく。

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ただ肉の持ち味があまりにおいしくソースをかけて食べるのがもったいなくなる。付け合せのマッシュポテトにソースをたっぷり。ねっとりとしたじゃがいもにバターの香り、ねっとりソース。風格のある味にうっとり。気が晴れました…、オゴチソウ。


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