予告状が2枚 夢日記2023.11.9

 怪盗ルパン三世のアジト。
 僕はルパンの手下、というよりは、内弟子として寝食を共にしていた。
 師匠はルパン三世と名乗ってはいるが、僕以外に仲間はいないし、美人の尻を追いかけたりもしない。初代ルパン直系の三世ではないのだ。
 初代の頃も息子以外に弟子がいて、息子の代になると弟子たちはそれぞれ独り立ち、ルパン二世と名乗る者もいた。この時点でルパン二世が複数人になった。同じことが二世から三世への代替わりの際にも起こった。
 そんな訳で、ルパン三世は、たくさんいるのだ。
 弟子筋の中でも華々しい活躍の無い、うちの師匠。いつからかルパン一門の流儀になった予告状は、一応出すものの、いたずらと思われ警察沙汰にすらならないことも多い。次のターゲットも田舎の美術館のマイナーな画家の絵画作品という、地味な仕事である。今回も犯行後に、ほんとに盗られちゃったよいたずらじゃなかったのね、と言われる結果になるはずだった。
 ところが、予想外の騒ぎになってしまった。同じ美術館に予告状が2枚届いたからである。同じように地味な標的ばかり狙っていた、ほかのルパン三世が、僕らと同じ美術館の別な作品に対して犯行予告を出したのだ。新聞を読みながら、師匠は苦々しい表情。
 三世同士の交流が無いことが、こんな風に裏目に出るとは。いや、本来なら、大騒ぎになって厳重な警備の中、華麗に盗み出すのが怪盗の面目躍如なのだが。

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