実家の近所の思い出の店「とんかつかどや」

画像1 実家の近くのお店って、なにか特別な場所のように感じる。 特に、今は実家がなくなった街に今でも残る思い出の店の特別感は格別で、今日来てみたくなった「かどや」という店はそういう特別なお店のひとつ。 街場の気軽な洋食屋さんです。 家族でやってる小さな店で、揚げ物がおいしいので街の人気者。20年ほど前からのお付き合いで今でも同じ家族でやってる。
画像2 実家の近所に住んでたボクは、毎週日曜、実家にもどって食事をするのが常だった。同じ仕事をしていた父とは、大抵仕事の話になってときに衝突。気まずいムードになることがある。 そんなときには母が仲裁。今日の食事は「かどや」にしようとやってきていた。さすがに外で口論ができるわけでなく、しかもおいしい料理をみんなで分けると気持ちも落ち着き、じゃぁ、またねと笑顔で別れることができたのを思い出す。
画像3 父は大抵揚げ物でした。エビフライかロースカツ。 ここの揚げ物はラードを混ぜたこってりとした油でバリッと揚がった衣が特徴で、衣はザクザク。細かなパン粉が分厚くついて仕上がった、中の素材はしっとりふっくら。超千切りのキャベツにパスタ、湯剥きのトマトとずっと変わらずクラシック。
画像4 エビかロースかといつもなかなか決まらぬ父に、私はエビフライに今日はするわと母がいつも助け舟。結局父は食べたかったモノを両方食べて帰ることになるんだけど、果たして母は自分が食べたいものを食べていたんだろうか…、ってちょっと思った。手仕込みの漬物に熱々の味噌汁がつきひと揃え。
画像5 ボクはポークピカタとかロースソテ、ハンバーグのようなグリル料理をいつもたのんだ。今日はなつかしハンバーグ。 合いびき肉がふっくら仕上がり上にたっぷりデミソース。どっしりとした軽い酸味の後口おいしい香ばし系のソースでこれをたっぷりまとわせ口に運ぶとたちまちとろける。なつかしい。
画像6 目玉焼きが一個ついてて、今日の焼き加減はパーフェクト。白身の縁がカリカリするまでこんがり焼けてて黄身はほどよく芯だけ半熟。ご飯の上にのっけて醤油を垂らしてパクリ。ボクの好みに作ってくれる…、なんてうれしい、ありがたい。
画像7 父と二人で炒めご飯をひとつたのんで分けて食べるのが、ちょっとした仲直りの儀式のようになっていた。エビピラフかドライカレーと決まってて今日はドライカレーをたのむ。
画像8 たのむと厨房の中からジジッジジッをご飯が焼ける湿った音がやってくる。それが徐々に乾いた音に変わっていくと、途端にカレーのおいしい香りがやってきてそれと一緒にガチャガチャ、フライパンがコンロに当たる音がしてきてにぎやかになる。
画像9 細かく刻んだ鶏肉に玉ねぎ、薄切りマッシュルーム。レーズンも中に混じってカレーの風味で味が整う。カレーパウダーがご飯の湿気をとって焼かれて仕上がるからでしょう…、ちょっとモサモサした食感が味わい深くてオキニイリ。お腹一杯、満ち足りました、さぁ、帰ろ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?