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櫻井さんちの上等洋食、おもてなし

上等な洋食を食べたいなぁ…、と思ってそれで御徒町。

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東京で背筋が思わずしゃんと伸びるような洋食レストランは、不思議なことに皇居の東側に集まっている。
それも浅草、上野、銀座と東京メトロ銀座線の沿線エリアに集中してる。
考えてみれば銀座線って昭和のはじめの完成。そして当時の高級料理の代表が洋食だった。だから洋食レストランが上野、銀座界隈に集中しているのは不思議じゃなくて当然なのかもしれないなぁ…。
地下鉄で上野、御徒町に近づくとおいしい洋食を食べたくってお腹がなります。
今日は「キッチンさくらい」に来る。

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厳選洋食さくらいという本店が近所にあってそこも良店。けれどボクはこの店の空に浮かんだガラスの箱のような明るい空間、カジュアルなムードが好き。調理長は男性だけどそれ以外の厨房スタッフはみんな女性というのもステキ。

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櫻井さんと名札をつけた人に、いらっしゃいませと挨拶される「キッチンさくらい」。今日も安心、ニッコリします。
ハンバーグとタンシチューの盛り合わせのランチをたのむ。ランチにはサラダとスープがセットになって、ライスかパンが選べるのだけれど代わりにハーフサイズのオムライスをもらって今日のランチとします。

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サラダは葉っぱ野菜をオリーブオイルでドレスして塩で味を整えたもの。スープはごぼうのポタージュ。ごぼうの荒々しくて土臭い香りがおいしい滋味に溢れたおゴチソウ。

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サラダとスープを食べ終えたタイミングで他の料理がやってくる。どちらも楕円形のシンプルな白い皿。特にオムライスの太陽のような色が映えてうつくしいコト。空気をたっぷり含んでふっくら焼けた卵がふんわり空から落ちてきた…、ってそんな軽やか。食欲誘う。

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細かな気泡が口の中でゆっくり潰れる。
見た目以上にそれはふんわり。
包み込まれたご飯はカラメル色に仕上がっている。
牛肉の端材とデミグラスソースをまぜて丁寧に焼き上げたご飯で、風味豊かで香ばしい。

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おそらくこのお店のランチで一番人気がこのオムライス。
デミグラスソースかトマトソースを選べてほとんどの人がデミグラスソースを選ぶようだけど、ボクはここのトマトソースがオキニイリ。
ケチャップじゃなくてあくまでソース。
トマトのピュレを泡立てたようなふっくらとした食感で、スッキリとした甘みと鮮やかな酸味がおいしく口の中をさわやかにする。ご飯を味付けしたデミグラスソースとトマトソースが一緒になるとケチャップめいた濃厚で甘やかな味がするのがたのしい。

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ひき肉同士ががひしめき合ってぎっしり固く仕上がったハンバーグ。ソースはたっぷりのマッシュルームと一緒に炊いたデミソース。生クリームをサラッと流して風味をつける。肉汁がしっかり中に閉じ込められて噛みしめると旨味が染み出し口を潤す。

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よく煮込まれた牛タンはフォークの背中でホロリとほぐれる。キシキシ奥歯できしむようなタンの繊維がなんとも独特。なによりソースの深い味わい、旨味にウットリ。サイドに添えられたマッシュポテトとキャロットグラッセ、茹でたブロッコリの状態もよく、ソースと一緒に食べるマッシュポテトのおいしいコトにまたウットリ。

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崩した牛タンをソースごとオムライスにかけじっくり味わう。トマトソースも途中でまざり口の中は味のパレード。この組み合わせはオキニイリ。食後にアイスコーヒーをもらってのんびり、おいしい余韻をたのしんだ。


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