見出し画像

「ムクウェゲ」

2022年6月某日

「ムクウェゲ」
監督:立山芽以子

「女性にとって世界最悪の場所」

でも作品を観たら
この問題は「女性問題」では無かった。

美しい大地を撮影する、
整った映像と、
有名女優のナレーション
構成、演出的にはBSとかでやってるテレビ局の作るドキュメンタリーという感じかな…

なんてちょっと引いた感じで最初観ていたら、

途中からとめどなく泣いてしまった
(ちなみに皆さんそんなに泣いてない…かな?分からないけど。
泣く感じじゃない気がする…
絶対見るべきな素晴らしい映画だけど、
「お涙ちょうだい」ではないです)

それが何故か私、
加害者の男性へのインタビュー辺りから、
感情が溢れてきた
(多分一般的なタイミングじゃない気がするけど)

だって、
被害者は圧倒的に女性なんだけど、

(※因みにレイプと言って想像するレベルを超えた残虐な暴力と殺人)

(※映画 #チタン を観た方なら、
あの主人公が自分や他人にやっていた事がそのまま現実のコンゴで女性が受けてる暴力と殺人、といった状況)

話戻して、
被害者は女性なのだけど、
話を聞けばこの加害者となった男性もある意味被害者でもあって、
更に言えばそれを指示している武装集団のひとらだって、
「経済」の被害者とも言えるんじゃないか。

だったら真の加害者は誰?

それは私達でした。

(これはネタバレではありません。
あらすじを知ってもなお、
見る価値があります。)

自らを「進んでる」と、
「先進国」だと恥ずかしげも無く自称して、
スマホや電子機器を次々買い替え、
なんなら車も服も食べ物も、
なんの抵抗もなく世界で作られたものを消費している私たち「先進諸国」の住人たち。

様々なものの自給率が乏しいウチみたいな国がポカーンと無知のまま生きて、
こんなに豊かな資源のある国が、
その豊かさ故に搾取され、襲われて支配され、
恐ろしく危険で貧しい暮らしを強いられている。

それを世界は無視し続けている。

そのロジックがこの映画ですっかり晒されます。

(多分自分が加害者すぎて泣いたのか?
とか思いつつ分からないけど泣いていた私。)

デニ・ムクウェゲさんが語る姿はとても迫力がある。
身体も大きいひとだ。

でも決して怖く感じないのは、
全身から愛と優しさが滲み出てるからかな…

それ故の強い言葉。
「情報が発達したこの時代に、
誰も「知らなかった」とは言えません。
あなたのポケットにあるスマートフォンにも、
女性が襲われた土地で掘られた資源が入っているかもしれません」

ぜひ、まだご覧になれる機会があれば、
多くの方にみて欲しいし、
私も考え、学んで行動をしなければ、
と思いました。

そして喉元すぎて忘れないようにと…
またパンフレット買ってしまった💦

今月映画ですごいお金使ってる💦
そろそろヤバい😵

そして、このパンフレットがとても可愛い。
アフリカ布って可愛い。
それで思わずインスタ映えしそう〜
と思ってハッと。
この浅はかな行動が「文化の盗用」か?

これかわいい〜
アフリカって感じがおしゃれ〜欲しい〜
って何かに対して思うとき、
ちゃんと考えて消費しないと。
もっと、もっと。
と思いました。

トレーサビリティとは、
消費者という自分にとって安全なものかどうか
だけじゃなく、
それが搾取されたものじゃないかと、

それを考えなくちゃいけないんだ。
そうかこういう事なんだと、改めて。
改めてというか、無知だった自分を恥じました。

現代の日本に生きるひと
みんな必見、という作品でした。

少し後に、行動範囲内の劇場で
#メイドインバングラデシュ もやるみたいなので、
それも絶対観たいと思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?