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Vol1職人を目指す人へ事業計画書? 未来に残したい風景

事業計画書について質問があったので記事にしておこうと思います。

当工房の弟子育成スタイルは全国的に珍しいインキュベーション型の工房です。(弟子期間に独立支援を行う。)


彫刻技術だけでなく弟子の理想とする将来の職人像になれるようにアドバイスしていく。

職人の業界では全国的に珍しい育成スタイルなので取材を受ける事が多いです。給与を出しながら将来のライバルをつくるわけですから、珍しいですよね。。。 

この仕事は1000年も継承されている仕事ですので自分を踏み台にして新しい世代が未来に繋げてくれたらそれで良いと思う事にしています。


彫刻技術以外にも教える事が多いので自分が沢山、本を読んで勉強しています。大変ですねと言われますが普通に本大好き人間です。


基本的にこの業界では仏師に5年〜10年弟子入りして技術を覚え独立する場合が多い。自分もそうでした。(今は分からないです。)


自分の場合は寛大な師匠から許しを得て運良く5年で独立出来ました。師匠ありがとうございます!(🙇‍♂️)


ただ、弟子期間の間はひたすら彫刻の技術を磨くので視野が狭くなっていきます。
どうやって仕事が来るのかも分からない。どうやって生計を立てていいのか分からないと言う状況でした。仕事が無いという理由で辞めていく同業者も多く見てきたのも事実です。とても悲しい気持ちになります。


自分が教えた弟子には、そうなってもらいたくない。
弟子期間中に技術も含め、仕事が取れるような事も教えていこうという結論になりました。ここからはその内容の一部を簡単に説明します。


最初にやる事


『弟子入りして直ぐに事業計画書』
事業を立ち上げている方にとっては当たり前で申し訳ないのですが質問が多いので書かせてください。


自分が将来、どんな職人になりたいか決めてもらいます。初めての場合が多いので教えながら作ります。
当工房は弟子期間が3年〜5年ですので、1年後、2年後、3年後どうなっていれば将来の理想像になる事ができるのかを書いてもらいます。思ったように出来なければ、お盆休み前や正月休み前にフィードバックして軌道修正していきます。

正直、上手くいかない場合が多い。初めはトライ&エラーで試していくしかないです。コミュニケーションをとって相談していくのみです。



・次は『マンダラチャート』をつくる。

これは高校野球の指導で有名になりましたね。気になる方は検索してみて下さい。


仏教の曼荼羅と同じ構図ですね。わかりやすいので当工房でも取り入れています。真ん中に目標を掲げてまわりには、それを実現する為にどんなスキルが必要になるかを書き込んでいきます。

例えば3年後に彫刻家として生計をたてると言う目標を決めたら技術以外にも必要になる事が出てきます。それは本人の目標によって変わります。(経営の勉強や会計の勉強、展示会、ホームページ、SNSをやるなど)これも本大好き人間の僕が教えます!

こちらも思ったようにいかなければフィードバックして軌道修正していきます。



念の為言っておきますが。。。。

仏師という仕事は仏像を木から出していくお仕事です。


ですが教える側となると自分はマラソンで例えるとコーチみたいな事をします。個人的に僕は走るのが好きなので例えてみました。関係者の皆さん間違っていたらごめんなさい。



職人になるって言う目標やゴールを決めたら弟子入りという準備期間があり、やるべきことをやらないといけない期間がある。マラソンだっていきなり大会に出ないはず。(多分)
マラソン大会に出る前に将来の目標やゴールを整えないといけない。真剣に将来と向き合う。その為に何が必要か。そうしないと努力という継続が無駄になってしまう場合がある。

サッカーの方が得意なのでサッカーで例えた方が良かったと後悔して書いていますが、そのままマラソンで例えます。。。


マラソンと同じで、なんとなくやっていると続かない。目標やゴールを決めている人は苦しくても過程を楽しむ事が出来る人だと思います。ここをしっかり考えて実践出来るかは当の本人次第ですがそこは信じる事にします。新年早々に目標ないけどマラソン出るので頑張りますでは、こちらも少しがっかりします。

教える立場になってみて。。。

弟子期間を通して辛い事も嬉しい事も経験し成長を実感してもらいたい。そして将来の目標を達成し一人前の職人になってほしい。仕事を楽しみ全力で努力するからこそ見える景色がある。自分が教えた人には、未来に残せる景色を見せたいと考えています。

目標に向かって努力している人 応援しています。

坂上

過去の記事も見てね。応援よろしくお願いします。

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