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まいにち子育てヒント#21 赤ちゃんに話しかけるときの「マザリーズ」

お母さんをはじめとする大人たちが赤ちゃんに話しかけるときの、高いピッチで抑揚をつけた話し方をマザリーズ と呼びます。
これは赤ちゃんにとってわかりやすい、抑揚の強い音声の方により関心が向くからです。
マザリーズ という名前ですが、お母さんでなくても一般に赤ちゃんに話しかけるときは特殊な話し方をする人が多いです。お母さんが特別なのは、赤ちゃんが胎内でもお母さんの声を聞いているからだと思われます。
マザリーズ による語りかけは赤ちゃんの関心をひくため、マザリーズ でのコミュニケーションは言語学習を促進するのではないかと言われています。赤ちゃんのストレス低減に効果があるとするデータもあります。
一方でマザリーズ を使う頻度と幼児期の言語発達の間に見られる関係はそこまで強くなく、語彙に関しては相関が見られないというデータもあります。話しかける量の方が影響が強いようです。
マザリーズはほかにも、抑揚が強いぶん赤ちゃんが真似をしやすいという強みがあります。真似による発話と母親の表情などを関連づけて、情動調整がされるようです。
さらに、お母さん自身も、マザリーズ を話すことで脳が活性化するという研究があります。赤ちゃんに語りかけることを、積極的に楽しめるとよいかもしれません。

山本千紗子. "乳幼児に話しかけること・褒めることの大切さ: 子育て支援のためのエビデンスを求めて." (2009).
久永聡子, et al. "マザリーズによる乳幼児の言語発達促進効果に関する縦断的研究." 発達研究: 発達科学研究教育センター紀要 30 (2016): 117-122.
児玉珠美. "0 歳児におけるマザリーズの効果に関する一考察." 名古屋女子大学紀要. 家政・自然編, 人文・社会編 61 (2015): 261-270.

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