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想起の現象学 登阪(2019)

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第2章 語り得ぬものを照らすヒカリ

第2章 語り得ぬものを照らすヒカリ

本論では現代思想における「語られるもの」と「語り得ぬもの」の扱いを概観する。
語られるものとは、古代ギリシャにおいて「理性」と呼ばれたものの射程であり、知的に操作可能なあらゆる論理的関係の集合である(厳密な定義ではない。)ストイックの語源となったストア派においては、私が理性を用いて考える、その内容そのものが私自身であり、私の富や名声はその所有物に過ぎないため、考えることの充実のみが追求されるべきだ

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