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グランドキャニオンで泣く 〜とさか世界一周旅行記 9日目〜

こんにちは!とさかです!絵本を描きながら幼児教育の勉強をしています!
本連載は、2015年に僕が世界中の幼稚園の取材をしながら各国を旅行した際の日記を紹介しています。

2015/10/7 22:45(ラスベガス)
今日は朝早く起きてツアーの集合場所のホテルへ。
さすがに怖いのでバスを使ったが、バス停までの間も治安の悪い感じがした。
バスのシステムが場所によって違い混乱する。ここでは、二時間分の券を買う仕組みらしい。
一駅分寝過ごし、歩いてホテルに着く。ホテルでしばらく時間があったのでカジノなどを見て回る。さて、集合時間になったが、場所がわからない。二階のエレベーターの近くだから合っているはずなのに。焦って、見て回った時のことを思い出し、そういえばもう一箇所エレベーターがあったと気づく。そちらに向かうとやはりツアーの人がいた。列ができずわらわら群がっているのでややこしい。自分の番が来てチェックインする。自分の名前があった時、とても安心した。一つ一つの予約に緊張する。
さて、バスに乗り込む。幸い一番後ろの席で、防犯上も景観上もよろしい。
グランドキャニオンまでの道のりはやはり砂漠や潅木やはげ山ばかりのアメリカっぽい道で、ずっと見ていても飽きない。時間が経つにつれて徐々に太陽側が明るくなっていき、反対側では虹のように色の階層が見える。とても雄大だ。
だだっ広い平原ではさすがにWifiは入らなかったが、ちょっとした街ではちゃんと入った。ケチらず持ってきてよかった。時間があったので家族に電話したが、元気そうでよかった。三男に受験のアドバイスをしたらちゃんと「ありがとう」と言ってくれて感動した。それが言えるならもうそこらの灘中生など物の数ではないだろう。
バスの中の案内は英語と中国語で行われたが、英語が中国訛りだったためどこまでが英語でどこからが中国語かわかりにくい。こちらがメモできるものを取り出す前に電話番号を言い終えてしまうなど、終始不安だった。バスに乗り遅れたらやばいぞと散々脅されたが、バスが着く場所に関する英語が聞き取れない。焦ったが、周りについていけばいいだろうと思い、聞きなおさなかった。
さて、5時間の道のりを経て、グランドキャニオンにたどり着いた。さすがに寒い。
駐車場からほんの数分歩いたら、目の前にグランドキャニオンが広がっていた。
凄い。本当に凄い。これを見るために世界一周を計画した甲斐があった。死ぬ前にこれを見れてよかった。とにかく綺麗で、吸い込まれそうで、幸せで、泣きそうになった。太陽と雲により時折表情を変えるのに気づき、ゾクゾクした。これ以上は言語化したくない。
ほんの40分程度だったが、今後の苦労全てにペイするであろうものを得て、ラスベガスへと帰った。
帰り道で、月世界小説を読んだ。MOUSEや傀儡后ほどのカタルシスはなかったが、言語SFとしての洗練は他に類を見ない。その後、フーヴァーダムにたどり着くが、黒部の方が綺麗に感じたのでバスで吾輩は猫であるを読む。そうして、いつの間にかラスベガスにたどり着いた。
ラスベガスでは、Pink's Hot Dogというお店が美味しいらしいのでそこで夕食をとるためにしばらく歩いた。帰りのバスについて調べたところ、お店のかなり近くにも止まるらしく、乗る場所の予約を変更する。
お金を恵んでもらおうとする人がそこら中にいたり、CDの押し売りも何度か見かけたので、治安が良いと言われるラスベガスでもこれなのかとウンザリする。こういうのを見ると、移民受け入れについて少し保守的になってしまいそうだ(※当時の感想)。
とはいえさすがラスベガスだけあって町並みはとても綺麗だ。どうやら世界の有名な都市を模倣した場所が多いらしく、ヴェネツィアやパリなどを再現していた。水路やエッフェル塔もあった。また、周囲の街灯それぞれにスピーカーが付いており、歩いているだけで音楽が楽しめる。
そういうおしゃれな面もあれば、道路ではデリヘルの広告全開のトラックが走っていたり、ティッシュ配りの要領でストリップ嬢のカードを配っていたりと、とにかく欲望に忠実な街だなあとも思った。
防犯にかなり気を配って歩き、何事もなくホットドッグの店にたどり着く。
ホットドッグは、めちゃくちゃ美味しかった。チリソースをかけるだけでこんなに違うのか、と感動した。ボリュームもある。コーラにめちゃくちゃ合う。日本でも流行りそう。
店の外のテーブルから、ストリートショーが見えた。ブレイクダンスだ。めちゃくちゃカッコいい。ラスベガスの真ん中で踊って煽って生活できるなんて、これほどアツい人生もなかなかないだろう。
しばらく見物して、お金を集めだしたタイミングで撤収する。お金持ちになったら積極的に払いたいと思った。20ドル払った人はThis black boy!!!と紹介されていた。ブラックとかホワイトとか割とさらっと言っちゃうんだなと思った。
さて、撤収してバス乗り場に向かうが、そのときはもう暗くなっていたのでかなり慎重に動く。
何事もなくバス乗り場のあるホテルにたどり着き、時間があるからとカジノをうろちょろする。上品でも下品でもある不思議な空間だ。いつかまた来て自分でも賭けたいと思った。
バニーガールを見つけたが、自分よりでかいベリーショートの女性だったので、でけえ、という感想しかなかった。
さて、バスが来る時間だ。予想通り、遅れているみたいだ。一応確認の電話を入れようとしたが、出なかった。待っている場所が合っているとも限らないのでビクビクしながら待つと、15分くらいしてようやく来た。ここでも自分の名前がちゃんと登録されてて安心する。乗ってみたら、スペイン語のおばちゃんとお兄さんがめっちゃ会話する席の真後ろになってしまった。今これを書きながら、おばちゃんのやたら大きい声量に辟易している。日本人なら絶対関西弁だろうなあと思いながら、今日の日記を終える。

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