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【江東区】「ひとり親世帯への支援について」江東区に聞きました~家事・育児支援・多様な預かりが課題です~

みなさん、こんにちは!

助産師・看護師・一児の母
がん・不妊治療経験者
江東区議会議員の酒井なつみです。

江東区議会の11月議会の取り組みを、順にご報告します!

今回のテーマは

今回の内容は「ひとり親世帯への支援について」です。


ひとり親支援について(図解画像)

江東区におけるひとり親臨時給付金について



低所得の子育て世帯に対する特別給付金は6月に続き、今年度2回目の5万円給付が決定いたしました。 

6月に行われた支援は国の事業で、低所得のひとり親世帯と住民税非課税世帯が対象だったのに対して、今回は都の事業で、対象はひとり親世帯のみとなっています。

特徴は、都の示す支援対象を拡大し、区独自支援を行うもので、児童育成手当を受給している家庭も対象にしたことであると言えます。
対象世帯は約4000世帯、児童数5200人。R5年2月上旬に児童1人当たり5万円を支給予定となっています。

ひとり親世帯臨時給付金
財源:都支出金1億、区1.68億(地方創生臨時交付金を活用)
児童育成手当受給者に対し、児童1人当たり5万円を支給するもの。
対象世帯約4000世帯、児童数5200人。申請不要。
R5年2月上旬支給。(児童扶養手当受給者より対象拡大)

江東区ひとり親世帯臨時給付金事業について

東京都独自の制度「児童育成手当」:父親または母親がいない児童や、父親か母親に重度の障がいがある児童を養育している人が対象。
支給金額は、対象児童1人につき月額1万3500円で、6月、10月、2月の3回に分けて、4ヶ月分ずつ支給される。

児童育成手当とは

江東区で暮らすひとり親の現状について

少し古いデータになりますが、本区が平成30年度に行った「子育て世帯 生活実態調査」では、児童育成手当受給者向けに調査を行っています。


この調査で、世帯類型別の生活困難層の状況は、小学校5年生のひとり親では約3割、中学校3年生では半数近くが、「低所得」「家計の逼迫」「子供の体験や所有物の欠如」などが該当する生活困難層となっています。

生活困難層とは、「低所得」「家計の逼迫」「子供の体験や所有物の欠如」
二つ以上の要素に該当:困窮層
一つの要素に該当:周辺層。

生活困難層とは

ひとり親世帯が安心して生活を営むための経済的支援は大変重要だと考えており、今回児童育成手当受給者にも対象拡大(約1,700人増)していただけたことは喜ばしく、評価できると考えます。


先に述べた生活実態調査では、ひとり親の保護者のうち2割以上が、うつ傾向、精神疾患リスクに該当しており、ひとり親や生活困難層ほどうつ傾向や精神疾患のリスクが高い事がわかっています。


また、子育てに不安や負担が強いほど、子供を叩くなど児童虐待リスクが高くなる傾向が出ており、虐待の発生予防のためには、保護者の育児に対する不安や負担を軽減する取り組みが必要です。

江東区の課題と必要な支援策について

これまでも求めてきましたが、ひとり親世帯の家事育児を支援する「ひとり親ホームヘルプサービス」の導入が必要です。
ひとり親ホームヘルプサービスは23区内ではすでに17区で導入されています。

日常生活の家事や育児が大変なひとり親家庭に、ホームヘルパーが訪問し、家事や育児のサポートをします。保護者の仕事、就職活動、一時的な病気などの理由でも利用することができます。

ひとり親ホームヘルプサービスとは

墨田区はひとり親でなくても利用ができますが、参考までにチラシを添付します。

墨田区の場合


墨田区の場合、1時間あたりの利用料は0円から900円まで。
3ヶ月間、1日2時間まで頼めるようです。
所得制限なく、安価にホームヘルプが利用できるって安心ですよね。

なぜ江東区で使えないのか、区の見解と検討状況を聞いてみました。

江東区子ども家庭支援課長の答弁は、必要性は認識しており、現在検討している、とのことでした。

早期導入が待たれます。来年度の導入が見込まれない場合、繰り返し導入を求めて参ります。

トワイライトステイ(夜間の預かり)も利用できなくて辛い!とのお声も頂いています。こちらも必要ですよね。

トワイライトステイとは:保護者の仕事や病気の療養で帰宅が遅い場合、専用の施設等で17時から22時頃まで子供を預けることができます。

トワイライトステイとは

その他にも一点重要なことがあります。

「子どもショートステイ」事業のうち、0歳児の預かりについて、区民に非公開で行っており、問題ではないかと考えています。

現在江東区ホームページでは1歳から15歳まで実施していることになっています。

こどもショートステイとは、保護者が病気・出産・出張・育児疲れなどの理由で、一時的に子供を家庭でみることができないときに、原則7日以内、宿泊で子供を預けることができます。

ショートステイ事業とは

現在、0歳児の子どもショートステイは、13区で公開のうえ実施されています。

自治体によって異なるものの、もっとも早いところは港区で生後5日以降、中央区や墨田区の場合、生後57日以降、受け入れ可能となっています。

なぜ非公開なのか聞いてみたところ、利用できる枠が少ないこと、予算もかなりかかる、とのことでした。

納得のできる説明ではないと感じています。

また、これは江東区に限った課題ではありませんが、区内で受け入れ可能な施設を有するのは、23区中4区(新宿、港区、中野区、杉並区)のみとなっています。つまり、施設の見学・面談/預けるために他区までいかなければなりません。
受け皿(ここでは乳児院/子育て支援施設のソフト面の充実)についても課題と言えます。

区に対しては、0歳児も対象であることを区民に広く公開し実施することを強く要望しました。


おわりに



今回はひとり親世帯への支援について報告いたしました。
いかがだったでしょうか?

誰しも万が一のときがあります。
安易に使うわけでなく、様々な選択肢がある中で最終的には行政が支える体制を作っていることが大切ではないでしょうか?

ひとり親支援について、江東区は手を抜いていると考えています。

最後に取り上げた「ショートステイ0歳児非公開問題」に関しては、案内していなければ、ないのと同じですよね。
問い合わせることも諦めてしまいます。

「提供できる数が限られるため、本当に必要な人に提供したい」という区の考えは、あまりにも想像力に欠け、上から目線で、許容できません。

社会で子育て家庭をサポートする体制をしっかり作っていくべきです。
そのための予算は十分にあります。

これからも全力で取り組みます。

応援よろしくお願い申し上げます!


〈参考〉

ひとり親の方に向けた東京都のポータルサイト、支援がまとまっており、とても便利なので広まればいいなと思ってます。
使いたいサービスが江東区未導入でしたら、引き続きお声を届けて下さい。


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