至極、窮屈 夢日記2024.7.12

 レストラン。
 有名な女優さんが経営している、高級店だった。
 こんなところに家族で来るということは、何か余程おめでたいことでもあったのだろう。
 店の奥に案内された。仕切りこそないがほかのテーブルからは見えず音も聞こえてこない、ほぼ個室と言って良い空間だった。
 ただ気になったのは、テーブルと椅子の配置。
 広々としたスペースがあるのだから真ん中に置いても良いだろう。中央でなければ窓際なら外の景色も楽しめる。壁にテーブルが接している飲食店だっていくらでもある。
 しかしこの店では、テーブルは壁との間に微妙な距離を取り、そこに椅子をねじ込んでいるのだ。
 その席に座った僕は至極、窮屈だった。椅子の背もたれは壁に当たっているからこれ以上、後ろには下がれない。胸元にはテーブルが迫っている。強制的に姿勢を正され、息を抜くことを許されない。
 オーナーの女優さんが来たので、もう少しテーブルを前に出して良いかと言いたかったのだが、僕が話しかけるより前に、彼女はレストランの歴史を語り始めた。
 開店当初は提供する料理には自信があったものの客足が伸びず苦労したが、高名な占い師のアドバイスに従って店内を改装したところ人気が出た、テーブルの置き方まで事細かに指示していただいて非常にありがたい、と。
 占い師のアドバイス。
 狭くて嫌だからテーブルをずらして良いかと尋ねたら、1ミリたりとも動かしてはならないと言われそう。

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